笑う化石の謎 の商品レビュー
社会保障が整備されていない頃のイギリス。貧しさはすぐ隣にあるとひしひしと伝わってくる。 この本には他にもたくさんのテーマ…巨大な化石の発見、科学と宗教の対立、家族関係、放火事件に関するサスペンスの部分…が描かれていて、ちょっと詰め込みすぎている感じ。子どもが読むにはしんどいかもで...
社会保障が整備されていない頃のイギリス。貧しさはすぐ隣にあるとひしひしと伝わってくる。 この本には他にもたくさんのテーマ…巨大な化石の発見、科学と宗教の対立、家族関係、放火事件に関するサスペンスの部分…が描かれていて、ちょっと詰め込みすぎている感じ。子どもが読むにはしんどいかもです。ビルがお母さんに疎まれているのが辛いですし。 個人的には、「海辺の宝もの」という本に出てきたメアリー・アニングのエピソードがはさまれていて興奮しました。
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イギリスのグランチェスター村でコプロライドという化石肥料が発見された。 コプロライドがその花畑にあることが分かり、花畑を手放そうとする持ち主。そこで働く園芸家を一人だけ残すと聞いて、少年ビルは父親を選んでもらうよう土にインクをしみ込ませると紫の花ができると知らせ、父親は実行。賞を...
イギリスのグランチェスター村でコプロライドという化石肥料が発見された。 コプロライドがその花畑にあることが分かり、花畑を手放そうとする持ち主。そこで働く園芸家を一人だけ残すと聞いて、少年ビルは父親を選んでもらうよう土にインクをしみ込ませると紫の花ができると知らせ、父親は実行。賞を取って喜ぶもそれがインチキだと指摘され、賞をはく奪され、首になる。 足の悪い父親の代わりに頃プライドの採掘場で馬の世話の仕事をすることになったビルは、そこに色々な化石が眠っていて、採掘場の人々は価値を見出さないが、愛好家の間で値段が付くことをしる。 ビルがある日見つけた大きな化石を軸に好奇心、観察眼、想像力、友情、愛情が描かれています。 両親や友人とその家族を助けようとするビルのひたむきな姿に、思わず応援したくなりました。 後半部分に物語が一気に加速してくる感じが良かったです。 そして、完全なるフィクション化と思いきや、登場人物、時代背景、化石については、実際のものが含まれていると、あとがきで知り、感慨深くなりました。
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アルバイトで通っている小学校で、司書さんにオススメされた。 「大人でも楽しめるから」と言われ半信半疑で読み始めたが、途中からは没頭して読んでいた。 言葉にしないとお互いの愛は伝わらないことをひしひしと感じたし、子供の感受性は想像以上に豊かなのだと言うことにも改めて気付かされた。...
アルバイトで通っている小学校で、司書さんにオススメされた。 「大人でも楽しめるから」と言われ半信半疑で読み始めたが、途中からは没頭して読んでいた。 言葉にしないとお互いの愛は伝わらないことをひしひしと感じたし、子供の感受性は想像以上に豊かなのだと言うことにも改めて気付かされた。 読んでよかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
次から次へと何事か起こるので飽きないで読めた 。 恐竜や化石、コプロライト、進化についての記述があり、知らないことを知ることの面白さを感じられた。 両親、村人、親戚、学校、学者、労働者、、、 様々な人との交流(よいものに限らず)の中で折り合いをつけつつ、対処法を身に付けてゆくビルは はなかなか真っ直ぐな人だ。思春期ってこんなだったんだろうか。 13歳とは。 シーリーさんとの出会いがあってよかった。 興味・発見・疑問・考察。 子どもたちにもこの本から何か発見がありますように。 概ね楽しめたが気になる点がいくつかあり。 ・終盤盛り込みすぎでは? ・ビルに対する母親の言動が辛すぎ。ささる。よく真っ直ぐ育ったものだ。 ・オブライエンは結局なんだったのか。
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進化論が浸透していないころのイギリス。両親を助けるために採掘場での仕事を手に入れたビルはあるものに気づき物語の終盤を盛り上げる。好奇心と知識は身を助けるものに繋がる。
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「本の帯コンテスト」の課題図書。 ダーウィンが『進化論』を発表して間もないころのイギリス、ケンブリッジに近い郊外の村に住む少年ビル。村はコプロライトという土の塊が採掘されることから、ビルの父親は園芸職人の職を失う。母親は体調が悪く医者にかかる費用もままならない。ビルは学校に行かず...
「本の帯コンテスト」の課題図書。 ダーウィンが『進化論』を発表して間もないころのイギリス、ケンブリッジに近い郊外の村に住む少年ビル。村はコプロライトという土の塊が採掘されることから、ビルの父親は園芸職人の職を失う。母親は体調が悪く医者にかかる費用もままならない。ビルは学校に行かず仕事を探すことになるのだが・・・。 19世紀の半ば、イギリスでは古代生物の化石が次々に発見され、ダーウィンは『進化論』を発表し、聖書に書かれていることの真偽に民衆の信仰心は揺れ動く。 ビルと近くに引っ越してきた、いとこのアルフの家族はあることで苦境に立たされる。コプロライトには貴重な化石が含まれていることがあると知った二人は、事態打開のためある計画を立てる。 ビルを巡る過酷な状況は時代背景を頭に入れておかないと、ちょっと乗っていけないかもしれない。労働者階級、地主、経営者、そして学者。そこに家族の秘密が加わり、意外にも複雑な構成になっている。 実在した人物を巧みに織り交ぜて、生まれ育ちにかかわらず自然科学への好奇心が少年に生きる道を開いてくれる結末が明るい気分になれる。
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1860年ケンブリッジ郊外のグランチェスター村に両親と暮らす13歳の少年ビルは、自分のアイデアのために父が失職したため、コプロライトと呼ばれる肥料の採掘現場で仕事をすることにした。そこで、コプロライトが化石で、珍しいものには値がつくと知った彼は、従弟で友人のアルフとともに化石集め...
1860年ケンブリッジ郊外のグランチェスター村に両親と暮らす13歳の少年ビルは、自分のアイデアのために父が失職したため、コプロライトと呼ばれる肥料の採掘現場で仕事をすることにした。そこで、コプロライトが化石で、珍しいものには値がつくと知った彼は、従弟で友人のアルフとともに化石集めを始める。ところが、珍しいワニの化石を手に入れた夜採掘現場の作業員小屋が火事になり、アルフの父フレッドが放火の疑いで投獄されてしまった。フレッドを助けるために彼らはワニの化石を利用しようと考える。 母親から受け入れてもらうために家族の役に立とうと奮闘する少年と、周囲の人々を描く。実在の人物も多く登場するちょっぴりミステリーのフィクション。 *******ここからはネタバレ******* ビルの与えたアイデアのお陰で父親が失職した際の母親の言動がひどすぎて胸が痛む。アイデアを採用したのは父親なのだから、彼の責任ではないはずなのに。 母に、「悪いのはあなたじゃないわ、ウイリアム(父の名)!」「わたしがこの子をちゃんと育ててさえいれば……」なーんてこと言われたら、子どもは絶望してしまうではないか。 救いは、母の嫌う従弟たちの家族。大家族で、ビルの家ほど「ちゃんと」していないけど、彼を温かく迎えてくれる。 馬のドリーと一緒の仕事、化石集め、アルフとの友情が彼の支えとなっていく。 好奇心旺盛で観察眼の鋭い少年が科学と出会い、化石に興味を持っていく様子は、メアリー・アニングを思い出させる。 最後に明らかになる彼の出生の秘密は、この物語に必要なことだったのか?だから母は彼に冷たかったのか?それとも単にマタニティブルーのせいだったのか?卵胎生のイクチオサウルスと関連付けようと思ったのか??? ここだけには疑問が残ります。 中学生以上とされていますが、高学年からイケます。
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ダーウィンが進化論を発表した1850年代後半から60年代あたりの英国が舞台の物語。 つましくも幸せにくらしていたビルと両親のくらしは、父さんが仕事をくびになったことで一変してしまう。ビルは学校をやめて、コプロライトという化石(砕くと肥料になる)を掘り出す採掘現場で働くようにな...
ダーウィンが進化論を発表した1850年代後半から60年代あたりの英国が舞台の物語。 つましくも幸せにくらしていたビルと両親のくらしは、父さんが仕事をくびになったことで一変してしまう。ビルは学校をやめて、コプロライトという化石(砕くと肥料になる)を掘り出す採掘現場で働くようになる。 学校の勉強は決して好きではなく、働くことに喜びを感じるビルだったが、その実、頭のなかはいつも好奇心ではちきれんばかり。化石っていったいなんなんだろう。地面をほると、性質の違う土がいくつもの層になっているのはどうしてなんだろう、etc. etc... ある嵐の日、採掘現場の溝に落ちてしまったビルは、偶然、にやりと笑っているような「ワニ」の骨を見つける。ひょっとして、これを市場に持っていったら、高く売れるかも? 「進化論」が提唱されはじめて、宗教関係者のあいだに大きな動揺が走っていた時代。科学者として化石を研究しようとする人もいれば、悪魔のしるしとして忌み嫌う人もいたし、商売のネタとしてしか見ない人たちもいた。そんな混沌とした時代を背景に、知識を得て世界を広げるとはどういうことか、家族とは何かなど、いくつものストーリーラインをうまくからませてきれいにまとめている。
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