経済成長の日本史 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
すみません、頭と尻尾だけ読みました。方法論は歯が立たなかった。そりゃそうだ。賃金の日本史があまりに面白かったので手を出したが、手も足も出なかった。方法論の立て方は勉強になったのでよし。
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凄い。。 日頃の会社の資料づくりで、定量的な数値を差し込むと俄然説得力が増すのですが、本著は古代からの日本のGDPを定量化する試み。色々なデータ・ログがある現代で資料にちょろっと「〇〇率」みたいなKPIモドキを差し込むのとは、全く次元が異なる世界です。何を手掛かりに始めるの?と興...
凄い。。 日頃の会社の資料づくりで、定量的な数値を差し込むと俄然説得力が増すのですが、本著は古代からの日本のGDPを定量化する試み。色々なデータ・ログがある現代で資料にちょろっと「〇〇率」みたいなKPIモドキを差し込むのとは、全く次元が異なる世界です。何を手掛かりに始めるの?と興味を持ちながら読み始めました。 その前に本著、博士論文に手を入れたもののようで、価格(5,400円)も、発行元(名古屋大学出版会)も、一般向けという感じではないですが、地元の図書館司書さんの目利きに感謝です。税金払ってて良かった(笑 一般人としてはざーっと拝読させていただきました。数式やデータの部分は正直ちゃんと読めてはいないかと思います。 最初に疑問を持った「どう推計するの?」という点。 先行研究のマディソン推計、まぁ手掛かり無いならこうするよねという印象を持ちました。著者はこれを精緻化していった訳です。律令制度が整備された奈良時代以降なのも、まぁそりゃそうだよなという感じ。具体的にどういうロジックで精緻化したかが本著に記されています。しかし、相当根性と能力がないとできない営みで、本当に凄いことだなぁと。。 本著の終盤には今後の見通しが書かれていましたが、学者たちがバトンを渡しながら、経済の大きな流れを少しずつ解明し、学問を前に進めていく営みなんだなぁと感じ、頭が下がるばかりです。 ちなみに、730年-1874年の日本(著者の推計)と中東・アジア諸国の1人あたりGDPの推移比較を見ると、中国は1700年代に、インドは1600年代から下落傾向で、その間に日本が追い抜くグラフです。こう思うと鎖国は正しかったのかも…。(前に別の本でも同じ感想を抱きましたが、あらためて裏付けられた印象です) あと、本著の論旨ではない所もありますが、「直播法から苗代での田植えが広まったのは奈良時代」とか「1人当たりGDPの国際比較で、例えば1600年の日本は、イタリアやベルギーの半分、オランダの1/4、中国の3/4くらい」というのは面白く拝読しました。 特に後者。日本って常に貧しかったのか…というのは衝撃を受けつつ、ただオランダのGDPは1570年からの30年で倍近くになってるんですが、何なんでしょうか…。(スペインとの戦いはあったようですが。。) 現時点でのベストエフォートと思える本著の内容も、また検証されてより精緻になっていくのでしょう。 本著のような難しいテーマで、根性のある推計に触れる、というのはビジネス的にも良い刺激にはなるかもしれません。広くオススメはできないですが(笑
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奈良時代から江戸末期までの人口やGDPの推計をしたものであるが、その結果がどうのこうのというよりも、材料が少ない中でどのように考えて推論を進めていくか、という方法論が非常に参考になる。
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極めて興味深い題材の本ではあるが内容は学術書である。精密・精緻な論考で、パンピーである小生などにはなかなか消化しきれない思いを持った。 しかしながら本書には目をとどめる知見も多く、とりわけ「超長期の1人あたりGDP推移の数値」には衝撃を覚えた。これらの数値を読みながらさまざまな想...
極めて興味深い題材の本ではあるが内容は学術書である。精密・精緻な論考で、パンピーである小生などにはなかなか消化しきれない思いを持った。 しかしながら本書には目をとどめる知見も多く、とりわけ「超長期の1人あたりGDP推移の数値」には衝撃を覚えた。これらの数値を読みながらさまざまな想像の翼が拡がってくる。 本書の内容を噛み砕き、政治史、歴史とのコラボの本がだされないものかとの感想をもった。 2018年2月読了。
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