小沢健二の帰還 の商品レビュー
98年に『ある光』を発表した後ニューヨークに移住して、2017年に『流動体について』で復帰するまでの、空白の19年間の小沢健二についてまとめた本。 何故か岩波出版から出ているけど、彼は人文系のインテリ層にやたらウケが良いからな。 本書についてのレビューを読むと、 「少し調べたら...
98年に『ある光』を発表した後ニューヨークに移住して、2017年に『流動体について』で復帰するまでの、空白の19年間の小沢健二についてまとめた本。 何故か岩波出版から出ているけど、彼は人文系のインテリ層にやたらウケが良いからな。 本書についてのレビューを読むと、 「少し調べたら誰でもわかる程度の浅い情報しか載せていなくて残念。こんなのファンなら常識。」 とか書いていたりするけど、当時から逐一彼のブログ記事をチェックしたり復活ライブなんかに足繁く通い詰めている人の方がかなり稀で、逆に今の若い人にしてみたら、 「オザケンとか誰?」 状態のはずなので、復帰後の彼を見て過去の空白期間が気になった新規ファン向けには面白い内容になっているのではと思った。 僕もそんなにコアな信者では無いので、普通に面白く読めたし。 まあ、でも確かに情報量の割に1800円は割高かなという位かな…。
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「渋谷系」・「王子様」というワードを使わず、小沢健二という人物を細かく、それでいてフラットに書かれていると思った。 フリッパーズ・ギター時代から活動を追いつつも、独自の評価で作る言葉も用いず、かつ熱心で書いていてとても読んでいて気持ちのいいものだと思う。 休止→アメリカの部分も...
「渋谷系」・「王子様」というワードを使わず、小沢健二という人物を細かく、それでいてフラットに書かれていると思った。 フリッパーズ・ギター時代から活動を追いつつも、独自の評価で作る言葉も用いず、かつ熱心で書いていてとても読んでいて気持ちのいいものだと思う。 休止→アメリカの部分も分かりやすくWebだといつ消えるかわからないのでアーカイブも残していて良かったと思う記述でした。
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BUZZの編集者時代から、筆者のファンを自認する割に今さら読んだんだけど、贔屓目無しにこれは名著ではないだろうか。こんなに丁寧に一人のアーティストの活動をつかず離れずで追った作品はなかなかないし、事実とエモーションの配分も絶妙だと思う。これを入り口として、もっと深く一つ一つの作品...
BUZZの編集者時代から、筆者のファンを自認する割に今さら読んだんだけど、贔屓目無しにこれは名著ではないだろうか。こんなに丁寧に一人のアーティストの活動をつかず離れずで追った作品はなかなかないし、事実とエモーションの配分も絶妙だと思う。これを入り口として、もっと深く一つ一つの作品にコミットする余地もあると思うし。これはぜひ「So kakkoii 宇宙」の全曲レビューを付記して文庫版にして欲しいと思うけど、今出てないということは、これからも出ないんだろうな。それだけが惜しい!!
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人気の絶頂から突如姿を消したポップスター、小沢健二。本書は彼へのレスペクトを表明する著者が、その〝失われた際月〝をつまびらかにするもの。何より、著者の筆致がとても素晴らしく、宇多田ヒカルやくるりについての本も読んでみたくな。ニューヨークに拠点を移した小沢健二は、姿を消したわけでな...
人気の絶頂から突如姿を消したポップスター、小沢健二。本書は彼へのレスペクトを表明する著者が、その〝失われた際月〝をつまびらかにするもの。何より、著者の筆致がとても素晴らしく、宇多田ヒカルやくるりについての本も読んでみたくな。ニューヨークに拠点を移した小沢健二は、姿を消したわけでなく、「うさぎ!」という連作童話にメッセージを込めながら、動きを止めることなく、本を読み、ギターを弾いていた。ニューヨークへ行く直前の「ある光」、そのアンサーソングとしての「流動体について」。失われた年月をつなぐ、点と点。愛に満ちた考察で素晴らしかった。あとがき、前書きを本人にお願いして断られた、という話があったけれど、解体されることを拒みながら、明らかにこの本も読んでいるような気がする。フジロックピラミッドで歌われた「ある光」をもしかしたら最後の披露なのか、と書き筆を置いた直後(と思われる)、銀杏BOYZ峯田とのデュエットを披露しているところとか、小沢さんの宇野さんへの茶目っ気、ウィンクのような気がしてしまう。
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<思想が強い=究極の自由> 9歳の私が、人生で初めていわゆる「テレビの中の人」に恋をしたのだが、それは小沢健二だった。 SMAP、KinkiKids、TOKIO、V6、ジャニーズJr.…とジャニーズ全盛期のキラキラした時代の中で、私は他の女の子達とまったく同じように、ただ「...
<思想が強い=究極の自由> 9歳の私が、人生で初めていわゆる「テレビの中の人」に恋をしたのだが、それは小沢健二だった。 SMAP、KinkiKids、TOKIO、V6、ジャニーズJr.…とジャニーズ全盛期のキラキラした時代の中で、私は他の女の子達とまったく同じように、ただ「顔が好き」というだけでアーティストの小沢健二を好きになった。顔から入って、彼の音楽を聴いた。フリッパーズギターにまで遡り、コーネリアス等その周辺にあるいわゆる渋谷系の音楽をたくさん聴いた。今思えばませガキだったなぁと思う。おじいちゃんに買ってもらった初めてのCDプレイヤーで一番最初に聴いたのは、お年玉で買った『LIFE』のアルバムだった。それからずっとCDプレイヤーは持ち歩き、塾の行き帰りはずっと小沢健二を聴いていた。中学受験の寒い日、流れ星ビバップを聴きながら帰った。 このようにいわば小学生の頃の私の音楽スペースはほぼ小沢健二で埋め尽くされていて、私にとって彼は神に近い。そんな彼のアーティストとしての過去すべて(空白の時期まで)を含めたこの本を読むのは、「人生最高の日だと私が思った日」にしようと決めていた(どんな日かは分からないけど、例えば子供が生まれた日とかなのだろうか)。 しかし、ネットでこの本を絶賛するテキストを読むたびに、今年のツアーを見る前には読んでおかなくてはいけないという強迫観念にかられ、とはいえ焦らしに焦らしつつ、こうして前日に読むことになった。 「なぜ作品を、早急に短い一文に交換しなければならなのでしょう?」と小沢健二が言っているけれど、バカみたいだけど「すごかった」としか言えない。本として、というよりもやっぱり小沢健二がすごい。でも、これを集約した本もやっぱりすごい。 だけど、もっとすごいのが小沢健二の父親の小澤俊夫さんかもしれない。 小沢健二が中学3年の夏以降不登校になり1人で籠もってしまっていた時期について、「子どもが休みたいと思っても「寝てるのは悪い」といって、周りが許さない空気があるんじゃないの。どうせ寝るのなら、安心して寝てたほうがいいじゃない。寝る(さぼる)のもいい」と話している。この人のおかげだと思った。 自分の中での新しい視点というか、発見もあった。でもあまりにもったいなくて、ここでは書きたくない。 あとこの本は、栞の色がとてもよかった。今日の私の服、気候、季節と合っていた。だからよいと感じたのかもしれないけれど。
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2018年4月5日読了。小沢健二の「空白の期間」1997年にNYに渡り活動休止してからの散発的な作品発表、文筆活動と突然のライブ、フジロックフェスティバル出演などの活動に対する取材を著者の思い入れたっぷりに語るノンフィクション。「レコード会社のプレッシャーに制作が追い付かず、海外...
2018年4月5日読了。小沢健二の「空白の期間」1997年にNYに渡り活動休止してからの散発的な作品発表、文筆活動と突然のライブ、フジロックフェスティバル出演などの活動に対する取材を著者の思い入れたっぷりに語るノンフィクション。「レコード会社のプレッシャーに制作が追い付かず、海外逃亡」、かつ場当たり的・思い付きで活動しているイメージがなきにしもあらずのオザケンの活動だったが、その行動には筋が通っており、彼にしかできないやり方で彼のやりたいことを徹底した結果だった、ということが分かった。近年のライブもアルバムもチェックしきれていなかったことが残念。「一世を風靡したポップ歌手」にとどまらない(かといってそこを否定もしない)、オザケンの今後の活動には注目していきたい。
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気まぐれに思えた小沢健二の行動も、 実は全て繋がっていたんだということが感じられた。 難しいと思って途中読むのを断念した「うさぎ」も、 もう一度ちゃんと読んでみよう。
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先日、宇野維正さんの「小沢健二の帰還」を読みました。 小沢健二さんが日本での音楽活動を休止して、海外に旅立ち、「流動体について」をリリースし、復活するまでの、いわゆる空白期について書かれた本ですね。 空白期とは言っても、アルバムをリリースしたり、ツアーをしたり、文章を発表した...
先日、宇野維正さんの「小沢健二の帰還」を読みました。 小沢健二さんが日本での音楽活動を休止して、海外に旅立ち、「流動体について」をリリースし、復活するまでの、いわゆる空白期について書かれた本ですね。 空白期とは言っても、アルバムをリリースしたり、ツアーをしたり、文章を発表したり、上映会をしたりしてるので、日本の芸能界の第1線で音楽活動をしていない期間ということなんですけど、そんな空白期の活動の中で、音楽活動と、音楽以外の活動は、一見別々のことをしてるように見えるけど、小沢健二さんの中ではつながってるだろうなあと思ったりしました。 そのほかに思ったのは、「ある光」の歌詞の中で、「この線路を降りたら」という表現が出てくるんですけど、これは、日本の芸能界の第1線で音楽活動をすることから降りる、という意味だということを、この本を読んで気づきました(今ごろ気づくなんて、鈍いですね・・・)。 あと、小沢健二さん唯一のベスト・アルバム「刹那」が、「LIFE」と、曲数や構成を合わせてたりするのも(ラストがインストで終わるとか)、この本を読んで気づきました(またまた、今ごろ気づくなんて、鈍いですね・・・)。 なので、「刹那」は、「LIFE」と対になっていて、「LIFE」はA面(陽)で、「刹那」はB面(陰)、みたいな感じなのかなあと(とはいえ、「刹那」にも、陽な曲は収録されているんですが・・・)。 それで、先日放送された、小沢健二さんと満島ひかりさんが共演した「Mステ」も見たんですが、番組の中で、小沢健二さんが、「実は「ラブリー」は、ものすごく寂しいときに書いた曲で、「夜が深く長い時を越え」という1節があるけど、まだ越えてない状態だった」(少し言葉は違うかもしれません)という、衝撃の真実を話してました(となると、「ラブリー」の中でも、「いつか悲しみで胸がいっぱいでも(略) 続いてくのさデイズ」という1節が、リアルな歌詞なのかも。そして、「ラブリー」は、小沢健二さんのハッピーな状態を描いた曲ではなく、寂しい状態を超えて、またハッピーな日々が来てほしい、という願いが込められた曲なのかも)。 当時の小沢健二さんは、仕事もプライベートも充実していて、テンション高めなハッピーな毎日、みたいなイメージだったけど、そりゃ現実は、そんなハッピーな毎日が続くわけはないんですよね。 なので、当時の小沢健二さんは、無理してる部分もあったのかなあと。 そう考えてみると、唯一のベスト・ アルバムが、「刹那」と名づけられたのも納得できるかも。
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オザケンの空白期から復活までを曲や文章を通して考察された本。膨大な量の文章を元にしてるからこそオザケンの心の変化などそうなんじゃないかなと思える部分が多かった。LIFEばかり聞いてるので(笑)、それ以外のアルバムも聞いてみたくなったし、オザケンの書く文章は小難しいけどユニークで面...
オザケンの空白期から復活までを曲や文章を通して考察された本。膨大な量の文章を元にしてるからこそオザケンの心の変化などそうなんじゃないかなと思える部分が多かった。LIFEばかり聞いてるので(笑)、それ以外のアルバムも聞いてみたくなったし、オザケンの書く文章は小難しいけどユニークで面白い。GW前後のライブ行きたい!!
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向こうにいるときには、わりと本気で邂逅を期待してたけど、まあ、そんなこと起きるはずもないわけで。 本人にまえがきあとがきを頼んだけど丁重に断られた、という正直な告白に好感は持てるんだけど、ある意味、好き勝手書いてるんだから、むしろ断られて良かったに違いないと思ったり。 ノンフィク...
向こうにいるときには、わりと本気で邂逅を期待してたけど、まあ、そんなこと起きるはずもないわけで。 本人にまえがきあとがきを頼んだけど丁重に断られた、という正直な告白に好感は持てるんだけど、ある意味、好き勝手書いてるんだから、むしろ断られて良かったに違いないと思ったり。 ノンフィクションじゃない。けど、文献も豊富で、論文としての完成度はとても高いと思う。著者の執念というか。 90年代の小沢健二に一瞬でも傾倒した人(というか、傾倒した人には絶対に一瞬で終わらない何かがこの人にはあった)や『Eclectic』に衝撃を受けた人は、読んで損することはないと思いますね。
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