絲みち の商品レビュー

吉住小三代(著者)

2018/01/03

能の名家に生まれ、三味線長唄の家元の家へ嫁ぎ、そんななかでも自立したいという気持ちを芯にして今日まで古典芸能に尽くしてきた筆者の生い立ちと芸論について書かれた本です。古典芸能の世界は女性軽視が当たり前で、そんな窮屈な立場のなかでも、その環境にうまく折り合いを付けつつ自立し、表現者として活動するにはどういう心持ちでいればよいのか、筆者の海千山千の経験から綴られています。丁寧な言葉遣いで読みやすい良い本でした。