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村木ツトム その愛と友情 の商品レビュー

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2018/03/03

本の薄さと、垢抜けない中学生男子三人が描かれた版画の表紙と、大袈裟なためにユーモアを感じさせるタイトルで、読んでみようか、という気持ちになる。 読んでみると、恋敵の学生カバンには大きく「マリ(主人公が好きになった女子の名前)命」と、書いてあったり、明らかにホワイトカラーではない...

本の薄さと、垢抜けない中学生男子三人が描かれた版画の表紙と、大袈裟なためにユーモアを感じさせるタイトルで、読んでみようか、という気持ちになる。 読んでみると、恋敵の学生カバンには大きく「マリ(主人公が好きになった女子の名前)命」と、書いてあったり、明らかにホワイトカラーではない両親が、豊かでなくても手間と愛情をかけて育てていたりとか昭和ですか!?という感じなのだが、最後に作家の生年を見たらまさしく昭和の人。作者の言い分は剣道部の外部コーチに言わせてる感じ。昭和に外部コーチという言葉はなかったと思うが、地元で自営業やってるOBが、学校で部活を教えるようなことはよくあった。 さくさく読めて、後味も悪くないし、あまり本を読まない子どもでも読める。 特に物語に意外性もなく、ちょっと上手く行きすぎのところもあるけど、毒がなく、今どきのYAにありがちないじめも引きこもりも貧困も虐待もない平和な世界に、安心はするかな。 だからなんだって気もするけど。

Posted byブクログ