ふたりのスケーター の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
サラブレッドの天才少女ララと、人知れぬ才能を努力で花開かせていく少女ハリエットという王道の設定ながら、ふたりを取り巻く大人たちや家族の様子なんかが、短いなかでも生き生きと描かれていて、おもしろかった。フィギュア(figure:図形)という意味のもとである、図形を描くテクニックなどが意外とくわしく出てきたりして、そういう意味でもたのしい。 あと、聡明な大人たちがふたりを囲んでいるのもいい。ララのおばさんはちょっとずれてる人なんだけど、ナナも家庭教師もスケートのコーチもみんなしっかりしてるし、ハリエットの家族やかかりつけの先生も頼りになる人ばかり。じっさいにはこんなにうまくいい人はそろわないだろうとも思うけど、ここらへんが最近の児童書との大きなちがいかな。だからララもハリエットも周囲の人に悩みを打ち明けることができて、ふたりの対立もうまく解決される。やっぱり一番心を傷つけるのは秘密をかかえて誰にも話せないことなのね。
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