土門拳の写真撮影入門 の商品レビュー
作品はもちろん、エッセイなどの言葉を通じて、今も通じる写真家精神を数多く遺した土門拳。精神性ではなく、具体的な撮影手法までまとめあげた一冊。黒澤明研究も深い著者による、土門と黒澤の共通項の炙り出しは、それだけでお宝。 読み込んでいくと、表現者というより、一流の禅僧から説教を聴いて...
作品はもちろん、エッセイなどの言葉を通じて、今も通じる写真家精神を数多く遺した土門拳。精神性ではなく、具体的な撮影手法までまとめあげた一冊。黒澤明研究も深い著者による、土門と黒澤の共通項の炙り出しは、それだけでお宝。 読み込んでいくと、表現者というより、一流の禅僧から説教を聴いている気持ちになってくる。背筋が伸びてくる。
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タイトルが撮影入門なので、初心にかえって、有名な写真家の撮影方法はどんなもんかサラッと読むつもりで購入しました。しかし、この本は、撮り方の説明ではなく【土門拳】の写真の考え方などが書かれた本でした。 とても共感できる写真家だったことを知りました。
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作品が永遠の命を持ち、その傍らに、作者は抜け殻となって身を横たえるだけである 死者が生者ように蘇り、彫刻である人間が生きた人間のように動き出す、まさに土門芸術があの迫力や妖気を放っているのはその人並み外れた想像力によるのである 土門自身も室生寺体験を通して、戦後生きる勇気と、日本と日本人に対する強い自信を胸に、戦後を歩み出したのである 土門の写真の生命は、力強さにある。彼の写真は、見る人に人生を前向きに生きる勇気と喜びを与え、明日を生きる元気と情熱を与える 彼の目には、子供たちは皆天使のように無垢で罪のない存在だった。それだけに理不尽な原爆による悲劇は許せなかった
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