数学の二つの心 の商品レビュー

長岡亮介(著者)

2024/06/26

●数学教育とは
長岡先生の本ということで手にとった。題材は高校数学。よくある予備風の教え方とそれに対する長岡先生の考え方を書いているととらえた。
自分は予備校風の読み物的解説の本は昔から嫌いで、わかった風になるだけだと思っていたが、世の中はそれが大流行。あまり進まないが少しずつ自分で理解して進むというやり方は、周りから孤立していた印象だったが、この本を読んで、そのやり方は間違ってないと、自分の自信となった。
とはいえ、難しい事柄をなるべく簡易的に教える工夫は否定してならないと思う。本物はこうだ、本当はこうだと、それだけ言っていてはただの親父の小言である。そういう意味でも書いていること全部正しいとは思わないが、もちろん間違ってはいない。そのくらいの距離感で読んだ。B****


2019/02/11

長岡先生の教育哲学。標題の「二つの心」とは，「基礎の威力を知らずに先を急ぐお手軽な『前倒しカリキュラム』や《先取り教育》」という安直な理解を促す《表の心》と，「本当の数学的基礎の理解へと誘う《本格的な基盤教育》」という《裏の心》。すべての項目について，まず「表の心」として塾・予備校スタイルで，〈簡単なことだ，ちゃんとした理解はできなくとも，これさえわかれば大丈夫〉的スタンスの「《熱血授業》風」な講義が描かれた後，「裏の心」として，本当に理解するというのはどういうことなのかが「大学で一般的な《魅力に欠けた冷たい一方的講義》調の文体で」（意図的に）語られる。数学教師の端くれとしては，耳が痛いことも数多く書かれています。

2018/01/22

所在:展示架
請求記号:410/N18
資料ID:1170122918
選書担当:白石
あなたは本当の数学を知らない！？
今まで当たり前に使っている小中高で習う数学。実は数学の表の顔に過ぎなかった…。
今まで習って使ってきた数式の本当の意味。知りたい方は是非お手を取ってみて下さい！