1,800円以上の注文で送料無料

心理学と錬金術 新装版(Ⅰ) の商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/05/24

ユングの主著の一つ。 コンセプトとしての集合的無意識や元型については、一定の説得力があるように思えるのだが、それが具体的にどう心理療法で使われるのかというのは、今ひとつ分からない感じがしていた。 そういうなか、これはある患者?のたくさんの連続した夢を全体のコンテクストを踏まえ...

ユングの主著の一つ。 コンセプトとしての集合的無意識や元型については、一定の説得力があるように思えるのだが、それが具体的にどう心理療法で使われるのかというのは、今ひとつ分からない感じがしていた。 そういうなか、これはある患者?のたくさんの連続した夢を全体のコンテクストを踏まえつつ、解釈していったもの。 当然、なかには患者の個人的な経験に属するものもあるが、ここではもうすこし深い集合的無意識レベルでの夢を錬金術のイメージなどを使いながら、読み解いていく。 ユングのその方法の科学性、臨床事例からの積み上げであることを強調するが、キリスト教や錬金術の知識のあまりない私には、恣意的というか、すくなくともヨーロッパ文化圏での解釈かな〜と思える。 人類共通の元型を論じるだけの説得力はないと思う。 であるとしても、個人よりも深いある文化集団における集合的無意識とすれば、それなりに意味はあるかな??? 概念としての集合的無意識を具体的な現実理解につなぐことの難しさをあらためて思った。 21世紀の現在からみると、これは、ちょっとオカルトで、とても科学的なものには思えないのだが、システム理論などで、構造を理解するときにも、同じような間違いを犯していないとはいえないだろう。 たくさん錬金術の図版がのっていて、読んでいて楽しい本ではある。

Posted byブクログ