がらくた屋と月の夜話 の商品レビュー

谷瑞恵(著者)

2024/10/01

主人公つきこの人柄が私にとって親近感おぼえるタイプだったので読んでいて心地よかったです。天地との仲の深め方も自分の気持ちときちんと向き合いながら少しずつ丁寧なところも好感が持てました。
ひとつひとつのものにはストーリーがあるんだよなと改めて思いました。ただ、モノが溢れる今は物語が進む前に次のものへと心が移り変わりひとつひとつの物語が浅くなりがちで。そんな今だからこのような作品が心に届くのかな。
自分には物語にできるようなモノがいくつあるかな、と思ってしまいました。
特等席の話が個人的にはすきで、天地の生い立ちは壮絶だけど店主はいつだって優しくて癒されました。

2022/05/31

久しぶりに谷瑞恵さんの本を手に取った。
読むと優しい時間が流れるような気がして、するする読んでしまう。
タイムテーブルのお話、好きだなぁ。

吉田大助さんの解説、今の私に必要なことが書かれていた。使わないけれど大切なもの、捨ててはいけないものもあるな…ということ。
断捨離しつつ、必要なもの、大切なものを把握してモノとの付き合い方を考えたいと思った。

2022/04/21

仕事も恋も上手くいかないつき子は、ある日、
道に迷い、一軒の骨董屋に辿り着く。そこは、
モノではなく、ガラクタに秘められた”物語”を
売る店だった…。

2022/01/21

谷瑞恵の作品で知らないのをたまたま図書館で見つけたので読んでみた。
一般文芸向けだからラノベ色を消したのかな？
なんというか、全体的に薄味で物足りない。
ストーリーは面白いけど、表現面でもっと尖った感じでも良さそうなのになー。

ガラクタとも思われるプロカントにそれぞれ物語がある……と言う設定は面白いし、モノたちが語る話も良い話であった。

2020/07/04

一つ一つの話が読みやすく、ちょっと切なくなるけどほっこりする話だった。
登場人物の人間関係も見てて感情移入しやすいので気持ちよく読めた。

2019/12/02

一見がらくたに見える物がとある人にとっては意味のあるものになる。物語と共に売られる物たち。トランク一つ夜の公園で老人が売る品々とは……。温かい物語でした。不安や悩みコンプレックス、人とのわだかまり、それらがほどけていく様が心地よい。騙されやすい主人公とクールだけれど優しい彼との関係が気になって読みすすめてしまいました。どこか少女漫画を読んでいるような、ドラマチックなお話(*´ｪ｀*)

2019/05/15

手に取った品物と手に取ったお客さん、骨董屋のおじさんが、その品物が生まれてから今までの事を語り始める
ガラクタにも最初はあったんだよね

2019/04/29

単行本でも読んでいましたが、文庫版で出たので改めて読んでみました。

当時読んだ時よりも胸にしみるというか、前よりも面白く感じました。

人と物との繋がりを大事にしたいですね。

2018/06/16

あまり面白くはないと思いながら、続きが気になりスルスル読んだ。物が語ると書いて物語。それぞれのモノにもちゃんとした物語がある。モノを大事にしようと思った。
色々な人間関係も交わりながら、最後の方は少し興味深く読めたかな。

2018/04/25

名前とは裏腹にツキのない人生を送っていたつき子が道に迷って出会ったのは、がらくただらけのトランクを持ったひとりの老人。
そのがらくたは彼が営む骨董店の商品で、彼はそれを売るたびにがらくたたちの物語を聞かせるのだ。そして不思議とその物語は、買った人たちの心に響きわたってゆく…。

がらくたが語る自分の物語という視点が童話のようで、またその内容も暖かさに満ちています。そのうつつとは離れたやさしい物語によって、現実の生活に悩む人々の苦しさがやわらいでゆくので、とてもほっとさせられるというか、しみじみと良かったなあと思わせてくれるのです。

親と子の複雑な関係や過去の軽くはない出来事も描かれていて、ただやさしいだけの物語では終わってはいません。それでも、がらくたをきっかけに、前へ進む力を得られた主人公たちを自然と応援したくなるような、そんな気持ちにさせてくれるやさしさがいっぱいのお話だと感じました。