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ひとまず、信じない の商品レビュー

3.7

13件のお客様レビュー

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2024/01/05

「幸福」「仕事」「人間」などのテーマについて,非常に論理的に語られている.押井守というと犬を偏愛しボソボソッと話すイメージから,人間が嫌いとか何を考えているのか分からないという思い込みが私には (も?) あったが,そういう思い込みとは真逆の論理展開になっている.自分の力を正しく認...

「幸福」「仕事」「人間」などのテーマについて,非常に論理的に語られている.押井守というと犬を偏愛しボソボソッと話すイメージから,人間が嫌いとか何を考えているのか分からないという思い込みが私には (も?) あったが,そういう思い込みとは真逆の論理展開になっている.自分の力を正しく認識しつつ,多様性も信じることが,いい仕事の結果につながるということなのだろう.

Posted byブクログ

2024/09/23

映画監督押井守の幸福論。時折、ハっとさせられる言葉がある。 例えば、 ~可能性を担保し続けることは、可能性を殺すことなのである。そして可能性とはすべてを選択できることではなく、たったひとつを選択できるということである。 政治についてはつきなみな野党批判や政権支持にやや驚く。『...

映画監督押井守の幸福論。時折、ハっとさせられる言葉がある。 例えば、 ~可能性を担保し続けることは、可能性を殺すことなのである。そして可能性とはすべてを選択できることではなく、たったひとつを選択できるということである。 政治についてはつきなみな野党批判や政権支持にやや驚く。『WiLL』『Hanada』 にのっていてもおかしくない言説が続く。なんとなく左派っぽいイメージが裏切られたが、アニメ監督らしい現実主義がうかがえる。政治家が口走る「生活が大事」などはまったく信用できないということは確かにその通り。 夢を売っている商売だからこそ夢なんか見ていられるかということか。

Posted byブクログ

2020/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

幸福論、仕事論、ニセモノ論、政治論、人間論、映画論の全6章。 仕事:他人を説得することを諦めてはいけない。そうですね、面倒だけどやっぱりやらなあかんか、と思えました。 それと、ネットのことは全て信じないという割り切りも、まぁありですね。 監督げ60代というのは知らなかったです。

Posted byブクログ

2019/11/24

読了。途中まで、良質な人生論なのかなと思った。まあまあだが、読み終わったら、売るかなと考えていたが、映画論の話が面白かった。夢中で読んでしまった。もう一回映画見ようと思った。

Posted byブクログ

2019/04/22

職場にいたらめんどくさそうな人だなと思った。言ってることはわかる、と思ったから私もめんどくさい人なのかも

Posted byブクログ

2019/04/20

借りたもの。 押井守のフェイクニュース論。あるいは人生におけるあらゆる事象の「優先順位」について。 「ネットは広大だわ……」 押井守の頭の中にある虚構と現実の不明瞭な境界と唯脳論は拡張し、人生論や世界観と壮大なものに繋がっている。それが次第に本業の監督――映画論に集約されてゆ...

借りたもの。 押井守のフェイクニュース論。あるいは人生におけるあらゆる事象の「優先順位」について。 「ネットは広大だわ……」 押井守の頭の中にある虚構と現実の不明瞭な境界と唯脳論は拡張し、人生論や世界観と壮大なものに繋がっている。それが次第に本業の監督――映画論に集約されてゆく。 タイトルの通り、本を通して主軸となるのは、あらゆる事象はまず鵜呑みにしないことを是とする姿勢。そして人生など物事には「優先順位」が必要であり、その取捨選択によって成り立っていることを説明してゆく。 何に重点を置くかは人それぞれだが、「こんなはずじゃなかった」と後になって後悔をしないために、未来を見据えることが重要になってくるという人生訓が含まれている。 映画監督は虚構の世界で生きていると思われがち(と、押井守は考えている?)だが、優先順位はそれで良いのか?それで後悔しない覚悟がある人間が?と突きつける。 職人技で、現実の人間関係(家族とか)を顧みないライフスタイルとなりがちのように思われる。 宮崎駿、鈴木プロデュース、庵野監督ら同業者、その作風を例に上げつつ。その解釈は的を得ているように思えた。 奥村倫弘『ネコがメディアを支配する』( https://booklog.jp/item/1/4121505832 )、『フェイクニュースの見分け方』( https://booklog.jp/item/1/410610721X )然り。 ただしリテラシーだけでなく、ブレない姿勢――それもひとつの思考に縛られない柔軟性――が必要かと私は考える。それが「優先順位」でもある、と。 幸福、仕事、ニセモノ、政治、人間、映画の章立ては現実を切り、読んでいて小気味よい。 あらゆる事に鋭い視線を持っていて、読んでいて共感する。 『シン・ゴジラ』の解釈も私は納得する。賞賛しながらその人間味の無さを批判する姿勢に。 私は個人的に『エイリアン:コヴェナント』の解釈が同意見だったので嬉しく思った。 珍しく、押井守が家族のことを仄めかしていて驚いた。

Posted byブクログ

2021/01/10

【由来】 ・大学の図書館でたまたま。 【期待したもの】 ・パラパラとよんだら面白そうだったので。 【ノート】 ・他の著作でもそうだがやはり押井節は面白い。そして本書では「シン・ゴジラ」やリドリー・スコットについて評しているのがまた面白い。

Posted byブクログ

2018/05/07

『母性のディストピア』に影響されて読んでみた。すごく独特の理論が展開されてるけど、そうよね!と思うこととそうなの?と思うことが半々くらいかな。「可能性はひとつに決めた人にあり」というのはしっかり覚えておきたいです。

Posted byブクログ

2018/04/09

タイトルに興味をもって手に取ったら押井さんだった。こういうの書くのね。映画論以外も興味深かったけど、印象に残ったのはマイケル・ベイ…。

Posted byブクログ

2018/03/05

物語を書くと読めない文章だったが,論説文をこれ程読ませる文章で書くのかと吃驚.各分野に対する論説も太い骨子がぶれずに在り,養老孟司氏や森博嗣氏にも通ずる.二人より社会に対して諦念の感がなく全うに向き合っている分だけ,優しさ(というより悟りか?)を感じる良書.

Posted byブクログ