イシマル書房編集部 の商品レビュー
素敵な作品だった。 本好きな人であれば、きっと心に響くものがあるはず。 経営難に陥ったイシマル書房の起死回生を図り奮闘する人達に、心の中でエールを送り続けた。 一冊の本を世に出すまでの並々ならぬ苦労。 作者は元より編集者、装幀家、印刷に携わる人達、誰が欠けても成立しない。 ...
素敵な作品だった。 本好きな人であれば、きっと心に響くものがあるはず。 経営難に陥ったイシマル書房の起死回生を図り奮闘する人達に、心の中でエールを送り続けた。 一冊の本を世に出すまでの並々ならぬ苦労。 作者は元より編集者、装幀家、印刷に携わる人達、誰が欠けても成立しない。 まして本離れが進む今、頑張りだけではままならない現実もある。 本を愛する、その共通した想いが、人と人を結び付け奇跡を起こす。 随所に登場する読書メーターがいいエッセンスとなっていて楽しかった。 涙が溢れるラスト三行。 本への愛情がぎっしりと詰まった一冊。
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七千万円を用意しなければ身売りになる出版社に採用された絢子。起死回生のために社員だけじゃなく書店員、他社社員までも奮闘する。 今の時代書籍の売り上げだけで経営するのは書店も出版社も大変、作家も専業で食べていけるのはほんの一部の人間だけ。とにかく「生き延びること」で文化を守る。 親...
七千万円を用意しなければ身売りになる出版社に採用された絢子。起死回生のために社員だけじゃなく書店員、他社社員までも奮闘する。 今の時代書籍の売り上げだけで経営するのは書店も出版社も大変、作家も専業で食べていけるのはほんの一部の人間だけ。とにかく「生き延びること」で文化を守る。 親会社IT社の人間がものすごーくわかりやすく嫌われキャラね。最後は唐突に都合のいい話、て感じもするけど小説の中だけでもハッピーエンドで嬉しい。
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う〜〜〜ん惜しい! 1冊完結じゃなくて2、3冊のボリュームで読みたかった内容。 1冊完結が故にものすごい駆け足。 問題が起きてもその数行先には解決、奮い立たされるであろうシーンも助走が短いので7割ぐらいの燃え上がりキャラの設定も活かせず仕舞い。 これはどこぞでディレクターズカット版みたいな長さの完全版が読みたいと思うほど面白かったです。 違和感を感じたとこ、冒頭の女性キャラ同士での露天風呂でのシーン。あの描写がねちっこく感じられてどうも女性キャラが思ってることとは思えなかった。それともあれがリアルなんやろか? ちょいちょいおっさん目線的な女性描写が気になりました。 ほんにサクっと読める軽めの読書には最適。
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会社存続の危機にある出版社イシマル書房。存続するためにはベストセラー小説を生み出さねばならない。奮闘する本を愛する人達の姿に胸が熱くなりました。 ある理由で一度は筆を折った著者の島津さんが再度奮起して書くことに決めた題材は古事記。私は歴史ものはどちらかというと苦手なジャンルなんですが、この島津さんが書いた古事記なら読んでみたいって思いました。 そして最後は涙なしでは読めなかったです。。
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皆が全力で力を合わせても、アイディアを出し合っても叶わないこともある。「そうだよね。それが現実だよね…」と気持ちが沈みかけたところに新展開! 結局、現実世界では、なかなかあり得ない結末に落ち着きましたが、それが心地よく「やっぱり、小説はそうでなくっちゃ!」と思いました。
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零細出版社イシマル書房の大奮闘を描いた作品。ジャンルはお仕事小説か。 * * * * * ラノベ仕立てで読みやすく、出版社の業務の一端がわかりやすく書かれていた点はよかった。 ただ営業にせよ取材にせよ、軽く楽しい場面が多く、ラノベであってもお気楽さが...
零細出版社イシマル書房の大奮闘を描いた作品。ジャンルはお仕事小説か。 * * * * * ラノベ仕立てで読みやすく、出版社の業務の一端がわかりやすく書かれていた点はよかった。 ただ営業にせよ取材にせよ、軽く楽しい場面が多く、ラノベであってもお気楽さが目に付きすぎる気がします。 中高生向きとはいえ、もう少し実態に即した描写が欲しかった。 印象的だったのは、作中で岩さんが口にする「小説とは~」のセリフ。 実際に角川春樹さんが作者の平岡さんに語ったこばとであることを、あとがきで知りました。平岡さんの座右の銘になっているのだろうと妙に納得してしまいました。 現在、目に付いた平岡さんの作品を読んでいっているところです。いろいろなタイプの作物が平岡さんの手によって生み出されているのがわかって、ますます楽しみになりました。
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インターネットが出版業を追いやっている。生きるか死ぬか、瀬戸際の出版業界。神保町の小さな出版社、イシマル書房の再建を賭けた人たちの物語。平岡陽明「イシマル書房編集部」、2017.11発行。楽しく読了しました。「道をたずねる」は地図作成の話。「イシマル書房編集部」は出版社が生き延びる話。「小説・古事記」が当たりました。私が膝を叩いたのは、主人公の満島絢子(みつしま あやこ)が「読書メーター」に「あやたんぬ」のHNで加入してること、そして関係者が取材兼息抜きで出雲・松江を旅したことです。
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書店、出版業界のお話は興味あるので目に止まると手に取ってしまう。今時の業界が厳しいのは想像はできるけど実際働いている人のことはこんな小説を読むと伝わりやすい。軸となるのが歴史小説で古事記、正直あまりそそられなかったけど今は興味もてなくてもいつか開眼するかもしれないな。絢子さんの速読の能力は羨ましい、編集者として今後も才能を発揮していくに違いない。
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主人公の満島絢子は、念願が叶って小さな出版社のイシマル書房にインターンとして入社することができました。しかし、イシマル書房の経営は危機的状況で、出資を受けている親会社に、半年で経営が改善できなければ、パチンコの会社に株を売却すると最後通告されます。そこで、起死回生のために、経験豊...
主人公の満島絢子は、念願が叶って小さな出版社のイシマル書房にインターンとして入社することができました。しかし、イシマル書房の経営は危機的状況で、出資を受けている親会社に、半年で経営が改善できなければ、パチンコの会社に株を売却すると最後通告されます。そこで、起死回生のために、経験豊富な引退した編集者を募集し、ベストセラー小説を出版することにします。イシマル書房の石丸社長を中心に、主人公の絢子、元編集者の岩田鉄夫、過去に岩田が担当していたときにトラブルに見舞われた小説家の島津や出版仲間、本を愛する人々により、親会社から株を買い戻すために奔走します。 小説・本好きの人のための小説で、楽しく読みました。後半は岩田が主人公な気がしました。
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出版業界の痛さを描写しつつ、ある種のサクセスストーリーに仕上げてる。エンターテイナーとしては構成に感心した。同時に、今の出版業界がいかにどん詰まりか?これは有り得ないシンデレラストーリーとわかるだけに、もうこういう有り得ない話でないと救われないとは如何に絶望的か痛い。
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