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彼女たちの売春 の商品レビュー

3.5

7件のお客様レビュー

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2023/07/19

氏の手になる”夜の経済学”に続き、姉妹作たる本作も。向こうはデータ中心で、こっちは実際のインタビューなどがメイン。そして、本作の頃と今では、おそらく状況がまた変わっているのでしょう。

Posted byブクログ

2023/05/30

帯に引かれて購入しました。 三浦しをんさんが、本書は特殊な職業の女性ルポではなく、私たちの社会についての報告なのだ。と。 解説も三浦しをんさんです。 彼女たちが何故その仕事を選んだのか、ただ売春としてではなくワリキリを選んだのかが良い悪いではなく理解が出来ます。 その仕事を問題と...

帯に引かれて購入しました。 三浦しをんさんが、本書は特殊な職業の女性ルポではなく、私たちの社会についての報告なのだ。と。 解説も三浦しをんさんです。 彼女たちが何故その仕事を選んだのか、ただ売春としてではなくワリキリを選んだのかが良い悪いではなく理解が出来ます。 その仕事を問題とするのではなく社会の問題として何故捉えないといけないのかが分かります。

Posted byブクログ

2021/01/16

1月16日読了。さまざまな事情を抱えた少女、女性たちが自らの性を道具にして、生活費のため、学費のためまたはお小遣いこため、彼氏の借金のためにわりきりを行う。この調査はとても貴重なものだと言える。売春を行う彼女たちの声や背景を生々しく知ることができる。 では売春の労働環境が整えば、...

1月16日読了。さまざまな事情を抱えた少女、女性たちが自らの性を道具にして、生活費のため、学費のためまたはお小遣いこため、彼氏の借金のためにわりきりを行う。この調査はとても貴重なものだと言える。売春を行う彼女たちの声や背景を生々しく知ることができる。 では売春の労働環境が整えば、それは必要なものとして存在し続けていいものなのだろうか。 男性の性欲は仕方がないと、売春と行為を社会が受け入れたままでいいのだろうか。 本の中にもあるが、貧困などを理由にして選択したその選択を、自由意志とは呼べない。そんな選択はない社会をつくるべきなのではないだろうか。 男たちが部屋でマジックミラー越しに女の子たちを品定めする様にも吐き気と怒りが湧いた。 この国では、女の子たちを人形か何かだとおもっているのだろうか。 出会い系喫茶の創業者という男性もまるで人助けのように語るが、つまりは少女たちを金儲けに利用しているに過ぎない。 実態を知れば知るほど、どんな過酷な状況に落ちいようとも、売春という選択肢がなくなる社会を私はつくりたい。

Posted byブクログ

2020/05/24

個人売春(ワリキリ)をしている「彼女」たちへのインタビューを中心にしたルポ。「ワリキリ」なんて俗称されているし、それこそ割り切ってこういうことをしているのかと思っていたけどそんなことなくて、生活に困っていたり精神的に不安定とされる人がけっこういて、そういう人が何とか生きていくうえ...

個人売春(ワリキリ)をしている「彼女」たちへのインタビューを中心にしたルポ。「ワリキリ」なんて俗称されているし、それこそ割り切ってこういうことをしているのかと思っていたけどそんなことなくて、生活に困っていたり精神的に不安定とされる人がけっこういて、そういう人が何とか生きていくうえでのセーフティネットのような役割を果たしているのが実態だと思った。同じような立場で男性だったら日雇いで労働したりドヤに泊まったりするところ、女性にとっては出会い系喫茶が何とか救っているというか。それにしたところで、ワリキリが楽しいなんて言っている人は一人もいない。気持ち悪いと思いながらだったり自分を無にしながら相手をしているわけ。 いろいろ思うところはあって、それはこういう取材をした著者に対してもなんだけど、どうもうまくまとまらない……。 こういう出会い系喫茶のルーツを作ったという「福田氏」の話がよかった。従来のソープやヘルスみたいな搾取がなく女性にもらい分がすべていき拘束もない形態として生み出したのだと。いわゆるヤクザな世界でもこういうふうに思って行動する人がいることがすばらしい。

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2019/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・文庫版まえがき~プロローグ 対象はフリーの売春、目的は類型化の可能性。 P258 「自ら利用客になることはしない」 最初は笑いました。それから、あたりまえだろと。でも、足繁く通ううちに暗黒面に飲み込まれるのを避けるのは、さぞや大変なのかも。 P270 行動範囲の広さは勉強になりました。 P290 アシスタントのナナのオチがなんとも。 P324- 9章 出合い喫茶のルーツ 創業者の必要悪をバッサリ。 P357 納税している人=0 納税の概念すら無いかと。あと、納税方法も知らないのでしょう。愛人契約だと、贈与税? 女性の身の上話を聞き続けるのには、強靭なメンタルを要したことでしょう。取材には、いったいいくらかかったのかゲスな興味もあります。 「とにかく困ったらここへ連絡しろ」な機関があって、そこが各所管へ振り分けられるようになれば、行政の縦割りから排除されたり、助けを躊躇することも減るのではないかと思いました。

Posted byブクログ

2019/02/27

2019年8冊目。 自分の知らない世界が広がる。男として知りたいような、だけどどこか敬遠していた世界。ドキュメンタリーとして濃厚な出来栄えで、さまざまな人間模様は読み応えがある。とはいえ、その視点は只の好奇であり、ゴシップに嬉々とする下衆な観点となんら変わりない。 そこに膨大なデ...

2019年8冊目。 自分の知らない世界が広がる。男として知りたいような、だけどどこか敬遠していた世界。ドキュメンタリーとして濃厚な出来栄えで、さまざまな人間模様は読み応えがある。とはいえ、その視点は只の好奇であり、ゴシップに嬉々とする下衆な観点となんら変わりない。 そこに膨大なデータに基づくワリキリ女性たちの実情がシャワーのように降り注ぐ。問題意識をいかに持つかの入り口は下衆なものでもいい、というより好奇を否定しない書きぶりに好感が持てた。後半息切れ感はあるものの、ぼくに読書の新たな切り口を与えてくれた一冊です。

Posted byブクログ

2017/11/08

ネット上で「売春にまつわる悲劇」が話題になると、「そういう場に足を踏み入れたのは結局自己責任でしょ」という発言をよく目にします。 売春をする女性に「勝手にやってくれ」と言うのは容易いこと。「かわいそう」の一言で片づけてしまうこともできます。 けれど、そうして自分の前に一本の線を...

ネット上で「売春にまつわる悲劇」が話題になると、「そういう場に足を踏み入れたのは結局自己責任でしょ」という発言をよく目にします。 売春をする女性に「勝手にやってくれ」と言うのは容易いこと。「かわいそう」の一言で片づけてしまうこともできます。 けれど、そうして自分の前に一本の線を引くことで「関係ない、考えたくない」と思っている人にこそ、これは手に取って欲しい一冊です。少なくとも、小さな不幸であっても見過ごせない気持ちを持っている人には。 この本には、個人売春をしている女性たちと正面から向き合った記録が書かれています。 淡々と綴られたインタビューを読んでいると、女として自分と似ているかな?と思う人がいたり、色々と興味をそそられました。 また、実態調査をする中で作者がやりきれずため息をつくシーンは印象的で、不幸を不幸で終わらせないためにどうしたらいいのか?とも考えました。 本の中にキーワードとして出てくる「アウトサイド」という言葉がありますが、特定のトピックが「アウトサイド」に追いやられてしまう事は往々にしてあると思います。 例えば特定の病気を持つ人やLGBTの人たちの問題を、見たくないものとして扱ってきた経緯があります。 マイノリティであり当事者である人たちはアウトサイドに追いやられてしまい、不幸は日陰のなかでますます熟していくのです。 でもそういう風潮も最近変わりつつあると思います。 不登校の子供たちに対して「その子自身の問題だ」と考えるよりも、そこに至る経緯や学校制度そのものを問う方が有益です。 売春に対しても同じで、「その人自身の問題」にしてしまうことよりももっと有益な方法があると思います。 作者自身が足を使い労をいとわずに集めてきた記録は、これから多くの人が議論していくのにとても必要なものだと思いました。

Posted byブクログ