ブレードランナーの未来世紀 の商品レビュー
背景や教養に裏打ちされたこの人の映画評論は何とも言えない迫力がある。観ていない映画は観たくなるし、観たことのある映画はもう一度観たくなる。
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紹介文に『有名監督による80年代の傑作が、保守的で能天気なアメリカに背を向けて描いたものとは、一体何だったのか──』と書いてあるが、これでは何の本だがわかりにくい。ただ単に80年代のカルトムービー8作品を深く掘り下げた本だと書いた方が分かりやすい。その8作品は以下の通りである。 ...
紹介文に『有名監督による80年代の傑作が、保守的で能天気なアメリカに背を向けて描いたものとは、一体何だったのか──』と書いてあるが、これでは何の本だがわかりにくい。ただ単に80年代のカルトムービー8作品を深く掘り下げた本だと書いた方が分かりやすい。その8作品は以下の通りである。 「ビデオドローム」「グレムリン」「ターミネーター」「未来世紀ブラジル」「プラトーン」「ブルーベルベット」「ロボコップ」「ブレードランナー」。 これらの作品が好きなら、満足いくような内容になっている。 作品ごとの全8章の構成で、作品によって文章量が異なる。作品によっては、監督の生い立ちまで掘り下げているので、長いものもある。最小のなのは「未来世紀ブラジル」の28ページ。最大のもので「ブレードランナー」の90ページ。よって「ブレードランナー」が好きな人は特に満足できる可能性が高い。 結末まで詳しく書いてあるので、見ていない作品の章、「ビデオドローム」と「ブルーベルベット」は読まないつもりであったが、ちょっとだけと思って読み始めると文章が面白く、興味を引き付け、読ませる力も強いので、結局全てを読んだ。 前述の8作品、あるいはいずれかの作品を掘り下げたい人にはお勧めである。
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コレまた積読本だったが、読み始めると怒涛の勢いで読み終わった。数々の大好きな映画の裏話や詳細な解説を読んで紹介されていた映画を観たくなった。
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あの映画が、じつはアレしたハリウッドのアレによって出たナニの中から出てゐたとか、 あのどう見ても ソ連の方をあれするお約束じみたものが実はアメリカのそれの、原作者の経験に基づくものであったとか、いろいろ。 普通アナルコキャピタリスムってディストピアの政治だよなーと思ってゐたら...
あの映画が、じつはアレしたハリウッドのアレによって出たナニの中から出てゐたとか、 あのどう見ても ソ連の方をあれするお約束じみたものが実はアメリカのそれの、原作者の経験に基づくものであったとか、いろいろ。 普通アナルコキャピタリスムってディストピアの政治だよなーと思ってゐたら、ロボコップのアレは、それを踏まへ、かつ、現地に取材してできてた。 ブレードランナーの複雑な構造の解説とか、某へ江戸川乱歩の作品をパラフレーズするとか、あとキリスト教に対する諸監督の決してポジティヴだけでない視点とかも取り上げるのは面白かった。
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ブレードランナーのところしかまだ読んでない(それが目的だった)けど面白すぎる。文量は多くないけど内容が濃いのかちょうどいい。他のところもゆっくり読んでく。
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久々に心の底からおもしろいと思える映画評論を読みました。 取り上げられているのは、80年代のアメリカ映画で、私が小さな頃から馴染みのある作品もあれば、初めて知る作品もありました。 知っている作品(『グレムリン』『ターミネーター』『ブレードランナー』)については、私もそれなりに調べ...
久々に心の底からおもしろいと思える映画評論を読みました。 取り上げられているのは、80年代のアメリカ映画で、私が小さな頃から馴染みのある作品もあれば、初めて知る作品もありました。 知っている作品(『グレムリン』『ターミネーター』『ブレードランナー』)については、私もそれなりに調べたことがあったのですが、本書で初めて知った話が多かったです。 特に衝撃的だったのは、映画が当時の社会情勢や制作者の思想をこれほどまでに反映していたのか、ということです。 東西の冷戦、米・レーガン政権による新自由主義の肥大化が、本書で紹介されている80年代のアメリカ映画に様々な形で影響を与えています。
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奥付けに記載されているが、数少なくなった「徹底的に映画を解読する評論」。漫然と観ていた映画が、この本によって何度も観たくなる秀逸な本。 ジャン ボードリヤール が『消費社会 」で描いたシュミレーター により非現実が現実を超えるのは、映画に非現実を求めている自分には辛い事実だが、...
奥付けに記載されているが、数少なくなった「徹底的に映画を解読する評論」。漫然と観ていた映画が、この本によって何度も観たくなる秀逸な本。 ジャン ボードリヤール が『消費社会 」で描いたシュミレーター により非現実が現実を超えるのは、映画に非現実を求めている自分には辛い事実だが、非常に納得のいく現実でもある。ヴァンホーベン監督の映画は苦手な部分があったが、彼の妥協しない映画作りには敬服する。またオリバーストーン監督の内面も通り一遍の公開前インタビューではわからない背景を知り、更に読み込みたくなった。これらは、この本に出会わなければわからなかったと思う。
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町山さんの映画評論.特にブレードランナーは膨大ば知識を駆使している.脱帽.その代わりプラトーンは大したことなかった.
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いわゆる巨匠と言われている映画監督たちは、映画学科を出るか若くして映画会社に就職するかして成り上がってくるものだとばかり思っていたのだが今回紹介された監督の中にその経歴は皆無だった。みんな割と凄まじい人生を送っているんだね。また映画に対する情熱にも感服。
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『トラウマ映画館』『トラウマ恋愛映画入門』につづき、町山さんの著作を読むのはこれで3冊目になる。 80年代にアメリカを沸かせたマスターピースな映画たち……『ターミネーター』『未来世紀ブラジル』『プラトーン』『ロボコップ』、そして『ブレードランナー』など全8作品を取り上げ、そこに...
『トラウマ映画館』『トラウマ恋愛映画入門』につづき、町山さんの著作を読むのはこれで3冊目になる。 80年代にアメリカを沸かせたマスターピースな映画たち……『ターミネーター』『未来世紀ブラジル』『プラトーン』『ロボコップ』、そして『ブレードランナー』など全8作品を取り上げ、そこに込められた情報を、丹念に丹念に読み解いていく。 『ターミネーター』『ロボコップ』は何度も見ている作品なのに、本書で指摘されている要素に気づけなかった己の不明を恥じる。映画の深淵を知るのは、映画を見るのと同じくらい楽しいものだ。名著。
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