ヴェネツィア便り の商品レビュー
北村先生の、知的でやわらかい文体がやっぱり好きだな。 短編集で、少しぞっとするものからしんとするものまでいろいろ。私は表題作が一番好きです。10年くらいたってから読み直してみてもおもしろいかもしれない。
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続けて北村さん。いろいろの短編を収録した本でした。二人の人間が了解し合っている感覚とか、親愛の情とか、学生時台の断片的な記憶に伴う情感とか、簡単には言えないようなことどもをなんともいい具合に綴った作品集。しみじみいいなぁという作品の合間に、怖い!(人ならざるモノが)という話や、怖...
続けて北村さん。いろいろの短編を収録した本でした。二人の人間が了解し合っている感覚とか、親愛の情とか、学生時台の断片的な記憶に伴う情感とか、簡単には言えないようなことどもをなんともいい具合に綴った作品集。しみじみいいなぁという作品の合間に、怖い!(人ならざるモノが)という話や、怖い!(偏屈な人間が)という話があって、ドキドキしながら読みました。こういうのいいなぁという穏やかな話と、ええええ怖いんですけど、、、、という話の振れ幅がけっこう大きかったです。
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15の掌編からなる短篇集。ショートショートも。帯に「プリズムの燦めきを放つ〈時と人〉の短篇集」とあるが,なるほど,老齢にさしかかった登場人物が若い頃の経験を回収する(ただの回想ではない,過去が当時とは違う色彩を持って見えてくる)ような物語が続く。ちなみに〈時と人〉というのは『スキ...
15の掌編からなる短篇集。ショートショートも。帯に「プリズムの燦めきを放つ〈時と人〉の短篇集」とあるが,なるほど,老齢にさしかかった登場人物が若い頃の経験を回収する(ただの回想ではない,過去が当時とは違う色彩を持って見えてくる)ような物語が続く。ちなみに〈時と人〉というのは『スキップ』『ターン』『リセット』三部作に与えられた名前。ロアルド・ダールの短編をドラマ化したDVDが主要な役割を果たす「機知の戦い」を読んで気づいたのですが,北村さんの作品の中にもダールのスタイルを意識したものがあるなあ。
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個人的に外れなしの短編集。 日常の謎が描かれた短編「機知の戦い」と 「黒い手帳」がやはり秀逸でした✨ まさに真骨頂ですよね(´艸`*) 「白い蛇、赤い鳥」では「代作」というものを 初めて知りました。臨時のゴーストライターと いう感じでしょうか。。
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粘着質な男が多かった気がする。「黒い手帳」の先生、怖いよ。本は持ち主のもの。売られたって文句言ってはいけない。そういえば、子供の頃双子はどちらが兄姉かって、友達と論争したな。周囲に双子はいなかったのに。「道」はいい夫婦、「機知の戦い」はやな夫婦。ホラーでも一流の北村さん、「開く」...
粘着質な男が多かった気がする。「黒い手帳」の先生、怖いよ。本は持ち主のもの。売られたって文句言ってはいけない。そういえば、子供の頃双子はどちらが兄姉かって、友達と論争したな。周囲に双子はいなかったのに。「道」はいい夫婦、「機知の戦い」はやな夫婦。ホラーでも一流の北村さん、「開く」とか。「リリオム」、探して読んでみたい。
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短編集を読む時には、 全てが自分に合うと期待せずに、 いくつか入っている作品の中で 「これは!」と思えるような作品が 1つでも入っていることを期待する。 今回も「??」と思うものの中に、 「おぉっ」と思うものもあり。
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短編集。 今、読み終わった直後の感想は… キラキラしたガラスやいろんなものが入った宝箱のような…本っていいなぁ。 おやすみの午後にゆっくりと読めたのはラッキーでした。
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「北村薫の作品を読める」という幸せを感じさせてくれる1冊でした。「この人はどうしてこんなにうまい文章が書けるのだろうか」と…。
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短編集だが、どれも深い色合いを放って、骨董屋の店先にいるような気分になる。 作者が60代にさしかかって以降の作品が多く、その歳になって見えてきたもの、若者の先の見えないがゆえの不安をいとおしみ、答えを与えてやりたいような気持ちなどが描かれている。 幻想的な作品も多い。 目次で、何...
短編集だが、どれも深い色合いを放って、骨董屋の店先にいるような気分になる。 作者が60代にさしかかって以降の作品が多く、その歳になって見えてきたもの、若者の先の見えないがゆえの不安をいとおしみ、答えを与えてやりたいような気持ちなどが描かれている。 幻想的な作品も多い。 目次で、何編かごとにグループになっているように見えるが、似たテーマというか趣のものがまとめられているようだ。 『麝香連理草(じゃこうれんりそう』 匂うような名前、きれいな花だが… 『誕生日 アニヴェルセール』 どちらが兄か弟か… 選んだ道によって別人になっていく双子 『くしゅん』『白い本』『大ぼけ、子ぼけ』『道』 結婚してたった一年、悲しい齟齬ばかり感じる夫婦。 間違った人のところへいった本。 残り物に福があった話。 長年連れ添った夫婦の道。 『指』『開く』『岡本さん』『ほたるぶくろ』 夢幻の世界。オカルト。特殊能力を持った人が世間から隠れて生きなくてはいけないわけ。 『機知の戦い』『黒い手帳』『白い蛇、赤い鳥』 頭脳戦、心理戦…このあたり、ミステリの名手としての表現が冴える。 偽物が本物に見える?それとも本物? 『高み』『ヴェネツィア便り』 あの頃の君へ、あの頃の自分へ。 ふと、思いは過去に飛ぶ。 自分は今に生きているのだけれど。 ―――――――――― 「黒い手帳」、自分が主人公だったらと思うと脂汗が出る。 コロンボや右京さんに「もう一つだけ」と言われる容疑者の心境…
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開く、という短編が怖くて身震い。色々なジャンルの小作品が集められていて面白かった。夫婦の姿が印象に残る作品が多いと思った。
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