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欠落ある写本 デデ・コルクトの失われた書 の商品レビュー

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2021/01/25

凝った作りの小説である。 トルコ系遊牧民オグズ族の民族叙事詩「デデ・コルクトの書」の元ネタとおぼしき写本が発見され、古文書を研究する私がそれを読むという体裁を取る。 写本の内容は、いわば正史である「デデ・コルクトの書」の隙間を埋めるもので、登場人物たちは、より複雑に感情、利害をも...

凝った作りの小説である。 トルコ系遊牧民オグズ族の民族叙事詩「デデ・コルクトの書」の元ネタとおぼしき写本が発見され、古文書を研究する私がそれを読むという体裁を取る。 写本の内容は、いわば正史である「デデ・コルクトの書」の隙間を埋めるもので、登場人物たちは、より複雑に感情、利害をもって動く。 その暴露話も面白いのだが、合間に全く異なるサファヴィー朝創始者にしてアゼルバイジャン語の詩人であるイスマイール1世の話がはさまる。 それを、ガンジャ地震(多分、アレッポ地震のこと)が封筒のように囲み、更にその外側に作中の現実世界である私がいる。 これら全ての話は未完で終わり結論は無い。 メインのデデ・コルクト部分は、遊牧民の生活習慣や、伝承文学ぽさ、超自然的な力と、人間の普遍的な嫉妬や驕り親子の感情などがあって興味深い。 構造はちょっと凝りすぎかと思う。構造説明の前書きで危うく挫折しそうになった。

Posted byブクログ

2018/09/01

やー面白かったなあ。既にある「デデ・コルクトの書」に登場する世界を、想像力を駆使して膨らませたのが「欠落ある写本」のようだね。 カップヌードルカレー味食べる時、よく混ぜてるつもりがいつも調味料が溶けきれない。同じくこの本も5分の4位まではボヤけたはっきりしない記述が続くが、底が...

やー面白かったなあ。既にある「デデ・コルクトの書」に登場する世界を、想像力を駆使して膨らませたのが「欠落ある写本」のようだね。 カップヌードルカレー味食べる時、よく混ぜてるつもりがいつも調味料が溶けきれない。同じくこの本も5分の4位まではボヤけたはっきりしない記述が続くが、底が見え始めた途端に濃厚に面白くなるんだなあ。映像化する場合、武将の長は竹中直人さん、デデ・コルクト(速記者)は緒形直人さんでお願いします。

Posted byブクログ