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どうすれば愛しあえるの の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2018/01/06

宮台真司の最近の凋落は目に余るものがあって、この本は彼の耄碌を象徴するものだ。安倍憎しで(彼の中では、安倍支持と性愛の頽落は繋がっているらしい)、世の諸悪を現政権の「病理」に繋げていて、もうカオスである。牽強付会の集大成のような本。だいたいの言論人は安倍憎しになると、論理が破綻し...

宮台真司の最近の凋落は目に余るものがあって、この本は彼の耄碌を象徴するものだ。安倍憎しで(彼の中では、安倍支持と性愛の頽落は繋がっているらしい)、世の諸悪を現政権の「病理」に繋げていて、もうカオスである。牽強付会の集大成のような本。だいたいの言論人は安倍憎しになると、論理が破綻し出す。 彼の頑迷さは「クソ社会」だの「クズ」だの、自分が否定するものについては、かような思考停止の罵倒語を用いて攻撃するところにも現れている(以前から言っていたが、当時は異化効果があった)。また、Aという事象とBという事象が同時期に起こった、ゆえにこの両者は連関している的なロジックが多用されすぎ。全てが全てという訳ではないが、納得性・説得性の低いロジックばかりの「クソ」のような本だった。言論人として「世直し」をしたいのなら、彼が忌み嫌う側の人間に届く言説を紡ぐべきだろう。こんなものに付き合わされている二村ヒトシが可愛そうになった。

Posted byブクログ

2017/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

宮台さんの映画の本が非常に面白かったため、しかも今度は興味が強い「性愛」についての話ということで購入。AV監督二村ヒトシとの対談形式で本書は進むが、主には宮台さんの語りが占める。自分の中でうまく言語化できていない世の中に対してや人間に対しての思いみたいなものを言語化してくれているように感じる。ハレとケというのか、誰もが持つバンパイヤ的なものとか、いい変態と悪い変態、神経症、精神病、倒錯者。もう一度読み返すにはカロリーが高いが、いつかまた読むように思う。アメーバになる。時間が立つのを忘れる。

Posted byブクログ

2017/11/04

宮台真司の本を買う人は、ぼくも含めて、お金を払って説教を聴きたいタイプの人だろう。マゾヒスティックな修行僧というか。宮台さんの言うことは確かかもしれない、だから我々はもっと己を高めていかなければいけないのかもしれない、と言う風に。世の中の「感情の劣化」がいかに嘆かわしく、それをど...

宮台真司の本を買う人は、ぼくも含めて、お金を払って説教を聴きたいタイプの人だろう。マゾヒスティックな修行僧というか。宮台さんの言うことは確かかもしれない、だから我々はもっと己を高めていかなければいけないのかもしれない、と言う風に。世の中の「感情の劣化」がいかに嘆かわしく、それをどうにかするためには我々が自分をどのように改造していけばいいのか、かなりの理屈密度で論が展開されている。 ためになるところは沢山あったけど、モテるためには「自分探し」じゃなくて「自分なくし」「世界探し」をするべし、という所が基本的だけど特にためになった。自分の心に余裕がなくなるほど「自分探し」に走ってしまいがちである。 宮台さんは、ある年齢まで自分が母親に復讐している事を自覚できなかったらしい。ぼくも、ある時に心療内科で母親に関するトラウマを認知して以来、母親の影は相対化していたつもりだったけど、その後、自分が一方的に母親視していた女性にひどい振られ方をして、どうやらまた新規に「母親」への復讐心が立ち上げられていたようだ。こういうことは何かきっかけが無いと自覚しにくい。ぼくの場合、その「母親」が弱点にしていた部分を他の女性にも見出そうとして、なにか空しい足掻きをしていたようなところがある。そのあたりにぼくのキモチワルさもきっとあっただろう。 宮台さんも二村さんも、本書のなかで「自分も昔こうだった」というような精神的恥部を結構積極的に披瀝している。固く強張った心を解きほぐすには、自分の精神的恥部を客観視して相対化する、というプロセスが問題解決の頻出パターンのようだ。無意識を意識に吸い上げる。基本的にはフロイトのいってることだ。

Posted byブクログ