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ふたご の商品レビュー

3.7

195件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    70

  3. 3つ

    58

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    3

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2018/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんだか気になって買ってしまった本。 主人公のなっちゃんは中学で出会った一つ年上の月島に惹かれるが、彼からは「ふたごのようだ」と言われる。恋人を夢見る一瞬を砕かれて、それでも月島のそばにいたいと考えるなっちゃん。母のように、友達のようにそばにいようとして、そしてその都度ひどく傷つき、月島を傷付ける。傷付けられるということは、それだけ相手の心に居場所があるからだと彼女は気付かない。何にもないと言い、なにも頑張れないという月島。高校を辞め、アメリカに留学をするも発作を起こして一カ月ほどで帰国した。そして精神病院に入院し、なっちゃんの首にカッターを押し付けて、恐ろしい叫びをあげる。そんな彼が初めて人生を懸けるものを決意する。その場所になっちゃんは食いつこうと懸命になる。孤独で恐怖に取りつかれる、創り出すという行為は救いをほんの僅か含む。そうしてやっと同じ方向を見ることが叶った。それは強く夢見た、本当に双子だったなら、の想像のまだ外を見る行為だった。 sekai no owariのキーボードのお嬢さんが書いたお話、というのは分かって読んだから、読んでいる間中彼女から彼への熱烈なラブレターを読んでいるような気分だった。文章はするすると読めるけれど、あまり残らない。それでも彼女のなかに強く光るその想いがこうしてひとつの物語を生み出したのはわかった。

Posted byブクログ

2018/07/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一部はすてきな初恋のお話でとても気に入りました! 同じ景色を見ているのに違うように見えてる。そんな月島に惹かれるなっちゃん。なっちゃんに感情移入して読むのがとても楽しかった。 隠しようのない想いで月島を見ているなっちゃん。知っていてそれでもなっちゃんとの関係をカテゴライズしたくないという月島。近いのに必要としあっているのに、決して交わらない2人の気持ち。 2人の会話、距離感にどきどきしました。 繊細さが脆さになり危うくなっていく月島を、傷つけ傷つけられ、それでも離れられない2人の関係に言いようのない切なさを感じました。 両想いでありながら片思い。とても良かった。 良かったからこそ、、 一部で築き上げた2人の話が二部でみごとに音楽要素、バンドに捧ぐ青春にかき消され、なっちゃんの恋心が気になっていた私は置いてけぼりをくらったように感じてしまいました。 なっちゃんと月島をさおりちゃん深瀬から切り離し、想像力を働かせて読んでいたのですが、ぐちりんの登場以降セカオワでしかなくなりました。想像力の敗北。 ライブハウスを手作りして共同生活するバンドのサクセスストーリーはいろんな特集で見ていたので、これを描くために書いていたのであればさおりちゃんと深瀬となかじんとDJ LOVEのまま書いてくれればそれでよかった。 私はとことんなっちゃんと月島の恋でも友情でもない絆の部分に魅せられてしまってました。 以降もなっちゃんの恋心は描かれますがほとんどバンドのサクセスストーリーがメインで一部とは別物でした。月島のそばで、恋の相手として選ばれはせずとも力になれる。 たまに月島の彼女を通して女の子にだけ見せる月島を知る。恋心の終着点が決別でも成就でもなく隣で力になること。そこもとてもよかった。 バンドの成功で終わったことで、そうして始まっただけで、あくまでバンドの話をしていたんだな。と、そこで気づきました。恋愛小説として秀逸なバンドのサクセスストーリーだったのですね。 どなたか、こういう恋愛小説がありましたら紹介してください、、

Posted byブクログ

2018/07/06

ミーハー心から直木賞候補だというので読んでみました。。 ピアノしかなかった彼女が、彼と出逢うことで自分の居場所を見つけていく、という青春物語です。 以前NHKのSONGSで彼らが自分たちの生い立ちを話しているのを聞いたことがあります。 結構びっくりしたので印象に残ってい...

ミーハー心から直木賞候補だというので読んでみました。。 ピアノしかなかった彼女が、彼と出逢うことで自分の居場所を見つけていく、という青春物語です。 以前NHKのSONGSで彼らが自分たちの生い立ちを話しているのを聞いたことがあります。 結構びっくりしたので印象に残っているのだけれど、本書は小説ではなく実話なんじゃないの?!と思うほど、その時聞いたエピソードがそのまま載っていました。 当人同士は納得したうえでの執筆でしょうけど、なんだか周りの方が気の毒に思えました。 ・・・なんというか、以前植本一子の「かなわない」という本を読んだときと同じ気持ちです。 結婚出産したばかりなのに、過去のこととはいえここまで生々しく気持ちを語るのは、身近な人に負担を掛けているのではないかと心配。

Posted byブクログ

2018/07/04

なぜ直木賞候補になったのだろうか。この作家さんのバンドは知っているがさほど興味がなかったので話題性から読んでみた。結局自叙伝みたいなものでバンド誕生物語だったなで終わってしまった。第1章はまだ主人公の夏子の月崎への思いが表現豊かに描かれているが、第2章になるとほとんどバンド誕生の...

なぜ直木賞候補になったのだろうか。この作家さんのバンドは知っているがさほど興味がなかったので話題性から読んでみた。結局自叙伝みたいなものでバンド誕生物語だったなで終わってしまった。第1章はまだ主人公の夏子の月崎への思いが表現豊かに描かれているが、第2章になるとほとんどバンド誕生の話で終わってしまい結局何が言いたかったのか伝わりづらかった。気になった点として、表現力はあると思うが後ろの背景があまりない。どこに行ってもどんな場所でも同じなのだ。アメリカへ行ってもアメリカの風景がほとんどないし、バンドを組んでもどんな音楽なのかがわかりにくい。夏子の月崎への思いだけがしっかり描かれている気がしてどうにも。気になったので直木賞の選評を読んだが、選考委員のわりと厳しいコメントにやっぱり話題性かな~と思ってしまった。

Posted byブクログ

2018/06/29

有名人が書いたから、直木賞候補になっただけ、という否定的なレビューを読んではいたのですが、セカオワの曲が割と好きなので、読んでみました。 別に、有名人が書いたわけじゃなかったとしても、面白いと思いました。 好みの問題もあるので、セカオワファンには面白いだけ、と言われたら、それ...

有名人が書いたから、直木賞候補になっただけ、という否定的なレビューを読んではいたのですが、セカオワの曲が割と好きなので、読んでみました。 別に、有名人が書いたわけじゃなかったとしても、面白いと思いました。 好みの問題もあるので、セカオワファンには面白いだけ、と言われたら、それまでなのかもしれませんが、そんな否定的にならずに読んでみたら良い本だと思います。

Posted byブクログ

2018/06/19

ところどころ共感できるところもあり。 でも、何もかも挫折してばかりなのに、月島がちょっとエラっそうに見えてしまうところもあった。 全体的に読みやすかった。 とても真剣な月島の姿勢を見て、もう後がないからこその打ち込むパワーだったりするのかもだけど、辞めて行く人や続かない人への対応...

ところどころ共感できるところもあり。 でも、何もかも挫折してばかりなのに、月島がちょっとエラっそうに見えてしまうところもあった。 全体的に読みやすかった。 とても真剣な月島の姿勢を見て、もう後がないからこその打ち込むパワーだったりするのかもだけど、辞めて行く人や続かない人への対応とかに、自分の記憶の中のある人を重ね合わせてしまった。

Posted byブクログ

2018/06/13

SEKAI NO OWARI のSAORIの作品と言うことで手に取った。 もう ほとんど自叙伝なんだろうけど・・・・・ 自分が経験したことを素直に書いているので、ストレートに響いてきて、読むのが辛かった。 手を止めて、また読んでの繰り返しで 時間が掛かったい1冊である。 独特...

SEKAI NO OWARI のSAORIの作品と言うことで手に取った。 もう ほとんど自叙伝なんだろうけど・・・・・ 自分が経験したことを素直に書いているので、ストレートに響いてきて、読むのが辛かった。 手を止めて、また読んでの繰り返しで 時間が掛かったい1冊である。 独特の世界観を持ち、繊細な感覚で他人を振り回していく月島 その月島に恋い焦がれながらも 一番の理解者で仲間として寄り添うことを選んだ夏子 息苦しくて、切なくて、そして大切に思っている気持ちが伝わる。 なかなか出会える状況ではないけど、 今のあのSEKAI NO OWARIを作っているなら 必然な経験なのかもしれない。 でも・・・私は月島みたいな奴は無理だな

Posted byブクログ

2018/06/01

第158回直木賞候補作品。初読み作家。 SEKAI NO OWARIのSaoriによる、自叙伝的な小説。 西山夏子は中学2年生のときに、1つ上の先輩である月島悠介に出会う。互いに精神的な自立が出来ない中、依存したり、振り回されながらも交流を続ける。月島は高校に進学するもなじめずに...

第158回直木賞候補作品。初読み作家。 SEKAI NO OWARIのSaoriによる、自叙伝的な小説。 西山夏子は中学2年生のときに、1つ上の先輩である月島悠介に出会う。互いに精神的な自立が出来ない中、依存したり、振り回されながらも交流を続ける。月島は高校に進学するもなじめずに退学し、精神的にも不安定になっていってしまう。その後、月島は心機一転音楽の世界で勝負することとし、彼らはバンドを組むこととなるが。。。 おそらく大半が事実なのだろうが、1部は人間を掘り下げていき、共依存のような青春恋愛小説として面白かった。2部は、SEKAI NO OWARIが走り始める様を描いているのだろうが、「私」の世界よりバンドの行く末の方が気になってしまった。

Posted byブクログ

2018/05/29

「セカオワのサオリちゃんが書いた本だよ」という情報だけで借りた。 読み始めてすぐ「え…これサオリちゃんとフカセくんの話なのか」と気づき、ページをめくる手が止まらず。そしてたまたま蒲田のクリニックに通院中に読み始めたので、知ってる地名だらけでビックリ!そういや彼らは蒲田の出身だった...

「セカオワのサオリちゃんが書いた本だよ」という情報だけで借りた。 読み始めてすぐ「え…これサオリちゃんとフカセくんの話なのか」と気づき、ページをめくる手が止まらず。そしてたまたま蒲田のクリニックに通院中に読み始めたので、知ってる地名だらけでビックリ!そういや彼らは蒲田の出身だったっけ…と引き込まれて一気読み。 彼らのことは「元々友人、元々恋人同士。バンド名も精神科入院歴などの体験から」程度の知識はあった。 本に描かれていたことはそんな一言では済まされない。 彼の存在が自分の全てで、自己犠牲を払ってでも彼の求める自分になりたいと願う痛みが突き刺さる。 私も思春期の思い出は大切で、今となってはたぶん自然と美化されし過ぎたところもあるかもしれない。それでも大切にしたい思い出だが、なっちゃんにとってはもう逃げることも出来ない、いっそ彼から逃れられれば楽なのに、それは自分も見失うことになるから、辛くても苦しくても彼のそばにいることを望んだ。 美しい思い出になんてならず、今も彼の隣にいる。 「私は月島の彼女になりたいと望む一方で、女に成り下がることを見下していた。見つめ合いたいと思う一方で、同じ方向を見据えて肩を並べたいと願っていた。」の一文が全てだと思った。 フカセくんはこの長編ラブレターを読んで何を思うのか… 彼女の深い愛情と苦しみにどれだけ気づいていたのか…全部見透かされていたような全く知らないような… このラブレターを読んで、結果またセカオワの曲を聴きたくなったし、彼らを知らなかった読者も聴きたくなると思う。 そうやってサオリちゃんはまた彼を助けてる。 そんななっちゃん、そうサオリちゃんが別の男性を愛し、出産されたニュースを見たことを思い出して泣きそうになった。幸せになってほしいと自分何様と思うが心から願っている。

Posted byブクログ

2018/05/22

セカイノオワリって全然聴いたことない、というか最近音楽自体新しいものを聴いていません。なるほどこれが年を取る事かと深く深く頷いています。音楽を作っている身としてはどうなのか?という事も有りますが、この本読んだらなんだかセカオワ聞きたくなってきました。 キーボードの金髪の女の子が書...

セカイノオワリって全然聴いたことない、というか最近音楽自体新しいものを聴いていません。なるほどこれが年を取る事かと深く深く頷いています。音楽を作っている身としてはどうなのか?という事も有りますが、この本読んだらなんだかセカオワ聞きたくなってきました。 キーボードの金髪の女の子が書いたんですね。これが本当にこのバンドの成り立ちを基に描いた本だとしたら相当なぶっちゃけですね。ボーカルの男性のむちゃくちゃっぷりがすごいですが、これについてこられた上に結局みんなで天下とったんだからすごいですね。殆ど小説として読んだのではなくて、ドキュメンタリーとして読んでいる気分でした。 6年間掛けて書いたそうで、とても小説初めて書いた仕上がりではなく、文章も整理されているし過度に肩肘も張っておらず、とっても好感を持ちました。でも相当苦労しただろうし、色々吐き出したものに形を与えたというこの雰囲気を見ると次回作は無いかも、という気がします。次回作あったら是非読みたいです。

Posted byブクログ