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山の音 の商品レビュー

3.4

14件のお客様レビュー

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2024/02/28

メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1762835625714352417?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

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2024/02/14

初めて読んだ川端康成の小説だった。最初に読んだときはそうでもなかったのだけれども、同期がこれで卒論を書く様子を1年間見ていたから愛着が湧いてしまった。菊子のワンピースがだらりと干してあるところの強烈さが好き。あと、菊慈童の面のシーン。各章タイトルが美しくて眺めているだけでも楽しい...

初めて読んだ川端康成の小説だった。最初に読んだときはそうでもなかったのだけれども、同期がこれで卒論を書く様子を1年間見ていたから愛着が湧いてしまった。菊子のワンピースがだらりと干してあるところの強烈さが好き。あと、菊慈童の面のシーン。各章タイトルが美しくて眺めているだけでも楽しい。

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2023/05/31

今の時代とは違う 価値観や文化 よくも悪くも 日本人の家族関係が ウエットなものから ドライなものに 変わったなぁと しみじみ思った 現代だったら スパーンと 離婚とか別居とかに なりそう 機微も情緒もないか... 鈴虫ブックスにて購入

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2023/05/12

読み始めたときは登場人物のことも、状況もわからないせいで何が言いたいのか分からない情景描写ばかりが続いて面白くないーーー!と思ったけど、話が進んできて展開がどんどん先へ先へと行く所まで読むと逆にそれが面白いと思った。 慣れてきたのか、読み解けるようになったのかは分からないけども、...

読み始めたときは登場人物のことも、状況もわからないせいで何が言いたいのか分からない情景描写ばかりが続いて面白くないーーー!と思ったけど、話が進んできて展開がどんどん先へ先へと行く所まで読むと逆にそれが面白いと思った。 慣れてきたのか、読み解けるようになったのかは分からないけども、時間置いてまたじっくり読み直したいなと思うくらいには面白かった。

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2023/04/08

信吾の息子の修一、週一の嫁の菊子、妻の保子の姉。鎌倉に住む家族。戦争にいって人が変わってしまった気がする息子。 死んだ知人の言っていた「山の音」。 恩田陸のなにかの短編集で山の音の話があって、思い出して読んでみた。 久しぶりに近代文学を読んだが、普段の倍以上、読了に時間がかかっ...

信吾の息子の修一、週一の嫁の菊子、妻の保子の姉。鎌倉に住む家族。戦争にいって人が変わってしまった気がする息子。 死んだ知人の言っていた「山の音」。 恩田陸のなにかの短編集で山の音の話があって、思い出して読んでみた。 久しぶりに近代文学を読んだが、普段の倍以上、読了に時間がかかった。多分1週間くらい。いわゆる一般的な物語小説と違ってわかりやすい起承転結がないので、全文をこぼさず読もうと思うと時間がかかってしまったのかなぁ。

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2022/12/10

古き悪き日本。 恐らくそのせいで、 次の世代は欧米志向で自由に憧れたのでしょう。 そして続く現代の親世代は、その反動で冷静に。 主人公はおじいちゃん。 共感するには早過ぎかと思ったが、 女性は男性より早く盛りの過ぎたのを実感するものである。 30も過ぎればちやほやされなくなる...

古き悪き日本。 恐らくそのせいで、 次の世代は欧米志向で自由に憧れたのでしょう。 そして続く現代の親世代は、その反動で冷静に。 主人公はおじいちゃん。 共感するには早過ぎかと思ったが、 女性は男性より早く盛りの過ぎたのを実感するものである。 30も過ぎればちやほやされなくなるし、 体力もあっという間に落ちる。 老年とはこんなものか、と 想像するには意外と難くなかった。 生々しく赤裸々に書かれた主人公の感情や執着が、期限切れの酸っぱさのまとわりつくほろ苦さ。 少し癖になる。 美味ではないが、晩酌のアテには向いている。 菊子だけが花だ。 丁寧に描写されているのに、 私の中に具体的な顔立ちが見えていないのが不思議だ。 ただ爽やかでまだ可愛らしさの残る、 好ましい女性像はしっかりと浮かんでいる。 読者がそれぞれに、 自分好みの美人顔を当てられる描き方になっていたのだろうか?面白い。 目の前の出来事に老年の記憶の断片や、 いつまでも忘れられない紅葉や義姉を散りばめた彼なりの思いを見せながら、 日常は過ぎ季節が巡る。 筆で色を重ねていくうちに、 引いていた輪郭もぼやけて陰影ができ、 色味は暗くなっていく反面、 味わいは深まる油絵のような作品だと感じた。

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2022/09/03

日本の家族という柵を良くも悪くも描いている。四季の移ろいや日常的にみられる生活風景や職場の何気ない描写も秀逸。日本の美を追い求める川端文学の真骨頂か。初老の儚い恋心も主テーマであるが、老いていく肉体については淡々と綴っていき焦りとか未練とかは嘆かない。海外の作品とはここが違う。や...

日本の家族という柵を良くも悪くも描いている。四季の移ろいや日常的にみられる生活風景や職場の何気ない描写も秀逸。日本の美を追い求める川端文学の真骨頂か。初老の儚い恋心も主テーマであるが、老いていく肉体については淡々と綴っていき焦りとか未練とかは嘆かない。海外の作品とはここが違う。やはり日本の美か! AVのテーマの原点はここか、と思うところもあるが、よりエロティックで官能的と感じさせる描写はさすが。

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2021/07/27

老人と、その息子の嫁が、プラトニックな恋をする といったような話 老人は、かつて好きだった女(義理の姉)の面影を嫁に重ねており 嫁は嫁で、ファザコンの気を老人に向けているらしい 子供たちは、それぞれ夫婦生活に問題を抱えている 兄の修一は外に女を作っており また妹の房子は夫と別居...

老人と、その息子の嫁が、プラトニックな恋をする といったような話 老人は、かつて好きだった女(義理の姉)の面影を嫁に重ねており 嫁は嫁で、ファザコンの気を老人に向けているらしい 子供たちは、それぞれ夫婦生活に問題を抱えている 兄の修一は外に女を作っており また妹の房子は夫と別居して 二人の孫と共に実家に帰ってきている 老いたりとはいえ、まだ現役で働いている老人は どうしても房子夫婦の問題に手が回せず 修一夫婦のことばかりに気をとられてしまうのだが それはあるいは要するに 実の娘より嫁の菊子が可愛いから依怙贔屓してるだけ なのかもしれない そんな自分に老醜を感じて、嫌な気持になることはあっても 老人がその姿勢を変えることはなかった そうこうするうち 房子の夫である相原が、よその女と心中事件をおこして 新聞に載ってしまう さらには、修一の不倫相手が妊娠したとの情報を知らされて 老人は重苦しい不安にとらわれる 一家の大黒柱として なにもかも独りで抱え込もうとしすぎるようでもある しかし、友人に頼まれて高額の能面を引き取ったりするぐらいには 経済的余裕もあるのだ それなのに、追い込まれる感じになってしまうのはなぜだろうか せっかく戦争の時代を切り抜けたというのに 生き延びた罪悪感から 退廃と不幸の道へと突き進んでいく若者たちのありさまが 恐ろしいのかもしれない だが裏を返せば それは民主主義的に自立していく個人の群れの姿でもあった だからとばかりも言い切れないが 問題に一区切りがついたころ 老人は、ファミリーロマンスからの脱却として 菊子にも自立を促していくのだった つまり親と息子夫婦で世帯を分けようというわけだ それは、プライバシー筒抜けの日本家屋から 若い夫婦を解放したい(されたい)という思いであると同時に 「山の音」を聞いてしまった老人にとっては ひとつの死に支度でもあった 縁起でもない

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2020/11/04

川端康成、細心の美的節度によって紡がれた彼の文章は目をさっと走らせるだけでもうっとり夢心地に。惚けた後に、我に返ってはページを捲り戻してきちんと読み込むことを繰り返した。彼の天才的な言語センスは、日本の伝統古典と西洋の韻を踏まない散文詩の見事な融合で成り立っていると知ったときはな...

川端康成、細心の美的節度によって紡がれた彼の文章は目をさっと走らせるだけでもうっとり夢心地に。惚けた後に、我に返ってはページを捲り戻してきちんと読み込むことを繰り返した。彼の天才的な言語センスは、日本の伝統古典と西洋の韻を踏まない散文詩の見事な融合で成り立っていると知ったときはなるほど、と思った。 金色の雪煙、みたいな自分ではなかなか思いつきそうにない美しい言葉はメモしたいな。彼の作品をもっと読みたい。

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2020/09/03

死期の近付いた老人が「山の音」を聞くあらすじから恐ろしいストーリーを連想していたが、戦後のとある一家の日々が淡々と綴られているだけでした。 盛り上がりは特になく、家族の葛藤や登場人物の機微が繊細に描かれている。鎌倉の四季と共に流れていくストーリーが美しい。

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