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民族問題 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2024/06/07

民族とは「過去に見出される概念」では、たとえば中華人民共和国共和国が、各自治区の少数民族以外の国民を『漢民族』とするのはさまざまな出処を強引に同一視しているに過ぎない。言論統制による「愛国無罪」や「権力者の言うことは鵜呑みにしない」といった国民性はあるだろうが。

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2024/03/23

同志社での講義内容を書籍化したもの。ナショナリズムを理解する上で中々の良書なのだが、新書のワリには題名が控え目というか情報不足で損している印象。もうちょっと大風呂敷を広げてもよかったのではないだろうか。

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2023/02/21

初めて佐藤優の著作を読んだが、著者は相当に博識。 同志社大学の講義をまとめたもので、アンダーソンの『想像の共同体』、ゲルナーの『民族とナショナリズム』といったナショナリズム論の古典的著作を取り上げて解説している。著者の文章自体は読みやすいのだが、引用されたテキストが難解でわかりに...

初めて佐藤優の著作を読んだが、著者は相当に博識。 同志社大学の講義をまとめたもので、アンダーソンの『想像の共同体』、ゲルナーの『民族とナショナリズム』といったナショナリズム論の古典的著作を取り上げて解説している。著者の文章自体は読みやすいのだが、引用されたテキストが難解でわかりにくい。 ソ連の民族政策の話が面白かった。 ソ連は、共産主義というイデオロギーによって支配された国であり、ロシア人が異民族を植民地的に支配していたわけではない。だからこそ、グルジア生まれのオセット人であるスターリンが、独裁者として君臨できたのだ、という。 つまり、ソ連という国は、少なくとも民族問題に対してはうまくやっていた。旧ソ連の少数民族言語の保全状況が比較的良いのは、そのためだろう。 そして、ソ連が崩壊するや、一気に民族紛争が噴出するようになった。 「だからソビエトの実験が失敗したことは、実は人類にとっては非常に不幸なことでもあるといえるんです。つまり、民族を超える概念は当面、存在しない。だから民族問題も解決しない、ということになる。」 本書の出版は2017年であるにもかかわらず、ウクライナ問題を取り上げているのがタイムリーだ。 また、沖縄人は日本の少数民族であり、著者自身のルーツ(の半分)でもあることから、沖縄問題についても言及している。私自身は琉球独立に賛成なのだが、1990年代なら可能だったかもしれないが、昨今の国際情勢では到底無理だし、これから状況はますます厳しくなっていくだろう。

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2022/02/21

●中々難しいが、読み応えはある。 ●特に現在、戦争秒読みの段階のウクライナの民族問題についての考察が良かった。内容はちょっと前だが、根本は変わらない。 ●土地に固執すれば血縁は疎遠に、逆もしかりというのは目から鱗だった。 ●ソ連の民族政策のわかりやすい本があれば読んでみたい。

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2020/09/19

冒頭にあるが、日本人には民族問題はわからない。ただ世界に目を向けると民族問題は避けて通れない問題だ。何度でも勉強しないといけない。

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2018/11/25

日本人は民族問題に疎いという指摘はまさに。 沖縄問題で見え隠れするメディアや政治家による無自覚な差別は確かに感じるところ。

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2018/10/28

【由来】 ・北大の図書館でたまたまた目についた。 【期待したもの】 ・若干、食傷気味だが、手にとってパラパラと読んでみたら面白そうだったので。 【要約】 ・ 【ノート】 ・アンダーソンに始まり、ゲルナー、スミスとつながる民族問題の三大基本図書についての概観という感じの本。つ...

【由来】 ・北大の図書館でたまたまた目についた。 【期待したもの】 ・若干、食傷気味だが、手にとってパラパラと読んでみたら面白そうだったので。 【要約】 ・ 【ノート】 ・アンダーソンに始まり、ゲルナー、スミスとつながる民族問題の三大基本図書についての概観という感じの本。つまり、佐藤優の「民族問題」に関する基本図書のワークブックということか。 ・三大図書のどれも未読の者が言うのもおこがましいが、塩川氏の「民族とネイション」に比べると通俗的でわかりやすくはある。加えてマッキンダーと言う地政学の古典にも触れているので一通りの概観は把握できるという、雑誌のような構成。ここから原典にあたっていけばいいので、それはそれでよい。ただし、佐藤優のまとめに引きずられないように注意する必要はある。 【目次】

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2018/08/22

著者の言動は遠回しに沖縄の人たちの日本からの分離を促していると思います。私は琉球民族などは存在しないと考えています。宗教と人種の多様性から見てむしろ日本という国自体が多民族国家であり、その視点から見た場合、沖縄は明らかに平家(南方渡来系民族)に分類されるべきと考えます。 もちろ...

著者の言動は遠回しに沖縄の人たちの日本からの分離を促していると思います。私は琉球民族などは存在しないと考えています。宗教と人種の多様性から見てむしろ日本という国自体が多民族国家であり、その視点から見た場合、沖縄は明らかに平家(南方渡来系民族)に分類されるべきと考えます。 もちろん沖縄にも少数でしょうが、朝鮮系や源氏(沿海州蒙古系民族)も多少はいるでしょう。あるいは中国からの渡来系もいるでしょう。つまり琉球民族などとひとくくりにしてはいけないはずです。沖縄の多数派は古来より仮名文字を使い、その言葉は平安時代の言葉です。独自の言葉と思われるものも、一定の法則でなまっているに過ぎません。 著者の言動は左翼側のように見えて実は体制側(似非左翼)なのではないかと日々感じます。著者はイスラエル支持者であり、創価学会とも仲がいいようです。おそらくその人脈があるのでしょう。コミンテルン(ユダヤ人組織)が民族問題を発生させ、国家を分断していたことは有名です。マルコポーロ事件の際、創価学会がユダヤ側擁護の活動を行ったことについて著者はどのようにお考えなのでしょうか? 戊辰戦争と廃藩置県の延長線上でしかない琉球処分について語るより、沖縄戦で国家のために戦い、多大な戦果を上げた沖縄県民を賞賛すべきです。

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2018/03/25

佐藤氏が同志社大学で行った全10回の講義記録を書き起こした著作。 普段何気なく使っている「民族」という単語に対して、奥深い意味を見出すことが出来た。日本人という民族が意識されたのは最近のことであり、民族意識も政治的に利用される手段になってしまっていること、さらには一度火がつくと制...

佐藤氏が同志社大学で行った全10回の講義記録を書き起こした著作。 普段何気なく使っている「民族」という単語に対して、奥深い意味を見出すことが出来た。日本人という民族が意識されたのは最近のことであり、民族意識も政治的に利用される手段になってしまっていること、さらには一度火がつくと制御できなくなってしまう危うさもある。 ・民族について扱うときに、二つの考え方がある。一つは原初主義。民族というものは古くからある。日本は神の国だから、少なくとも二六〇〇年以上の歴史があって、日本固有の「日本民族」が実体としてあるという考え方ですが、こういう考え方は学問的には完全に否定されています。「民族」という概念は、どんなに過去に戻っても一八世紀の半ばよりも前に遡ることはできません。具体的に言うと、一七八九年のフランス革命以降に流行となった現象なのです。そして、もう一つか道具主義。民族は想像された人工的なフィクションに過ぎず、エリートたちが自らの支配を確立するための道具としてつくっている概念であるという議論です。しかし現実には、いくら支配者たちが民族をつくりたいと思っても、任意に民族をつくることはできない。

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2018/01/03

なぜ民族問題が起こるのか? その主題を解くために必要な、「そもそも民族とは何か」についての解説。 民族問題は資本主義とは不可分であるとの論。 わかりやすく、興味深く、また紹介されている書籍から深く探訪しようという気になる。 日本周辺での情勢がなぜそうなっているかを読み解く意味で非...

なぜ民族問題が起こるのか? その主題を解くために必要な、「そもそも民族とは何か」についての解説。 民族問題は資本主義とは不可分であるとの論。 わかりやすく、興味深く、また紹介されている書籍から深く探訪しようという気になる。 日本周辺での情勢がなぜそうなっているかを読み解く意味で非常に役立つ一冊。

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