国際政治 改版 の商品レビュー
名著と名高い本書、私にはレベルが高すぎて理解が追いつかなかった。刊行から60年近く経ったいまも色褪せない鋭い論考、再挑戦したい。
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読み応えのある新書でした。 初版は1966年。約束60年前。 冷戦期で、我が国は高度経済成長の真っ只中。 今とは国内状況も国際環境も大きく違っている。 軍備・経済・国際機構の三つの切り口から国際平和実現のための方策にアプローチする。 結論は、現実主義に立脚しつつ、国際平和実現...
読み応えのある新書でした。 初版は1966年。約束60年前。 冷戦期で、我が国は高度経済成長の真っ只中。 今とは国内状況も国際環境も大きく違っている。 軍備・経済・国際機構の三つの切り口から国際平和実現のための方策にアプローチする。 結論は、現実主義に立脚しつつ、国際平和実現のための希望を捨てずに居続けるというところ。 濃密な内容をうまくまとめることができないので、もっと勉強します。
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はっきりとは覚えていないが、この人と森毅さんがカッコよくて、京都大学に憧れた時期がある。 職場で見かけるその大学の出身者は… 言いますまい。一括りにできるものではないことくらい流石に知ってはいるはず。大幅に脱線した。 粘り強い論考。 すぐ気持ちよく着地したい気持ちを、覚させる力...
はっきりとは覚えていないが、この人と森毅さんがカッコよくて、京都大学に憧れた時期がある。 職場で見かけるその大学の出身者は… 言いますまい。一括りにできるものではないことくらい流石に知ってはいるはず。大幅に脱線した。 粘り強い論考。 すぐ気持ちよく着地したい気持ちを、覚させる力のあるロジック。 現代においても古びることがない、というのはやはりこの論考の持つ力なんだと思う。 「戦争はおそらく不治の病であるかもしれない。しかし、われわれはそれを治療するために努力しつづけなくてはならないのである。つまり、われわれは懐疑的にならざるをえないが、絶望してはならない。それは医師と外交官と、そして人間のつとめなのである。」 P232
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人は利己的で、国家はその集まり。その国家が複数あつまって構成される世界において平和を実現しよう、或いは平和を妨害する要因を排除しようと考えること自体が無謀であり、非現実的。それでは人は、または国は、世界は、どうすれば争いを"小さく"していけるか。本書の主眼はこ...
人は利己的で、国家はその集まり。その国家が複数あつまって構成される世界において平和を実現しよう、或いは平和を妨害する要因を排除しようと考えること自体が無謀であり、非現実的。それでは人は、または国は、世界は、どうすれば争いを"小さく"していけるか。本書の主眼はここに尽きると思う。 どっかの野党みたく真の世界平和が実現される日を夢みるような理想主義者には全く以て無益な本だが、少しでも冷静に現実的に物事を考察できる人には共感できるところが多いはず。国際政治を学ぶ人にとっての入門書と言われている(らしい)のも頷ける。 過去の戦争を多数例に引いて、裏でどういう動きがあったのかを詳しく説明しているので、教科書や下手な解説書を読むよりずっとわかりやすい。 後半は国際連合がどのような役割を果たしているかに可也のページを割いて説明を加えている。 面白いのは、明治の日本人政治家たちは国際政治の本質を理解していたのに、時代がくだるにつれそこがわからなくなり、果ては国家を転覆させたということ。今の政治家はどうだろう。 もう一つ興味深く思ったのは、世論はあてにならないということ。産業革命で交通や技術が発展してことで、民衆が政治に参加するようになり、その力をして国家は大規模化し、やがて帝国主義にもつながっていく。民衆が政治を動かせば正しい方向に発展していくはずだと大見得きって起こしたフランス革命も結局は史上初の徴兵制を設けた末にナポレオンの快進撃に酔いしれたというから皮肉すぎる。老子は庶民に政治を語らせるな、拘らせるなと説いたらしいが、紀元前後のあの頃にすでにこのような達観をもっていたというのもすごい。反対に、あれから二千年経ち、まったく進歩していない中国というのもすごい。
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「名著」と呼ばれるにふさわしい、濃密な本でした。 大学時代に読みたかった…。 サラッとすごいことが書かれていて驚いてマーカーを引く箇所が高頻度で出現するので、疲れましたが、充実した読書体験でした。
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■要約 国家は力(軍事力)の体系であり、利益(経済活動)の体系であり、価値(イデオロギー=正義)の体系である。国家間は、この3つのレベルの関係が複雑に絡み合った関係で成り立つ。この関係性を秩序立てるために権力闘争が行われるのが国際政治である。 この権力闘争に対して平和的な国家であ...
■要約 国家は力(軍事力)の体系であり、利益(経済活動)の体系であり、価値(イデオロギー=正義)の体系である。国家間は、この3つのレベルの関係が複雑に絡み合った関係で成り立つ。この関係性を秩序立てるために権力闘争が行われるのが国際政治である。 この権力闘争に対して平和的な国家であるためには、独立を維持できるだけの軍備や経済力を持ちながら、同時に国家権力が十分に制約されていることが必要条件となる。 現代においては、国家が多様化するにつれ、国家の行動準則(=国際法)が弱まり、他国の行動を予測・信用することが難しくなってきている。このような状況下で平和を維持するためには、平和への希望を持ちながら、国家の行動準則の権威・規制力を強める行動をとることが必要である。 ■感想 ウクライナやパレスチナ、台湾の問題に対して、自分なりに考えを深めたいと思い読んだ。 軍縮や国際機関による恒久的な平和という理想主義者の主張が真っ向から論理的に批判されており、とても勉強になるとともに、自身の考えの浅さを思い知った。平和を維持していくためには、国家が独立を維持できるだけの軍備や経済力を持ちながら、同時にその権力が十分に制約されていることが最低限必要というのは、現実から目を背けない答えだろう。
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60年代、まだ冷戦に差し掛かった頃にかかれたものだが、現在にも大いに通じる部分がある。 政治とはその国だけのものではもはや無く、他国との関わり合いの中で、いくら方向性や思想が違い、恐怖が訪れようとも、人間の務めとして「希望」を捨ててはならない、と強く語る。 正義は一つではない。あ...
60年代、まだ冷戦に差し掛かった頃にかかれたものだが、現在にも大いに通じる部分がある。 政治とはその国だけのものではもはや無く、他国との関わり合いの中で、いくら方向性や思想が違い、恐怖が訪れようとも、人間の務めとして「希望」を捨ててはならない、と強く語る。 正義は一つではない。あらゆる価値体系の中で、自己の理念と利益を守りながら、国際連合の権威を高めていかねばならない。 「自己の問題は自国の中で解決すること、他国を羨望しないことは、平和な国家の重要な条件である。」
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まさしく入門書、という感じの本。 国際政治学の大家である高坂正堯が徹底的なリアリズムに基づいて書いた、国際政治を論ずる上での羅針盤となる不朽の名著である、と称賛すべき一冊だろう。 一方で新たな視座の提供には乏しく、本書を通して著者が伝えていることは、極端に言えば「平和な世界を...
まさしく入門書、という感じの本。 国際政治学の大家である高坂正堯が徹底的なリアリズムに基づいて書いた、国際政治を論ずる上での羅針盤となる不朽の名著である、と称賛すべき一冊だろう。 一方で新たな視座の提供には乏しく、本書を通して著者が伝えていることは、極端に言えば「平和な世界を作るのは難しい」の一言に尽きる。 考えうる政策の例示と批判、ものごとの二面性といった、読んでいてあまり面白くはない著述が続くため人によっては退屈に感じるかもしれない。 このあたりは著者の現実主義ゆえか、それとも国際政治それ自体がもつ複雑さゆえだろうか。 自分としては第1章の後半、第3章あたりは面白かったものの、全体としては読書コストの割には満足感は高くはないかな、という印象。 しかしそのことは著者が熱意に欠けることを意味せず、むしろ著者の切実な平和希求の願いは随所に現れている。 特に終章の「絶望と希望」にある「できることをしながら、すぐにはできないことが、いつかはできるようになることを希望」するという文言には著者のリアリズムの内にある平和への飽くなき思いが凝縮されていると感じた。 暇潰しや教養目的ならばもっと華やかに国際政治を語る本はいくらでもあり、この本を選ぶメリットは少ないかもしれない。だが真に国際政治を理解したいと思うならば、早いうちに一度読んでおいて損のない本だと思う。
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国際政治学の権威である高坂先生の著書。国際政治の入門としては最適の本であろう。国際政治において最大のテーマである平和について既存の理論等の歴史を概観して、高坂先生の考えを知ることができた。
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1966年に書かれた国際政治についての入門的書籍 平易なことばで冷戦下における軍備のありようと 平和の実現へのとるべき方策が解説されている 2度の大戦を経て勢力均衡から自由貿易という形に 理想の平和は移行したが 自由貿易という概念が隅々まで行き渡ることで 自動的に平和が達成される...
1966年に書かれた国際政治についての入門的書籍 平易なことばで冷戦下における軍備のありようと 平和の実現へのとるべき方策が解説されている 2度の大戦を経て勢力均衡から自由貿易という形に 理想の平和は移行したが 自由貿易という概念が隅々まで行き渡ることで 自動的に平和が達成されるわけではないことは 本書が書かれ半世紀を経て いよいよ庶民にも明らかになっている どこの誰もが同等の情報を得られるようになっても 経済と民族の制約から諸国民が自由であることは かぎりなく難しい 現在の全ての軍事的な戦いの原因は あるいは企業単位の枠組みを超えた争いのすべては 無能な責任者や宗教や経済的利益のせいなのだろうか 核による抑止力は前提として 国際社会からの孤立だけが 国際政治における互いの利益均衡のための手段なのか 全体利益の最大化のため どこまで自分自身の少なくない損害に目をつぶるか お上の判断にふんいきで乗るのでなく 無名のいち庶民であっても目先の正義にとらわれず よりよき「正しい」判断をかさねること まず「正しさ」について判断しようとすることが 遠大な道の先に軍事的争いのない状態という おおむね全員の理想とする目標に近づくこととなる
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