先生のやさしい殺し方(vol.1) の商品レビュー
相変わらず、反転シャロウ先生は、私のツボを押さえた漫画を描いてくれる ごくごく“普通”の感性の持ち主からしたら、この『先生のやさしい殺し方』の内容は気持ち悪い、もしくは、グロテスクだ、と思うのだろうし、作者もファンも歪んでいる、と感じるのだろう ただ、そんな些末な非難すら、全く気...
相変わらず、反転シャロウ先生は、私のツボを押さえた漫画を描いてくれる ごくごく“普通”の感性の持ち主からしたら、この『先生のやさしい殺し方』の内容は気持ち悪い、もしくは、グロテスクだ、と思うのだろうし、作者もファンも歪んでいる、と感じるのだろう ただ、そんな些末な非難すら、全く気にならないくらい、この内容はグッと来る。見も蓋もない言い方をしていいなら、濡れてしまいそうだ 反転先生の作品は元より、西川秀明先生の『職業・殺し屋』や、よしむらかな先生の『ムエルシエラゴ』、松井優征先生の『魔人探偵脳噛ネウロ』と言った、ストーリーも描写も血生臭い作品が好きな漫画読みなら、間違いなく、魅入られてしまう名 イチャイチャって言葉が相応しいか、は別として、教師と女生徒のラブコメってのは、あながち間違っちゃいない気がする 少なくとも、ヒロインのリコの心には、人を殺す鬼への激しい怒り、良心の命を自分のスタンス通りに殺害した佐藤一郎に対する烈しい憎しみが、いっぱいまで詰まっている だが、本人は素直に認めていないけど、その二つを心から押し出しかねない、特別な感情が芽吹き始めているのは、傍目から見れば、一目瞭然だ これから、どんな展開になるのか、まるで読めないってのも、反転シャロウ先生の作品の特徴だが、この作品は特に、それが顕著だ コイツになら殺されても良い、と思っている教師と、自分が殺したいから他の奴には殺されたくない女生徒の関係は、いつまで続き、その過程の中で、どのような変化を見せるのか また、今後、どんなぶっ飛んだ個性の殺人鬼が登場するのか、そこも私的には期待している この(1)で、佐藤に喰われた、半人前の殺人鬼は全員、男だったので、(2)では悪女の類が登場するのではないか、と楽しみだ この台詞を引用に選んだのは、実に反転シャロウ先生らしく、なおかつ、このアブノーマルな作品の魅力を凝縮させているな、と感じたので。やっぱり、この『先生のやさしい殺し方』はラブコメなんだろうな。だって、こんな情熱的な告白をしているんだから。それに対する先生の返しにも、ピュアな喜びがあった
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