薬害エイズ事件の真相 の商品レビュー
「エイズ」ではなく「HIV」に、いつからか呼び方が変わり、当時のパニックを覚えている人も少なくなっていくのかもしれません。 「エイズ患者」の人数を示す画面に「※血友病患者をのぞく」と必ず書いてあるその意味を覚えている人も、減ってしまうのかもしれません。 血友病のこどもを産んだこ...
「エイズ」ではなく「HIV」に、いつからか呼び方が変わり、当時のパニックを覚えている人も少なくなっていくのかもしれません。 「エイズ患者」の人数を示す画面に「※血友病患者をのぞく」と必ず書いてあるその意味を覚えている人も、減ってしまうのかもしれません。 血友病のこどもを産んだことを、自らの責任と感じて、少しでも苦しくないように自己注射をした親の苦しみを思うと、涙が出てきます。 なんてひどいことが行われたのか。 著者がなぜ今、この事件を調べてみようと思ったのか。 強い者になびき、事実に目を背けて行動すること、または、行動しないことを、「忖度」で片づけては、決していけない。 どんな権威にも、人として間違った力の行使には断じて屈しない。 そうしなければ、自分がまた、誰かを傷つけ痛めることになる。 そのことを強く、心に留める一冊です。
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