ツシマヤマネコ飼育員物語 の商品レビュー

キム・ファン(著者)

2019/10/08

ツシマヤマネコと聞いて、ピンときますか？
長崎県の対馬だけに住むヤマネコです。
表紙の写真があまり可愛かったので、手に取りました。

ツシマヤマネコの生息数はわずか百頭いるかどうか。
動物園などの十の施設が協力して、研究が進められているそうです。
その一つ、京都市動物園の飼育員が書いた本。

ツシマヤマネコを増やすため、全国でお嫁さんお婿さん探しも。相性が良かったケースなど、微笑ましい。
いずれは野生に返すために、最初は出来るだけ人間が姿を見せないようにしていたそうです。人間と見ればすぐ甘えるようでは危険ですものね。
そうしたら、人の姿を見るとひどく怯えるようになってしまったため、見せるように変えたとか。

検査や診察のためには、体を見せてくれるように教えていかなければなりません。
そのための工夫も色々。
可愛がりすぎないように自制しながら、信頼も勝ち取っていく。
表紙の写真はそんな付き合い方の成果が見えているものなんですよ。
涙が出ちゃいました。

飼育員さん獣医師さんたちの奮闘ぶりに頭が下がります。
ツシマヤマネコが絶滅しないように、今生きている子達が寿命を全うしますように、祈りたくなりました。
字が大きめで、子供にも読める内容です。

2018/02/04

絶滅危惧種を飼育、繁殖することの難しさだけでなく、他の動物園と協力して取り組む様子も書かれています。野生動物を元の環境に返せるように工夫されていたり、検診ができるようにトレーニングしていることなど、知らないことがたくさんありました。大人が読んでも勉強になりました。分かりやすく書かれていて、子供達にもおすすめです。