プロパガンダゲーム の商品レビュー
2016年電子書籍刊行 2017年文庫本化 2022年8月舞台化 colorful2022629掲載 評者:村上貴史(書評家)
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舞台化されて気になっていた本。 選考最中はハラハラする展開だったが、最後の締めが少し物足りないなーと。 ただ戦争とか平和とか今見ている情報とは?って考えさせられる作品だった。 続編あるのか?
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みんな優秀で、気持ちが良いです。 どっちが勝つのかハラハラするだけじゃない。 実際にありそうな現実、起こり得る未来に 一石を投じる学生たちが清々しい。
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広告会社の電○が実際にこれに近い最終選考をやっていても不思議ではないと思えた。だまされるわけがないと信じながらも実際はメディアに洗脳されていることもあるのだろう。サイレントマジョリティをどうコントロールするか、ということだろうが、やはり頭の回転がはやい者が有利である。 kindl...
広告会社の電○が実際にこれに近い最終選考をやっていても不思議ではないと思えた。だまされるわけがないと信じながらも実際はメディアに洗脳されていることもあるのだろう。サイレントマジョリティをどうコントロールするか、ということだろうが、やはり頭の回転がはやい者が有利である。 kindle unlimited
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いいと思ったフレーズ 「国営メディアを使って、係争地の名前と気温を自国の天気予報として流し続けた国がある。そうすることで、国民はその土地を自分たちのものだと疑わなくなった」 「……天気予報なら、毎日やってるから覚えちゃうんだ」 「マーケティングの世界やとね、選挙は先に争点を設定できた側が勝つってのが常識になってるんよ。投票するための判断基準を、自分で国民に提供してまう。そうすると、その基準を土台にして国民が考えてくれるようになる」 『愚者は自分を疑うことをしない』。後藤の確信には、ホセ・オルテガが大衆について書いた著作の一節が念頭にあった。愚者は疑わない。大衆は忘れやすい。その性質を考えれば、「警告」というものがいかに無力なのかがよく分かる。 無能の一言で充分説明できることに、悪意を見出すな」。 「どうって、マスコミはまたくだらねぇことを取り上げてんなと思ったけど」「そうだ。くだらないと思ったろ。保守党へのイメージは悪化したか?」「いや、別に」 そう返答してから、今井は後藤の意図に気づいた。確かにスキャンダルには違いないが、支持率に深刻な影響を与えるようなものではない。「視聴者には『マスコミはまた保守党の批判をしている』というイメージを持たせた上で、保守党には致命的なダメージを与えない。だから、ダメージコントロールだ」
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大手広告代理店・電央堂の最終試験でプロパガンダ・ゲームをさせられる8人の学生の話。彼らは「政府」vs.「レジスタンス」に分けられて、PC上にいる100人の仮想国民(モニター)を、戦争に導けるか止められるかで争う。 設定が非常に良くできていて、各チーム(4人)に1人敵側のスパイが...
大手広告代理店・電央堂の最終試験でプロパガンダ・ゲームをさせられる8人の学生の話。彼らは「政府」vs.「レジスタンス」に分けられて、PC上にいる100人の仮想国民(モニター)を、戦争に導けるか止められるかで争う。 設定が非常に良くできていて、各チーム(4人)に1人敵側のスパイがいたり、保有するPP(プロパガンダ・ポイント)に傾斜がつけられていたり、PPの少ないレジスタンスは市民アカウントとして潜入できたりと、とにかくリアル。架空の島・キャンバス等も自国の問題に置き換えて考えられるのが良かった。 自チームのアカウントを使って行える『宣伝』、画面全てと動画を使って行える『扇動』、形勢を動かし得る情報素材の購入など、学生たちは様々な手を使って互いにプロパガンダを仕掛けていくが、話は最後で思わぬ方向に…。 個人的にはスパイの明かし方が非常にうまい作品だと感じた。
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日本最大手広告代理店の最終選考を舞台とした小説。 戦争を推進する政府チームと戦争に反対するレジスタンスチームにわかれ、どちらがより多くの一般市民役を説得できるか、というゲーム。 「六人の嘘つきな大学生」を思い出させる設定だが、あちらはミステリ要素が強かったのに対し、こちらは純粋にゲームの行方が気になる実況中継的な話の進め方。少し陰謀論に寄っている気もするが、最後まで読み進めると広告、メディアに対して考えるきっかけにもなる。
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あー面白かった!最近は当たりの小説が続いている。あくまで就活の最終選考という体で、戦争賛成派と反対派に分かれて広報により世論を所属するチームの主張に誘導するのだが、大衆感情の流動性の高さが恐ろしい。自分の頭で考えているようで、その実、印象で揺れ動いているだけというのがよくわかる...
あー面白かった!最近は当たりの小説が続いている。あくまで就活の最終選考という体で、戦争賛成派と反対派に分かれて広報により世論を所属するチームの主張に誘導するのだが、大衆感情の流動性の高さが恐ろしい。自分の頭で考えているようで、その実、印象で揺れ動いているだけというのがよくわかる。決断のためのストーリーや動機付けが、いかに多くの人に受け入れられるものであるか、に焦点を絞ると、物事の本質を考えなくなり論点がすり替えられることを改めて学んだ。学生たちがほとんど好感を持てるキャラだったのも良かった。
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大手広告代理店の最終選考を受けに来た10人の学生たち。 彼らに与えられた選考課題は「戦争に賛成/反対派に分かれて2時間半後に行われる国民投票に勝利すること」 ルールが複雑ながら読み始めるとだんだん理解もできるし、ライアーゲームっぽさがあって面白い。 いかに国民役の方々を味方に引き込めるかが勝負。そこでのコミュニケーションのされ方に広告のあり方を考えさせられる。 一人ひとりの立ち回り方など読み物として面白いし、テーマがテーマだけに正義や平和などについても考えさせられる小説。 ▼ルール(ざっくり) 架空の国パレット国が保有するキャンバス島が隣国のイーゼル国から攻められようとしている。 2時間半後に国民投票が行われその結果で戦争するかどうかが決められる。 学生はランダムに以下の2チームに振り分けられる ・政府チーム:戦争に賛成 ・レジスタントスターチ:戦争に反対する 政府チームは2000ポイント、レジスタンスチームは1000ポイントを保有。代わりにレジスタンスチームは国民役の方々と同じようにアカウントを保有してコメントを行うことができる。 (Zoomのコメントのように国民がガヤガヤできるチャットが存在しており、そちらにコメントを投稿できる) ポイントの活用は 1.演説時間の確保 2.情報素材(国の様子、歴史的背景や事件などの画像や動画)の購入 各チームは10秒ごとにポイントを消費しながら国民の前に顔を出して演説の時間を取れる。その時間に購入した素材の画像や動画を流すことも可能。 また、ポイントを消費せずとも国民の広場にある掲示板に200文字程度の情報を流すことは可能 国民投票は大手広告代理店が属性も均等になるように集めた100人。彼らは2時間半の論戦を眺めて意見の近いチームに投票をすることで報酬がもらえる。 各チームに一人スパイが混ざっており、動画を撮影して自チームに送りつけることができる。
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就活生による、戦争反対賛成の多数決ゲーム! 頭がいい就活生のやりとりを見てると爽快! どっちにも感情移入できるし、スパイがどう関わってくるのかとドキドキだったし、読み応えありました。 映画化しそうな内容でした。
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