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死はすぐそこの影の中 の商品レビュー

3.7

16件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2020/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

お勧め度:☆5個(満点10個)タイトルに惹かれて買ったけれど、ちょっと予想外の展開に少し暗くなる。人間の精神面、影の部分を、主人公を通して描いてあり、4章ある章を読み進むにつれて、深い闇に陥るような感覚に襲われる。内容は、ピアノ調律師の主人公が愛媛の山奥のダムに沈んだ村で起きた村長である叔父の死をきっかけに、彼女の深層心理が延々と描かれ、次から次へと真相が明らかになるというお話。ネタバレになるので言えませんが、最後には苦難をを乗り越えてハッピーエンドになったので、それは良しとしましょう。暗さを除いて。

Posted byブクログ

2018/12/07
  • ネタバレ

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これはやられた! って感じでした(^ ^; 物語の序盤は、伝奇ホラー風。 ダムに沈んだ村、キリシタンの呪い、 謎の「事故死」を遂げた伯父...などなど、 おどろおどろしいモチーフが続けて出てくる。 それが、とあるきっかけで「謎解き成分」が増える。 主人公の過去を探ろうとする同郷の三流ライター。 この辺からさらに「バイオレンス成分」まで出てくる(^ ^; さらに終盤には「え、そういうことだったの!?」 という驚きの展開になり、その後まだ二転三転(^ ^; も、何を信じたら良いのやら状態(^ ^; 読み進めつつ「え、ちょっと待って」となって、 ページを遡って読み返すこと数回(^ ^; 一冊で5度も6度も楽しめる(^ ^ エンディングも、一応はハッピーエンドながら、 この先まだ波乱を予見させるモヤモヤは残り(^ ^; 巻末の解説を読むと、気づいてなかった 「さらなる仕掛け」が隠されていたりして... 本当にどこまで掘り下げて構成してるんだ作者は(^ ^; いや〜、いろんな意味でやられましたわぁ...(^ ^;

Posted byブクログ

2018/07/14
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「愚者の毒」と同じ作者だったので。 だいぶ、作者のやり口に慣れてきたので、 今度こそだまされないぞ、と読み進めた。 幻のように消えた子供がいても、それは幽霊ではない。 呪いと言われても、信じてはいけない。 あっさり書かれている出来事には裏がある。 かなり真実に近づけたが、やっぱりだまされた。 ラスボスには気が付いたけど。

Posted byブクログ

2017/12/24

このタイトルはちょっと吸引力が弱いなぁと思ったのですが、読了後はなるほどと思いました。おなかいっぱいの盛りだくさんです。宇佐美作品は作者の言のとおり人間の暗部に切り込む小説です。主人公のことに関しては誰でも予想のつく展開なのですが、さらに思いがけなかったそして最も怖かったのはラス...

このタイトルはちょっと吸引力が弱いなぁと思ったのですが、読了後はなるほどと思いました。おなかいっぱいの盛りだくさんです。宇佐美作品は作者の言のとおり人間の暗部に切り込む小説です。主人公のことに関しては誰でも予想のつく展開なのですが、さらに思いがけなかったそして最も怖かったのはラストのおばさまの暴露でした。だれもが心に暗い影を持っている。そしてそれを引き受けつきあいつつ生きていく。死ぬまで明かさない秘密、影、毒。それを含めて私なんだと思わされました。主人公はきっと幸せになる。そう願いながら本を閉じました。

Posted byブクログ

2017/12/14

『入らずの森』を読んで、追いかけようと決めた作家さん。 不遇な子供時代を過ごしたピアノ調律師をしている主人公の麻衣子。 過去に住んでいた村での記憶と現在とが並行して話が進む。 正直オチは予想がついたのですが、それでもやはり面白かった。 隠れキリシタンが話のポイントとなってくると思...

『入らずの森』を読んで、追いかけようと決めた作家さん。 不遇な子供時代を過ごしたピアノ調律師をしている主人公の麻衣子。 過去に住んでいた村での記憶と現在とが並行して話が進む。 正直オチは予想がついたのですが、それでもやはり面白かった。 隠れキリシタンが話のポイントとなってくると思っていたのだけれど余り深くは関わっていなく、そこが少し残念。 やはり祟りや呪いよりも生きている人間が一番怖いですね。

Posted byブクログ

2017/11/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

殺害方法の思いつきや途中まで親友を全く思い出さないとか不自然な部分を感じつつ、麻衣子自身の秘密が明らかになって「おぉ~」と期待していた著者の力量に触れる。 どんどん不気味に変化していく司の存在感にゾクゾク。最後はそれを上回る黒い影の存在が作品の背景を流れる暗い水のモヤモヤから姿を現し、妙な満足感と前途多難な不安を両方抱えたまま読了。でも、麻衣子と陽一郎との間に新しく築かれた何より強固な絆がきっとこれからの救いとなるのだろう。 今後もまた人間の暗部に切り込んだこの人の作品が読みたいと思わせてくれる良作だった。

Posted byブクログ