冷たい家 の商品レビュー
2017年発刊の現代心理サスペンス。 完璧主義者の建築家エドワードの建てた住居は最新鋭の技術でコーティングされた質素で要塞のような家。 徹底した管理と監視、厳しい条件を課せられた上で入居を許された者が本作の主人公の一人ジェーン。 そしてその家でかつて死を遂げた過去の住人がもう一人...
2017年発刊の現代心理サスペンス。 完璧主義者の建築家エドワードの建てた住居は最新鋭の技術でコーティングされた質素で要塞のような家。 徹底した管理と監視、厳しい条件を課せられた上で入居を許された者が本作の主人公の一人ジェーン。 そしてその家でかつて死を遂げた過去の住人がもう一人の主人公エマ。 現在と過去を交互に描き、エマの死の真相とジェーンの行末、家に隠された秘密を追ってゆく・・・。 二人の主人公を交互に展開していくのですがそのスパンが驚く程短いです。 僅か5ページ程で主人公が入れ替わり進行していきます。 しかし不思議なことにまったく読みにくさや混乱はないです。 時系列は違えど二つの物語は謎を提示し解き明かし、読者を一つの真実に導いてくれます。 人の心を支配するような家で繰り広げられる肉薄した心理サスペンス、勿論犯人当てという所でしっかりミステリの体裁を保っています。 作者が真珠王御木本幸吉を出してきたり日本通?なのかは定かではないですが日本の文化が度々触れられています。
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ミニマリストな建築家が建てたマンションの一室に住んだことのある女性と、今住んだ女性の2つの視点と時点で描かれるミステリー。 過去に住んだことのあるエマは不審な死をとげている、今住んでいるジェーンがその謎を追っていくという話。 不満を語るとネタバレせざるを得ないのだが… ミニマルなライフスタイルを突き詰めていくと、人間性すらも狂っていくのか?というテーマで進んでいった割には、ラストが…うーん、それならミニマム関係ないよねぇって感じで詰めが甘いように思う。 物語に多大な影響を及ぼしている建築家エドワードが結局…やねんもんなぁ~。でも、必要最低限のモノをきちんと使い整理して、洗練した生活スタイルを追求していくことをとことん悪モノ扱いされなくて、底は良かったと思うけども。
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まずは、ロマサスかと思った。 雰囲気が暗いので、名付けてロマサス・ダークサイド。 ロマサスとは、ロマンティック・サスペンスの略である。 主人公は女性だ。 彼女が出会うのは、なにがしかの事件と、 美形で、趣味がよく、セクシーで、体の相性がぴったりで、生活にゆとりがありetc.とい...
まずは、ロマサスかと思った。 雰囲気が暗いので、名付けてロマサス・ダークサイド。 ロマサスとは、ロマンティック・サスペンスの略である。 主人公は女性だ。 彼女が出会うのは、なにがしかの事件と、 美形で、趣味がよく、セクシーで、体の相性がぴったりで、生活にゆとりがありetc.という男性だ。 彼女と彼は、命を狙われつつ、危険に立ち向かいつつ、行動を共にし、 事件が解決すると同時に、幸せな未来を摑むという、一ジャンルである。 あまり詳しくはないが、だいたい上記の説明であっているはずだ。 読んでみるとなかなか面白い。 表紙の印象に反して、 (というのは、ロマサスの表紙は必ず女性的で華やかであるので、) この『冷たい家』は、ロマサスに当てはまるのかと思ったのだ。 ヒロインはいるし。 美形の、趣味の際立った男性は出てくるし。 なんとも女性向きかなと。 最初のうちは。 半ば頃から様相が変わる。 それまで、ゆっくりめに読んでいた私だが、驚いて、いったん休憩をいれた。 お茶をいれて、気を改める必要を感じたのだ。 そして、続きを読みにかかった。 一筋縄ではいかなかった。 思考を振り回されて、ドキドキハラハラ、 刺激の強いものを求める人には不向きかと思う。 日常から非日常へ静かに移行して、 いつの間にか息が浅くなっていたことに気づく、 そんな物語である。 ところで、これは言わずにはいられない。 私は、刺身には、酒だと思うのだ。 玉露は甘味のほうがいい。 食前酒のかわりにというならわかるが、 それほどまでにこだわって玉露がほしいというのなら、 ふさわしい茶器も持ってくるべきだ。 やれやれ。まったくもって抜けている。
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いっぷう変わった住宅を舞台にしたサスペンス。 断捨離という単語はすっかり定着した感があるが、行き過ぎるとちょっとヤバイかも……? まぁ、そういうこととは無縁の人間だから心配はないな(違)。
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フォルゲートストリート一番地。完璧主義者の建築家エドワードが設計した最新鋭の設備が整う無機質な家で繰り広げられるサスペンス。 賃貸契約を結んだ過去と現在の2人の女性の視点を通して描かれる家と設計者エドワードの危うさに緊張感が尽きない。 結末の意外性はさほどではないが、結末にしてなお拭われないエドワードの気質に、作品全体を通しての完璧主義への皮肉めいたものを感じる。
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場面の切り替えが映像的で、映画かテレビドラマを見ているような感じで読んだ。実際に映画化も決まっているらしい。どんどん読ませるストーリーで、決して面白くないわけじゃないけど、特に新味はないような…。
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ミニマリストで完璧主義の建築家が設計した差新テクノロジーに管理された家で起こる相次ぐ不審な死。過去に住んでいたエマと、現在住んでいるジェーン。エドワードと交際した2人にはいくつかの共通点があった。過去と現在が行き来する展開と、その合間に挟まれる、この家に住む資格をテストする不吉な...
ミニマリストで完璧主義の建築家が設計した差新テクノロジーに管理された家で起こる相次ぐ不審な死。過去に住んでいたエマと、現在住んでいるジェーン。エドワードと交際した2人にはいくつかの共通点があった。過去と現在が行き来する展開と、その合間に挟まれる、この家に住む資格をテストする不吉なアンケート項目。読ませる仕掛けてんこもりで、しかもハリウッド映画化前提で書かれたかのようなスリリングな展開。すこし冗長なところもあったけれど、ロン・ハワードによる映画化も楽しみ。
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面白かった。一気に通勤電車の中で2日ほどで読んだ。 最後少し惜しい、もう少しじっくり読ませて欲しかった。 映画化とのオビ、おそらく映像よりは、本で読んだ方が怖い。
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