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「偶然」の統計学 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2024/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私の統計学に対する印象、特にランダム性に関する感覚を永久に変えてしまった一冊。 これまでずっと「統計学はわからない」と思い続けてきたが、それは統計的感覚の無さ(統計の直感的でなさ)が原因だったと気づかされた。 とはいえ、気づいただけであって、正しい感覚を身につけることは人間には不可能だと思われるので、「偶然性に関する感覚が偏っている」ことを常に念頭に置きながら、気をつけて論理で押すしかない。 感覚としてはスッキリはしないが、理解が出来た。

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2023/03/24

「cargo cult画像検索」を見ると、その壮大さが理解できる。やはり宗教は大掛かりな「祭り」を必要とするのだろう。 https://sessendo.hatenablog.jp/entry/2023/03/24/204525

Posted byブクログ

2021/12/30

起こり得ないことが起こることはよく言われているが、それは実態とは異なるという話。 一つ一つの可能性が低くても、全人類が一生涯かけて出会う事柄はまさに無数であり、その中には確率の極めて低い出来事もごまんと出現できるようになる。また低い確率だとそもそも思われていること、例えば正規分布...

起こり得ないことが起こることはよく言われているが、それは実態とは異なるという話。 一つ一つの可能性が低くても、全人類が一生涯かけて出会う事柄はまさに無数であり、その中には確率の極めて低い出来事もごまんと出現できるようになる。また低い確率だとそもそも思われていること、例えば正規分布のはじの方の事象は実は正規分布ではなかったりする。この場合は勝手な思い込みからのサプライズが発生。似たような出来事は同じものだと考えられ、人の認知ではまたこんなことが起こったとカウントされるのもあり得ないことがよく起こることにつながる。

Posted byブクログ

2021/01/26

世の中には到底あり得ないとしか思えないようなことが起こることがある。本書では2回連続で宝くじの1等を当てるとか、複数回雷に打たれるといった例が(実際にあったこととして)挙げられている。自分が見聞きした中では電車で偶然隣り合った人たちと完全に服装が一致したとか、引っ越しする先々で交...

世の中には到底あり得ないとしか思えないようなことが起こることがある。本書では2回連続で宝くじの1等を当てるとか、複数回雷に打たれるといった例が(実際にあったこととして)挙げられている。自分が見聞きした中では電車で偶然隣り合った人たちと完全に服装が一致したとか、引っ越しする先々で交通事故に見舞われたといったことなどが挙げられる。これらの一見ありえなさそうなことが起きると、そこに意味を見出したくなる。だが、果たしてこれらは本当にめったに起きないことなのだろうか? 実際のところこのような現象はけっこうな頻度で起きており、服装に限らず何かが一致している系の話はちょっと調べればいくらでも例が出てくる。本書ではこのような現象を複数の法則の協同効果によって説明する。こういうとものすごく高度な話のように思えるが、実際に読んでみるとそういわれるとそうですね、という感じになる。具体的には、起こりうるすべての出来事をリストアップすれば、その「どれかひとつが必ず」起きるとか、試行回数を「超」巨大な数にすれば、どんなに確率が低い事象でも起きることがありえるようになるといった非常にシンプルなものの組み合わせである。 この本を読むと、先程の例のような出来事を過剰に持ち上げるようなことはなくなるし、奇跡を売りにした話を鵜呑みにせず冷静に考えられるようになる。先日のことだが、呼んでいた本の翻訳者について調べたらちょうど前日にその人が某作家協会に入会したということがあった。いつもなら珍しいことがあるものだと思うところだったが、この本を読んでいたので「近いは同じの法則」の実例だな、と納得したのだった。

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2020/06/18

宝くじに2回連続で1等が当たりました! 宝くじの当選番号が前回と全く同じでした! タコがサッカーの勝敗を事前に予知して、それが12戦連続で当たりました! なんて話は一度は聞いたことあるのではないだろうか。 宝くじに2回連続当たる確率や当選番号が同じである確率はかなり小さいことは...

宝くじに2回連続で1等が当たりました! 宝くじの当選番号が前回と全く同じでした! タコがサッカーの勝敗を事前に予知して、それが12戦連続で当たりました! なんて話は一度は聞いたことあるのではないだろうか。 宝くじに2回連続当たる確率や当選番号が同じである確率はかなり小さいことは直感的にわかるけれど、それはそんなに「あり得ない」ことだろうか? 身の回りにある偶然を少し整理して、その背後にある数学を解き明かすのが本書のテーマである。 例えば宝くじで2回連続で高額当選する確率。 これは、2回連続で高額当選する確率が「あなた」である確率はものすごく小さい。それこそ宇宙が誕生して毎日宝くじを買ったとしても起こる確率は小さい。 が、「あなた」ではなく「誰か」が2回連続で当選する確率は、実はそれほど珍しいことではない。 このように、確率は直感とかなりずれるということを認識していくことが重要である。 もう一つ有名な例を挙げると、条件付き確率もそうである。 コロナウイルスの検査で、とある検査方法は99%の確率でコロナウイルスを「陽性」と判断できる。 では問題。あなたがこの検査方法で「陽性」と判断された。この場合に本当にあなたがコロナウイルスに感染している確率はどの程度だろうか? コロナウイルスの感染している確率が例えば100人に1人とすると、実は陽性と判断されたとしてもほぼ感染していない。 これを条件付き確率やベイズ推定と呼ぶが、直感とかなりかけ離れているのではないだろうか。 また、確率でよく間違うのがどんなに確率が小さくとも試行回数が十分に大きければそれは「起こりうる」ということである。 例えば、1000人(正確には1024人必要)をどこかに集めてコインの表と裏を当てさせる。 最初のコイントスで500人を表、残りを裏と予想させる。 で、出た目が裏なら表と予想させた人間を退場させる。以下、これを10回繰り返すと、なんと10回連続コイントスの表と裏を当てた人間が絶対に出る。 これが「あなた」である確率は先述したとおり1/1024であるが、誰か一人なら確率は1(絶対に存在する)。 というように、十分に人間がいれば起こり得なさそうな確率も発生してしまうのだ。 最後にもう一つ。 最近、大雨が降ると10年に1度の大雨とか言うフレーズをよく耳にするのではないだろうか? 確かに温暖化の影響もその原因の一つである可能性はあるが、統計学的にはもう一つの可能性がある。 つまり、使用しているモデルが違っている可能性である。 統計学者は数学的に扱いやすいという性質から「正規分布」を好んでモデル化したがる。この正規分布はたしかに扱いやすいのであるが、一方で極端な値を出すのが苦手である。 (厳密には大雨のモデルでは正規分布は使っていないが) 本書を読むと、偶然の事象について本当か?という思考を働かせることができる。

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2019/02/03

宗教に対するものとして科学を据えるのには、いつも疑問を感じる。 物理法則や数式に疑いを持たずとも神を信じている人は多くいるし、 現代においても事象のすべてを論理的に説明可能なほど科学は万能ではない。 ただ、稀な出来事に遭遇したとき。それが神の思し召しと考えるか、偶然の出来事である...

宗教に対するものとして科学を据えるのには、いつも疑問を感じる。 物理法則や数式に疑いを持たずとも神を信じている人は多くいるし、 現代においても事象のすべてを論理的に説明可能なほど科学は万能ではない。 ただ、稀な出来事に遭遇したとき。それが神の思し召しと考えるか、偶然の出来事であると考えるか。 そこに統計的解析を加えたら、人の宗教観に変化は生じるだろうか。 1兆分の1の確率だろうが、全人類じゃんけんトーナメントで優勝者は1度も負けない不可避の法則。 販売数を考えれば宝くじに何度も一等当選する人だって現れうる超大数の法則。 当たった占いだけが強く印象に残る選択の法則。 生涯で雷に打たれる確率は職業で大きく平均から乖離する確率てこの法則。 性格診断を当たっていると思ってしまう近いは同じの法則。 そして、出来事に物語を求めてしまう人間の思考。 どの法則も、説明されれば誰しも納得できるぐらいわかりやすく、良い例にあふれているのだが、 いざ稀な出来事に遭遇すると、何か未知の要因が働いた結果なのではと錯覚してしまうのが人間というものだ。 これだけ進展した現代においてもまだ、占いも怪談もお守りも宝くじも過去のものとはなってない。 避けがたい不幸に見舞われたとき、それを何かのせいにすることで慰められる人の心理は責められるものではない。 だが、そこに人がつけ入るスキを見い出し、悪用する輩は後を絶たない。 神と偶然は使い用。本書で偶然とは何であるのかを学ぶことは、生きているという稀な偶然を得た全人類にとっての必修科目と言えるのかもしれない。

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2017/12/26

ハヤカワの<数理を楽しむ>シリーズの2017年最新刊。これまでの『運は数字にまかせなさい』などと重複する内容もあるが、この本は「偶然とは何か?」について、数学は当然として心理学や様々な角度から説明を試みたなかなかの内容でした。 特に確率とは何か、についてではシンクロニシティを全面...

ハヤカワの<数理を楽しむ>シリーズの2017年最新刊。これまでの『運は数字にまかせなさい』などと重複する内容もあるが、この本は「偶然とは何か?」について、数学は当然として心理学や様々な角度から説明を試みたなかなかの内容でした。 特に確率とは何か、についてではシンクロニシティを全面否定。共時性を数学で説明を試みていてとても面白い(共感したとは言ってない)。

Posted byブクログ