世界史のなかの天正遣欧使節 の商品レビュー
派遣計画自体の背景・人選・行程は勿論のこと、日欧双方に残された知的遺産にも詳しい内容。前史として語られる双方の対外認識の変遷や、それに関わる「インド」概念の拡張といった現象の解説も興味深い。
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古代以降の日本における西欧認識、西欧における日本認識の変化を検証した上で、それぞれ「天竺」「インド」を限界としていた世界認識のパラダイムに大変換をもたらした事件として「天正遣欧使節」を再解釈している。同使節以前にも西欧へ行った日本人はいたが、帰国に成功し、なおかつ記録を残した最...
古代以降の日本における西欧認識、西欧における日本認識の変化を検証した上で、それぞれ「天竺」「インド」を限界としていた世界認識のパラダイムに大変換をもたらした事件として「天正遣欧使節」を再解釈している。同使節以前にも西欧へ行った日本人はいたが、帰国に成功し、なおかつ記録を残した最初の例という意義を強調している。慎重な史料批判で先行研究を更新している点が少なくないので、松田毅一はじめ定評ある過去の類書の焼き直しではない。
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