J・G・バラード短編全集(4) の商品レビュー
抽象画的な雰囲気から精神病理学的なツッコミにより鋭い切れ味はさらに凄みを増してるのではないでしょうか。自分の想像力を解き放し突き詰めることと精神の病の紙一重の感じを描きます。芸術ってそういうことなんですよね。痺れます。「死亡した宇宙飛行士」とか「ある神経衰弱にむけた覚え書」なんか...
抽象画的な雰囲気から精神病理学的なツッコミにより鋭い切れ味はさらに凄みを増してるのではないでしょうか。自分の想像力を解き放し突き詰めることと精神の病の紙一重の感じを描きます。芸術ってそういうことなんですよね。痺れます。「死亡した宇宙飛行士」とか「ある神経衰弱にむけた覚え書」なんか空恐ろしいほどです。バラードってやっぱり危ない世界を描いてたんですね。 「索引」という77年の作品ではある人物の自伝の索引部分のみ残されたという設定で、本当に索引のみで構成されたもので軽い注釈と出現頻度を表すページ番号が記載されてます。本当かどうかもわからない関連する断片的情報とその出現頻度でどのような人物だったかを読者は想像していくことになるのですが、よく考えるとこれは現代のSNSそのものではないですか。こんなことが個人ごとに世の中に溢れかえっている「今」って面白くも恐ろしい。一気に読むと危険。用量用法を守って読みましょう。 そう言う意味では自分的には物事をもっと突き詰めてもいい余裕はあるな。自分まだまだゆるいね。恥
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SF。短編集。 巻を重ねるごとに全体的にSFぽさがなくなってきたイメージ。 〈ヴァーミリオン・サンズ〉もの3編がやはり素晴らしい。 特に、情景が美しい「コーラルDの雲の彫刻師」と、感情に反応して形を変える服というアイディアが良い「風にさよならをいおう」が好き。 他では、ホラーチッ...
SF。短編集。 巻を重ねるごとに全体的にSFぽさがなくなってきたイメージ。 〈ヴァーミリオン・サンズ〉もの3編がやはり素晴らしい。 特に、情景が美しい「コーラルDの雲の彫刻師」と、感情に反応して形を変える服というアイディアが良い「風にさよならをいおう」が好き。 他では、ホラーチックな「認識」「微笑」「集中ケアユニット」が好み。
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第4巻。これで最終巻である5巻を残すのみ。 終盤ともなると徹頭徹尾『バラードの短編』で、特に表題作や中盤の『航空機事故』、後半の『最終都市』『死者の刻』は『如何にも』という印象。 また、『ある神経衰弱にむけた覚え書』『索引』はちょっとスタニスワフ・レムっぽさもあるユニークな短編だ...
第4巻。これで最終巻である5巻を残すのみ。 終盤ともなると徹頭徹尾『バラードの短編』で、特に表題作や中盤の『航空機事故』、後半の『最終都市』『死者の刻』は『如何にも』という印象。 また、『ある神経衰弱にむけた覚え書』『索引』はちょっとスタニスワフ・レムっぽさもあるユニークな短編だった。
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