悪い夏 の商品レビュー
生活保護を不正受給する人々。そして、その人達は不正受給を斡旋するかのようなヤクザと関係を持つ。市役所職員も、立場を傘にきて、不正受給者を脅迫したり、肉体関係を迫ったり… その一方で、真っ当に生きる人たちが受給できず死ぬことに… 全てが絡み合っった結末はしっちゃかめっちゃかで、なん...
生活保護を不正受給する人々。そして、その人達は不正受給を斡旋するかのようなヤクザと関係を持つ。市役所職員も、立場を傘にきて、不正受給者を脅迫したり、肉体関係を迫ったり… その一方で、真っ当に生きる人たちが受給できず死ぬことに… 全てが絡み合っった結末はしっちゃかめっちゃかで、なんだかなぁ…だったけど、生活保護を巡る事は事実が往々にしてありそうだ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
26歳の社会福祉事務所でケースワーカーをしている佐々木守。新たな申請,独居老人の見回り、そして不正受給者の自給停止の説得。 仕事のストレスか体調も良くない。 そんな時バリバリ働く同僚の宮田有子に相談を持ちかけられる。 高野も同じケースワーカー。16で子どもを産んで仕事もまともに子育てもしていない林野愛美の担当だが、彼女が友だちの莉華に誘われて短期で水商売をした事を知り、それは不正受給になるから言うことを聞かなかったら受給を止めるぞと脅す。体の関係をせまり、お金も巻き上げていた。 莉華がそれを知り、彼氏にどうにかしてやってと頼む。彼氏は店の店長で金井というヤクザだ。 金井はこれをエサに高野を脅して金になると考えたが、びびらせただけで計画が進む前に、佐々木と宮田がこの事実を知ってしまった。それで計画はおじゃん。 高野をボコボコにする。 今度は佐々木を誘惑して、やってる動画を撮れ!と言われた愛美は、頑張って色仕掛けをするが、なかなかセックスまで行けない。佐々木は童貞で、EDだった。 そのうち愛美の娘の美空も佐々木になつき、何となく幸せな生活を送っていたが、金井はしびれを切らす。金井は佐々木が担当の受給者で、いいように金井に使われてる一人の山田が捌いているMDMAを、バイアグラと称して佐々木に飲ませろと愛美を脅す。 しばしの幸せな生活だったのに、愛美はもうそれが叶わないと思い、佐々木に飲ませ、性行為と、佐々木に「ちょっと預かってて」といってお金を渡す動画を撮る。 ある日、それらを金井から脅され、佐々木は愛美の愛も嘘だった事がショックで、壊れてしまう。 もうなにもかもどうでもよくなった佐々木は、金井の言うがまま浮浪者の生保申請を受け入れる手続きをする。 愛美の家に愛美と佐々木と美空と、佐々木の監視のために山田も暮らすが、もう誰も話をしない。 そして、佐々木はMDMAだけでなく、言われるままに覚醒剤に手を出しシャブ中になってしまう。 そんな中で仕事をしていたが、どんどん浮き沈みが激しくなり、奇行が増え、職場でも休ませる方がいいかも?と話になる。 ある時、生保申請にきた母息子の話もまともに聞かず自分のことでイライラして,追い出してしまったがその親子は翌日自殺した。 佐々木はもうどうでもよくなって、死のうとするがこうなったのは愛美のせいだからと、愛美を殺そうとする。山田に止められるが、愛美ももうそれでいいやーと言う気になる。 そこに、離婚して金井のセクキャバで働いていた高野が包丁持って乱入。 宮田有子は佐々木を訪ねてきたら、高野がいてこれまたすごい秘密が暴露される。 様子見できた莉華が刺される。 山田から連絡がきた金井がとんできて闇医者に担ぎ込む。佐々木は拘束され瀕死で、愛美はとにかく美空だけは守りたくて、山田は自分だけがもうまともで・・金井はなんとか後始末して,この街から出て東京に戻りたいと考えてて・・・ でも,結局・・・ いやぁもうほんとに、しんどいわー。なんなんこれ?ほんとに最後は,あの最低な山田だけがまともなの?!って感じでみんなおかしくなっちゃってる。 仕事柄ケースワーカーさんを何人か知ってて,ほんとにみなさん親身になってお話を聞いて、不正受給者に対しても優しいぐらいに諭してらっしゃるし、理不尽にキレられたり恫喝されたり。 本当にお疲れ様ですって思ってるので、この手の話はしんどいわ。 最後まで佐々木くんが、なんとか立ち直って幸せになってほしいと願いました。 でも、面白かった!
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悪いこと考える人はちゃんと報いを受けて良かった。だけど、どうにもならない現状をなんとかしようとしてた人がそこに巻き込まれたのがツラい。まっすぐ生きていたハズなのに、エピローグで語られる彼の今はキツすぎた。最後の何ページかの怒濤の展開は、あまりにわちゃわちゃしていて、修羅場なのに読...
悪いこと考える人はちゃんと報いを受けて良かった。だけど、どうにもならない現状をなんとかしようとしてた人がそこに巻き込まれたのがツラい。まっすぐ生きていたハズなのに、エピローグで語られる彼の今はキツすぎた。最後の何ページかの怒濤の展開は、あまりにわちゃわちゃしていて、修羅場なのに読んでてちょっと笑えた。
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あっけなく人が堕ちていく 自分がこの状況だったらと思うと、不安焦燥悲壮後悔など、色んな葛藤があるような気がするけど、投げやりでもなくすべてを諦めてどうでもよくなるとはこんな感じなのだろうか、その姿に不思議と悲壮感は無い
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ちょくちょくブクログで見かけてて気になったので借りました。 序盤はかなり面白くてどうなるか気になりながらも読み進めていきましたが、最後はえぇえぇ〜?!?みたいな終わり方でした( ̄▽ ̄;) 途中まですごく良かったのにーーっ!佐々木くんの人生を返せ〜!!
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生活保護のケースワーカーVS不正受給者とヤクザ。 真面目な佐々木が関わってしまってはいけない人に恋をしてあれよあれよと落とされてゆく。怖っ。 何故か全員集合でどんちゃん騒ぎのラスト。エピローグの皮肉な結末。
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未来のない物語。 社会福祉事務所のケースワーカーと生活保護受給者(ケース)トラブル。 登場人物全てダメな人間か、ダメになっていく人間で。 主人公のケースワーカー、佐々木守の落ちぶれ度合がいちばん酷い。 「『生活保護を貰ってる奴らは、楽して金を得てずるい』でなく『一生懸命働いてるのに生活保護世帯より安い賃金しか貰えない社会はおかしい』と考えるべきなんだ。」 というセリフが刺さる。 本当にそう思う時がある。 不正受給する人、本当に心中するほど追い詰められているのに受給できない人、ケースワーカーの仕事の過酷さ。 適正なところに適正に支給してほしい。 そしてお仕事に復帰できたら、次は助ける側に廻り相互扶助ができたなら。 先が気になり、一気読み。
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役所の中で、福祉行政が大変だということは分かるが、あまりにも職員の描き方がひどすぎる。 人って言うのは転落するときは本当にあっという間なんだなとつくづく恐ろしいと思った。主人公が可哀想すぎて後味の悪い作品だった
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市役所のケースワーカーと生活保護受給者達、その裏にいるヤクザの物語。自分が知らないだけで、リアルでもこのような話は起こっているのかもしれない。佐々木と愛美達の束の間の日々が穏やかであっただけに後味は少し悪く感じたが、終盤の疾走感も含めて楽しく読めた。
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