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Ex-formation の商品レビュー

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2024/03/04

知っている、ということの、広がりのなさ。そうではなく、知らないことに気づく。知る、知らせる、その二つをつなぐコミュニケーションのプロセスは無数であり、可能性は深遠で、広がる世界は豊かだ。information に対して、ex-formationという、とてもユニークな視点の、ゼミ...

知っている、ということの、広がりのなさ。そうではなく、知らないことに気づく。知る、知らせる、その二つをつなぐコミュニケーションのプロセスは無数であり、可能性は深遠で、広がる世界は豊かだ。information に対して、ex-formationという、とてもユニークな視点の、ゼミの作品たち。どの作品も素晴らしく、そこにある豊かさは途轍もないもので、かつ視覚的にも美しい。本書の中で筆者は、世界を本当に変えるのはテクノロジーではなく、それを受け取る私たちのイマジネーションだ、というようなことを述べていて、本当にそうだと、この作品たちを見ていて感じるし、なにか希望のようなものさえ感じた。 本当に素晴らしい作品ばかりなので、ケチをつける意図は全くないが、制作のテーマと、どうリンクするのだろう?と少し考える作品も多い。それ自体がコミュニケーションだと思うが、一方でデザインとしての課題であるならば、それを辿って導かれる終点がある程度一致しなければならないのでは、とも思う。その意味で、デザインってなんだろうとますますわからなくなるし、デザインとアートの境界線はもはやないのではと思ったりもする。現代において、両者を明確に区別する意味はあまりなくなってきているとは感じているが、情報に齟齬が生じてしまっては、それはデザインではなくアートなのではとも思うし、本書の試みに関して少し混乱してしまったというのも正直なところ。とはいえ本書が素晴らしい本であり、素晴らしいテーマのゼミ課題であることには違いない。

Posted byブクログ