チリ夜想曲 の商品レビュー
死の淵にある神父がこれまでの人生を回想をする物語。 詩を思わせる言葉の連なり、記憶の断片が次々と現れては絡みあう。最後は、チリの動乱を描きながら文学論にも及ぶ。 初めて読むボラーニョ作品。 消化できたのかは分からないが、チリの歴史や政治の細切れの知識をつなぎ合わせただけでも、何と...
死の淵にある神父がこれまでの人生を回想をする物語。 詩を思わせる言葉の連なり、記憶の断片が次々と現れては絡みあう。最後は、チリの動乱を描きながら文学論にも及ぶ。 初めて読むボラーニョ作品。 消化できたのかは分からないが、チリの歴史や政治の細切れの知識をつなぎ合わせただけでも、何とも壮大で饒舌な作品と思う。
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初めてのボラーニョ。虫眼鏡で覗き込むように些細な物事は不意に拡大され、かと思えば通り過ぎるものは通り過ぎたまま進んでいく。 曲がりくねりながら進んでいくストーリーの、道端に出てくるふとした描写に、きらりと感じ入るものが多々あった。 不思議な立体感のある作品。 チリの歴史を勉強して...
初めてのボラーニョ。虫眼鏡で覗き込むように些細な物事は不意に拡大され、かと思えば通り過ぎるものは通り過ぎたまま進んでいく。 曲がりくねりながら進んでいくストーリーの、道端に出てくるふとした描写に、きらりと感じ入るものが多々あった。 不思議な立体感のある作品。 チリの歴史を勉強してもう一度読みたい。
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チリの小説家、ボラーニョは最高傑作と言われてる「2666」が分厚すぎて買うとき毎回ためらうので未読なんですが、ボラーニョ・コレクション(いったい誰が揃えているのか友達になりたい)のトリを飾るのが本作です。チリの著名人物と文学作品の洪水の中、ボラーニョ自身が思いをはせる祖国への思い...
チリの小説家、ボラーニョは最高傑作と言われてる「2666」が分厚すぎて買うとき毎回ためらうので未読なんですが、ボラーニョ・コレクション(いったい誰が揃えているのか友達になりたい)のトリを飾るのが本作です。チリの著名人物と文学作品の洪水の中、ボラーニョ自身が思いをはせる祖国への思いが主人公に投影されています。チリ史を知っていれば10倍くらい面白くなるずですが、10分の1でもここまで見せてくれます。読者の知識レベル度外視で細かいディテールを容赦なく付いてくるこの感じは嫌いじゃないです。今年最大の問題昨映画「アンダー・ザ・シルバーレイク」に通じるものがここにはあります。
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社会、政治の動きに対する沈黙、そしてそれに対する告発。 振り返って我が祖国日本はどうなのだろう。 文学に限らず、映画、音楽、アニメetcはどうなのだろう。不器用でも語り下手でも少しずつ語り出している作品もあれば、まるで沈黙しているかのような作品もある。 1973年と違うのはネット...
社会、政治の動きに対する沈黙、そしてそれに対する告発。 振り返って我が祖国日本はどうなのだろう。 文学に限らず、映画、音楽、アニメetcはどうなのだろう。不器用でも語り下手でも少しずつ語り出している作品もあれば、まるで沈黙しているかのような作品もある。 1973年と違うのはネットの存在により一般の人々も情報や意見、思想を発信できる点だろうか。
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