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ペストの記憶 の商品レビュー

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2024/02/07

 架空の語り手H・Fが記録した、ペストに襲われた1665年のロンドンの様子。著者自身の直接の経験ではなく事実との相違もあるようだが、その内容は2019〜2022年の新型コロナウィルス感染症のパンデミック時の日本及び世界と酷似。  感染確認初期の市民の楽観的な態度、被害が拡大し始め...

 架空の語り手H・Fが記録した、ペストに襲われた1665年のロンドンの様子。著者自身の直接の経験ではなく事実との相違もあるようだが、その内容は2019〜2022年の新型コロナウィルス感染症のパンデミック時の日本及び世界と酷似。  感染確認初期の市民の楽観的な態度、被害が拡大し始めた頃に登場する自称“専門家”ども、真偽不明で未検証の感染や予防/治療法の情報の流布、都市住民の地方避難と地方住民による拒絶遮断、行政府による市民の保護と抑圧、一部感染者の無分別な行動による感染拡大、災厄下の人々の自省と互助、感染が小康状態になった際の緊張緩和による行動が齎す感染再拡大……。厖大な記録はいずれも実際に見られた現象ばかり。ペスト被害が忘却されることに対する危惧は著者が本書を著したきっかけの一つであるそうだが、コロナ禍を経験した私たちもあの災厄を単なる過去にしてはならないだろう。

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2022/08/19

1665年にロンドンを襲ったペストについて、ルポルタージュ半分、フィクション半分に記したもの。ニセ医者や呪術者の混乱に乗じた商売、貧困層を直撃する経済危機、死の恐怖のなかでくり返し訪れる絶望とユーフォリアなど、17世紀ロンドン市民とイングランド人の心理と社会状況が読む者に迫る。

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2021/10/15

【琉球大学附属図書館OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB2447825X

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2021/03/09

1665年にロンドンを襲ったペストの被害について、H.F.という架空の人物の視点による記録。 H.F.はペストから逃れるため疎開する者も多い中、ロンドンにとどまり、混乱する市民の様子を語る。 時代は違えど、今のコロナ禍と通ずるものが多かった。 感染を恐れて田舎に逃げ出す者、周囲...

1665年にロンドンを襲ったペストの被害について、H.F.という架空の人物の視点による記録。 H.F.はペストから逃れるため疎開する者も多い中、ロンドンにとどまり、混乱する市民の様子を語る。 時代は違えど、今のコロナ禍と通ずるものが多かった。 感染を恐れて田舎に逃げ出す者、周囲の目を気にして疑わしい症状を隠す者、根拠のないインチキ薬を売る者、感染を自覚しながらわざと周囲の人にうつそうとする者、絶望のあまり自ら死を選んでしまう者… いつの時代も得体の知れない疫病を恐れる人々の心の動きは変わらないものなんだな… このコロナ禍も収束がいつになるかはわからないけれど、『それでも私は生きている!』と言えるように自分も家族もまだしばらくはがんばらないと!

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2020/09/24

https://r.nikkei.com/article/DGXKZO60332710S0A610C2MM8000?s=5

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2020/04/26

デフォーの伯父をモデルとした架空の書き手が1665年のペスト流行時のロンドンの状況を語る。 読む前は資料的な作品かと思っていたので、退屈な本だろうなと覚悟をして読み出しましたが、その臨場感あふれる語り口につられて一気に読み終わりました。 約350年前の話ですが、ニュースを見ている...

デフォーの伯父をモデルとした架空の書き手が1665年のペスト流行時のロンドンの状況を語る。 読む前は資料的な作品かと思っていたので、退屈な本だろうなと覚悟をして読み出しましたが、その臨場感あふれる語り口につられて一気に読み終わりました。 約350年前の話ですが、ニュースを見ているような臨場感。病に対する恐れと行動は現代とかわりませんが、いまと違うのは、人間にどうにもならない時に宗教に頼ることができた点でしょう。 あと、現代と変わらないといえば、1ページ目にあった「そのころは新聞みたいにさまざまな事件やうわさを広めるための印刷物がなかった。つまり、後の時代に見られるように、誰かが事実を好きなように書き換えることもなかったわけだ。」という、当時最新のメディアであった新聞への批判と取れるような記述が、現代のネットニュースに対する批判と重なって興味深かったです。

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2020/03/25

まさか『ロビンソン・クルーソー』の作者だったとは。 訳は平易でわかりやすく、内容のわりにページは進む。訳者解説にもある、頻出する「後で記すことだが~」にはちょいと辟易したけれど。 疫病という大過に対して、人々はどう対処し、どう行動すべきだったのか。読む限り、そうそう変わるもんじゃ...

まさか『ロビンソン・クルーソー』の作者だったとは。 訳は平易でわかりやすく、内容のわりにページは進む。訳者解説にもある、頻出する「後で記すことだが~」にはちょいと辟易したけれど。 疫病という大過に対して、人々はどう対処し、どう行動すべきだったのか。読む限り、そうそう変わるもんじゃないやねぇ…とため息が漏れてしまう。

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2018/10/07

5/2~10/7 長かった。 とはいえ途中数ヶ月中断してしまった。 1665年にロンドンを襲ったペストだが、 その影響というか、渦中の人間の行動というのは21世紀の現代も変わらないもんですね。 大震災という展示のあとの放射線騒動、出ていく人、帰る人。 昔の話とは思えなかった。...

5/2~10/7 長かった。 とはいえ途中数ヶ月中断してしまった。 1665年にロンドンを襲ったペストだが、 その影響というか、渦中の人間の行動というのは21世紀の現代も変わらないもんですね。 大震災という展示のあとの放射線騒動、出ていく人、帰る人。 昔の話とは思えなかった。 訳者解説にペストツアーのぺーじがあり、かなり興味深かった。 NHKラジオすっぴんで紹介された本、やっと!読了。

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