筒井康隆入門 の商品レビュー
この本危険物だ。処女作から余すことなく紹介されてる筒井康隆諸作品を片っ端から読みたく(買いたく)なる。筒井康隆の魅力をあらゆる角度から丁寧に解説し、紹介されてる端から読み始めたくなる素晴らしい文章。書かれた当時の社会や事件などの背景も盛り込んでいるので理解しやすくなる。筒井康隆の...
この本危険物だ。処女作から余すことなく紹介されてる筒井康隆諸作品を片っ端から読みたく(買いたく)なる。筒井康隆の魅力をあらゆる角度から丁寧に解説し、紹介されてる端から読み始めたくなる素晴らしい文章。書かれた当時の社会や事件などの背景も盛り込んでいるので理解しやすくなる。筒井康隆の実験的で前衛的な試行錯誤の道程を体系的にまとめているところも良い。時代に合わせて順番に読みたくなる。線引いて付箋貼って作品を読むたびにこの本も読み返したくなる。買ってよかった。
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SFを中心にさまざまな文学的テーマに手を染めてきた筒井康隆のこれまでの仕事について解説している本です。著者は、『あなたは今、この文章を読んでいる。―パラフィクションの誕生』(2014年、慶応義塾大学出版会)で「パラフィクション」という概念を提唱しており、それが筒井の作品に反映され...
SFを中心にさまざまな文学的テーマに手を染めてきた筒井康隆のこれまでの仕事について解説している本です。著者は、『あなたは今、この文章を読んでいる。―パラフィクションの誕生』(2014年、慶応義塾大学出版会)で「パラフィクション」という概念を提唱しており、それが筒井の作品に反映されることになったという経緯もあって、筒井のパロディやメタフィクションなどの手法が文学の領域においてどのような意義をもつ試みだったのかということが、ある程度立ち入って考察されています。 本書の冒頭で著者は、「筒井康隆は二人いる」というテーゼを提出し、「筒井康隆は、天才にして秀才である」「筒井康隆は、実験小説家、前衛作家にして小説の職人、テクニシャンである」といった二項対立の両極をもちあわせた作家としてとらえています。それとともに、「筒井康隆は、作者にして読者である」というテーゼにもとづいて、彼のメタフィクションにおける業績を理解しようと試みています。 日本の現代思想界隈では、80年代以降に「メタ」と「ベタ」が直結するという問題についての考察が進められており、そのなかで筒井のメタフィクションがもちえてきたような批評性が保てなくなってきているのではないかと考えます。著者は「メタフィクション」から「パラフィクション」への移行を語ることで、いわば「外部へ」という志向を打ち出しているのですが、こうした試みは柄谷行人が『内省と遡行』から『探究Ⅰ・Ⅱ』でたどった軌跡をもう一度くり返すことにしかならないように思われます。 かつて吉本隆明は、『マス・イメージ論』から『ハイ・イメージ論』の執筆を通じて、消費社会に入っていくことでみずからの「思想」そのものが摩耗していく過程を自覚的に演じてみせました。筒井のライトノベル作品である『ビアンカ・オーバースタディ』は、吉本とおなじようなしかたで、みずからのメタフィクションの批評性が摩耗してしまうような現代の文学を取り巻く状況を自覚的にえがいてみせたと理解することが可能だとするならば、著者の示している筒井作品の解釈に近づくことができるのかもしれませんが、わたくし自身はそうした自覚が筒井にあったのかという点については、やや疑問に感じています。
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愛が濃すぎてところどころむせるほどだが、資料性と、決して万遍ではない評価が嬉しい。いい機会だと蔵書の筒井モノを年代順に整理。断筆後の作品は積んであるものが多い。
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とても丁寧な解説書です。全集をもう一度ゆっくり読み返したくなりました。筒井康隆と言う人の凄さを改めて感じました。30年以上前の自分の卒論と似たところがあるのも嬉しかったです。
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最後の方はよくわかんなかった・・・哲学というか、これが文学かーって感じ。「虚人たち」からが問題だなぁ
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確かにタイトル通りの入門書と言えるだろう。同時に筒井康隆の解説本としても優れているんじゃないかな。 話題になった作品しか読んでなかったけど、さっそくあれこれと読んでみようかな。
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