凶獣 の商品レビュー
宅間守の事件を扱ったノンフィクションで再現小説となっている部分もある。 元少年Aが全く反省していないのをポーズや言葉でごまかしているが、宅間守は文字通り全く反省していない。 犯行の原因として遺伝的要因などもあげられるが動機は語られない。やるせなさだけが残った。
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附属池田小学校における児童襲撃事件。その犯人である宅間守を石原慎太郎が題材に。どのように描くのか興味があった。狂獣。タイトルにも滲むが、彼は、悪魔として生まれたのか。生い立ちや精神疾患が悪さをしたのか。その観点で事件をえぐる。 無抵抗な弱者を無差別に殺す人間は、精神疾患だろうが...
附属池田小学校における児童襲撃事件。その犯人である宅間守を石原慎太郎が題材に。どのように描くのか興味があった。狂獣。タイトルにも滲むが、彼は、悪魔として生まれたのか。生い立ちや精神疾患が悪さをしたのか。その観点で事件をえぐる。 無抵抗な弱者を無差別に殺す人間は、精神疾患だろうが酌量の余地は無い。寧ろ、まともな人間はそんな事しないのだから、そもそも異常者であり、更生の余地に関わらず、裁くべきというのが私感だ。この本で宅間の人間性を掘り下げた所で、その物語の中で心情を理解しても、同情はしない。 しかし、社会には一定数、こうした獣が生まれてしまう歪がある。宅間は最近の自暴自棄なジョーカーとは経路が異なるが、そうした凶暴性を発現させたきっかけは違えど、密かな凶暴性が内在することや、その発現を未然に防げぬ事では、恐怖は拭えない。考えさせられる。
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2001年6月8日、未曾有の事件は起こった。 大阪府池田市の小学校に刃物を持って侵入した宅間守は逃げまどう小学一年生と二年生の児童8名を殺害、15名に重軽傷を負わせた。初公判の日、入廷してきた宅間は三度口笛を吹いたという。なぜ彼は事件を起こしたのか?綿密な取材とインタビューで宅間...
2001年6月8日、未曾有の事件は起こった。 大阪府池田市の小学校に刃物を持って侵入した宅間守は逃げまどう小学一年生と二年生の児童8名を殺害、15名に重軽傷を負わせた。初公判の日、入廷してきた宅間は三度口笛を吹いたという。なぜ彼は事件を起こしたのか?綿密な取材とインタビューで宅間の実像に迫る戦慄の記録! 児童8名が亡くなった池田小事件。犯人は多くを語らず死刑となった。石原氏が弁護士や精神鑑定に携わった人たちにインタビューし、記録したのがこの本だ。一部にフィクションとあるのが納得いかないかもしれないが、ソースの入手経路や方法などの問題でフィクションと書かなければならなかったのかもしれない。内容は濃いとはいえず、期待外れかもしれない。事件の全体像をざっと見るにはいいと思う。とくに事件前の過去の行動・記憶は、犯人が死刑になった今となっては貴重な資料だろう。しかし、なんでこんな男がモテるのか理解に苦しむなー。
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2001年(平成13年)6月8日に起きた附属池田小学校事件の話です。 被告人である宅間守の凶悪さを描いているため、内容はかなりエグイです。 間にその凶悪な人間をフォローする側である臨床心理士と弁護士のインタビューの内容が書かれています。 個人的にはこの臨床心理士と弁護士の話が重...
2001年(平成13年)6月8日に起きた附属池田小学校事件の話です。 被告人である宅間守の凶悪さを描いているため、内容はかなりエグイです。 間にその凶悪な人間をフォローする側である臨床心理士と弁護士のインタビューの内容が書かれています。 個人的にはこの臨床心理士と弁護士の話が重要だと思います。 凶悪犯罪を犯した凶悪な人間を弁護するという事はどういう事なのか?臨床心理士は何をしているのか? そこから何故このような事件が起きてしまったのか注目すべきと思います。 本書は公判時や供述、インタビューの会話をそのまま記述しているので2,3時間で読める内容です。 ただ、宅間被告人の凶悪さがエグイので、見る人が見たら気持ち悪くなるのではないかと思います。
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2001年児童死亡者8人負傷者15人を出した附属池田小事件の犯人の弁護士、臨床心理士へのインタビュー及び裁判関連資料から何故あの事件は起きたのかを探る。人間の深い闇とは?という石原氏の作家としての関心が前面に出ているが要約するとDNAと環境によるものということか。エイドリアン・レ...
2001年児童死亡者8人負傷者15人を出した附属池田小事件の犯人の弁護士、臨床心理士へのインタビュー及び裁判関連資料から何故あの事件は起きたのかを探る。人間の深い闇とは?という石原氏の作家としての関心が前面に出ているが要約するとDNAと環境によるものということか。エイドリアン・レインの「暴力の解剖学」のようなの研究も海外ではある。日本も凶悪犯罪抑止を真剣に考えて欲しい。
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無慈悲な人殺しなら 過去に掃いて捨てるほど書いてきた そんな作者がなんでいまさら小学生殺しの動機に興味を持つのか 正直つかみかねたのだが そういったことをこれまで意識せずに書いてきたのだとすれば なんと石原慎太郎は ここにきて初めて、文学の門前に立ったと言えるのかもしれない 作...
無慈悲な人殺しなら 過去に掃いて捨てるほど書いてきた そんな作者がなんでいまさら小学生殺しの動機に興味を持つのか 正直つかみかねたのだが そういったことをこれまで意識せずに書いてきたのだとすれば なんと石原慎太郎は ここにきて初めて、文学の門前に立ったと言えるのかもしれない 作品は、池田小学校襲撃事件の宅間守を題材にしたもの 事実と創作と、取材インタビューを混在させたスタイルだ 落ち着きのない子供で、虐待も受けていた宅間 虐待が先か、落ち着きのなさが先か 物心ついたころには、宅間守の基本的な人格は固まっていて はっきりわからない ただ確実なことは、幼いころにひきおこした事件の数々が 彼にある「学び」をもたらしたということだ つまり、警察に怒られさえしなければ、なにをやってもいいという… そういう意味で、警察は彼にとっての神だった 善悪の判定をおこなうエゴイズムの象徴 おそらく彼に、遵法精神という概念はなかったと思う すべて警察に依存していた だから、別れた元妻の弁護士に面会をはねつけられ 法律の壁に直面したとき 彼の世界はもろくも崩壊してしまったのだ その壁を突破する手がかりを求めて 自らを世界から疎外するものの象徴…すなわち池田小学校に足を運んだ 共感能力の欠落という問題はあったにせよ それを行わせたのは どう考えても彼じしんの無知・安易・愚かさにほかならない 「悪霊」スタヴローギンにも似た傲慢さで 彼はそこから眼をそむけていた
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もうこの世にいない死刑囚の酷さは言うまでもない。人間は何のために生きているんだろうかという問いかけのように読めた。もともと犯罪に手も染める資質というものはあるらしい。でもそれは生育環境によって発露したりしなかったりする。親の愛情の重要性はもちろんのこと、他人にあたたかい公正を重ん...
もうこの世にいない死刑囚の酷さは言うまでもない。人間は何のために生きているんだろうかという問いかけのように読めた。もともと犯罪に手も染める資質というものはあるらしい。でもそれは生育環境によって発露したりしなかったりする。親の愛情の重要性はもちろんのこと、他人にあたたかい公正を重んじる社会を作らないととんでもないことになるという警鐘にも感じた。臨床心理士と弁護士のインタビューがとても興味深かった。事件ひとつに直接の被害者以外にも被害者がたくさんいることがわかってとても重かった。
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2001年6月8日、大阪教育大学教育学部附属小学校に出刃包丁を持った宅間守が押し入り、児童八名が死亡、教員を含む十五名が重軽傷を負った事件の真相に迫る取材とインタビューの記録。
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