編集ども集まれ! の商品レビュー
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同じく神保町の出版社で働いてるので、知ってる店名が出てきて、あぁあそこかと感じながら読めた。 メインの登場人物がふたりいて、やや混乱しながら読み進めていくと途中で意図がわかる。が、現在と過去を交互に描写していることで読み手としては分かりづらい気がした。とはいえ、今はやらないであろう写植貼りなんかは読んでて作業としてはやりがいありそう、と思えたし、描かれている編集者たちがなかなか個性的で、編集者ならいるだろう、と思うような等身大のキャラになっていて良いと感じた。 作者が伝えたかった内容は私が思っていた方向性少し違っていた部分が残念かなと思いました。
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自伝的小説なの? 主人公が働いていた出版社だけ仮名。 でも、類推はできるように書いてあるね。 他の出版社も作家さんたちも バンバン実名で登場します。 ‘80年代かしら… 当時の神保町と業界の雰囲気がよくわかる。 フィクションとノンフィクションの間のような。 私には小説仕立てじ...
自伝的小説なの? 主人公が働いていた出版社だけ仮名。 でも、類推はできるように書いてあるね。 他の出版社も作家さんたちも バンバン実名で登場します。 ‘80年代かしら… 当時の神保町と業界の雰囲気がよくわかる。 フィクションとノンフィクションの間のような。 私には小説仕立てじゃないほうが さくさく読めたかもしれない。
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著者の自伝的小説。 1985年漫画編集部に契約社員で入社した小笹一夫。 風変わりな社員たちや、漫画家たちと仕事をしていく日々。 幼い頃から自分の性に違和感を感じていた小笹が 徐々にワイドパンツ通常ササパン、それからスカートを履いて出社していくまで。 それが原因で解雇され、その後小説家として生活していくようになり 22年ぶりに記憶をたぐるように会社があった神保町周辺を散策していく様子。 男性だった人が女性の姿で出社していることで解雇、 90年代、本当につい最近の出来事が、 あまりにも酷い仕打ちだなあと。 誰のことも悪いように書いていないけれど 著者は我々が思う以上に傷ついたり大変な思いをしたのかもしれないなあ。 漫画のことは正直よくわからないのだけど 東京にまた気軽に行けるようになったら 漫画家たちの聖地を思い出したいな。 女性軍たちが味方についていたのが本当に良かったし、 今でも親しい関係でいることが 素敵だなあと思う。 小説家として活動し始めの話も知ることができて嬉しい。
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うーん。 想像と違った。だらだら長いだけな気がした。 過去と今が交互に語られるんだけど、「今」の部分は不要に感じた
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作者の藤野千夜さんは芥川賞受賞作家だったのですね。知識不足で存じ上げませんでした。 本作は、藤野さんが出版社で勤務していた頃の回想と、過去の事を本にすべく元職場の神保町を取材する現在の自分を交互に書いています。 漫画の出版に居た為に主に漫画界隈の古今物語となっており、業界の事が分...
作者の藤野千夜さんは芥川賞受賞作家だったのですね。知識不足で存じ上げませんでした。 本作は、藤野さんが出版社で勤務していた頃の回想と、過去の事を本にすべく元職場の神保町を取材する現在の自分を交互に書いています。 漫画の出版に居た為に主に漫画界隈の古今物語となっており、業界の事が分かる人、昔の漫画に詳しい人にはとても面白いものだと思います。 そして彼女はトランスジェンダーであるが故に会社を首になっており、今では考えられない位社会的に弱い立場でした。周りの女性と交流を深めながら、おっかなびっくり女性に近づいていこうとする姿に、当時のマイノリティーへの風当たりの強さを感じます。 当時と言っても1993年頃であり、そんなに昔という気はしないのですが、思い返せば前時代的ですね。 手塚治虫、永井豪、水木しげる、石ノ森章太郎、つげ義春などなど次々と漫画界のレジェンドたちが紙面を飛び交うので、漫画に勢いが有ったころの姿が垣間見えて、とても感慨深いです。 興味が無いと冗長に感じられる部分もあって、一概に面白かったと言えない部分もあります。もう少し整理して圧縮したらとてもよかったのではないかと。聖地巡りを延々読まされるのもちょっとなと思った次第でございます。
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藤野さんは何事も淡々と書き、生々しくしないところが好きだけど、生々しく書けと言う人はいるんだなと思う。(ほとんど男) しかし淡々とした筆致の中にも、漫画雑誌全盛期の慌ただしさや熱さ、少しずつ自分の内面に装いを近づけていくドキドキも、突然の解雇に呆然とする気持ちもちゃんと伝わる。 私も漫画は好きだけど、青年漫画や劇画はあまり知らなかった。藤野さんの漫画好きは少女漫画や一部の少年漫画だと勝手に思っていたが、とんでもない、筋金入りのプロの読み手だということがよくわかった。編集者としても有能だっただろう。 しかし、何が幸せかはわからない。今だったらクビにはならず、ちょっと変わった名編集者になっていたかもしれない。そうしたら小説家にはなってないわけで、私たちがこうして読んで楽しむこともできなかった。ビアトリクス・ポターが女性であるという理由だけで学会に受け入れられず、ピーター・ラビットが生まれたエピソードと似ている。 大島弓子や岡崎京子の思いやりも心に残った。 ホント、素晴らしい女の友情について書かれた本でもあると思う。 それにしても、「笹子」って漫画好きなら当然ヒゲのOLを思い出す訳だけど、それ入ってるんでしょうね。
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小笹一夫がどんな経験をするのかと思うと少しどきどきしたけれど、冒頭の笹子とアダっちの会話になんとなくほのぼのとしたものを感じていたので、まあ、安心して読みました。 藤野千夜さんの作品からにじみ出るやさしさって、こうやって作られていったのかな、なんて想像したりして。
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多分はじめての作者さんで、状況がすぐには飲み込めず序盤は読むのに戸惑った。 自伝的小説との事で、なるほどトランスジェンダーに関する話なのだな、と思って読んでいたんだけど、その部分は割とサラッとしていて、状況は大変だし、主人公は理不尽に傷ついているんだけど、様々な個性的な人と仲良...
多分はじめての作者さんで、状況がすぐには飲み込めず序盤は読むのに戸惑った。 自伝的小説との事で、なるほどトランスジェンダーに関する話なのだな、と思って読んでいたんだけど、その部分は割とサラッとしていて、状況は大変だし、主人公は理不尽に傷ついているんだけど、様々な個性的な人と仲良く漫画を読んで楽しそうにご飯を食べてる様子が続くので、読んでいて重くならなかった。 数十年前の、のんびりとした小さな出版社から見たのんびりとした時代の出版業界の様子、歴代の名作漫画やその作者の方々の事を、本当に実際に見たこと聞いたことを思い出すままに書いている感じで、それがとても面白い。 最後の方では、笹子の友人、同僚たちを大好きになってしまって、とんでもなくとぼけたことを言う彼らが可笑しくて、何度も吹き出してしまった。
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元編集者の自伝的小説というので 「重版出来」のような世界を予想して手に取ったら 全然違ってなかなか読み進むのに時間がかかってしまった。 伏せ字と実名の境にも戸惑った。 【図書館・初読・10月24日読了】
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