ティンパニストかく語りき の商品レビュー
先日読んだ『魔境のオーケストラ入門』と比べると、よりオケオケしい話が書かれていてかなり楽しかった。打点が分かりにくい指揮者で打たなければいけないティンパニの一撃は想像しただけで怖い。弦楽器に比べて音符の数が少ないパートは、やっぱりそのパートなりの苦労があるんだなと思い知らされた。...
先日読んだ『魔境のオーケストラ入門』と比べると、よりオケオケしい話が書かれていてかなり楽しかった。打点が分かりにくい指揮者で打たなければいけないティンパニの一撃は想像しただけで怖い。弦楽器に比べて音符の数が少ないパートは、やっぱりそのパートなりの苦労があるんだなと思い知らされた。オケ長くやっているけれど、ティンパンの置き方に「ジャーマン・スタイル」と「アメリカン・スタイル」があることを本書で始めて知った。入場の仕方とかもそうだけれど、「アメリカン・スタイル」って実利優先なのだなと思った次第。
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新日本フィルティンパニ奏者の近藤高顯(たかあき)さんの著。ティンパニ奏者を志し,ベルリンへの留学,さらには帰国後オーケストラに入ってから「叩き上げ」で訓練していく様,カラヤン,チェリビダッケらの棒でベルリン・フィル,ミュンヘン・フィルにエキストラ参加したときに学んだこと,ティンパ...
新日本フィルティンパニ奏者の近藤高顯(たかあき)さんの著。ティンパニ奏者を志し,ベルリンへの留学,さらには帰国後オーケストラに入ってから「叩き上げ」で訓練していく様,カラヤン,チェリビダッケらの棒でベルリン・フィル,ミュンヘン・フィルにエキストラ参加したときに学んだこと,ティンパニがオーケストラに求められている役割,等々が書かれている。印象的なのは,合奏する際には主に「点」で合わせる(ビート・タイミングを合致させるということだろう)ようにと教えられるが,ベルリン・フィルなどのすぐれたオケはそれよりも「流れ」や「呼吸」を意識し,「うねり」を感じながら演奏すると繰り返し述べられていることだ。また,小澤征爾のようなすぐれた指揮者がオーケストラにアドバイス・注意を当たる際の言葉の選び方言い方も興味深い。
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オーケストラ演奏の裏話やクラシック音楽の楽しみ方を分かりやすく伝えてくれる、ティンパニストのエッセイ。とてもおもしろい!! クラシックの奥深さを知りました。ハマったらえらいこっちゃだよ… 父に勧められて読みました。
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日本のプロオーケストラで主席ティンパニストを務める筆者が、音楽・ティンパニとの出会い・修業時代から現在に至るまでの経験をもとに綴った音楽エッセイ。クラシックはよく聴くものの、そしてたいていのオーケストラ曲には必ずあるティンパニながら、この楽器についての知識・理解はあまりなく、それ...
日本のプロオーケストラで主席ティンパニストを務める筆者が、音楽・ティンパニとの出会い・修業時代から現在に至るまでの経験をもとに綴った音楽エッセイ。クラシックはよく聴くものの、そしてたいていのオーケストラ曲には必ずあるティンパニながら、この楽器についての知識・理解はあまりなく、それゆえいろいろと知ることができ、楽しく読めた。 特に、高名な指揮者、例えばカラヤンやチェリビダッケ、アバド、朝比奈隆や小澤征爾らにまつわるエピソードが面白かった。自分は必ずしもこれらの指揮者の全員の音楽が好き、というわけではないのだけれど、やっぱり現場にいてじかに接した奏者ならではの観点、そこから伝わる何というか“人格の臨場感”みたいなものが伝わってきて、これが音楽に対する無限のアプローチの可能性を感じさせてくれる。とても良かった。 管弦楽曲をティンパニ、打楽器に主眼をおいて聴いてみよう。今までよく知った曲でも、新しい発見があるかもしれない。そんな気にさせてくれる。クラシック好きの方にはお薦めの一冊だ。
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ティンパニから見たオーケストラの世界。ティンパニの重要性を改めて感じました。これからオーケストラを聴くときにティンパニがとても気になります。指揮者もかっこいいですが、ティンパニストもあこがれます。
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