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いわて星日和 の商品レビュー

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2022/02/19

いわての冬の星空をぎゅっと詰め込んだような表紙のデザインと、同じくいわてに移住した身として、移住エッセイに惹かれて手に取った。 娘さんとのいわてで暮らす日々は、想像が及ばないくらいたくさんの出来事に満ち溢れていて、くすっと笑ったり、ほっこりしたり、心が締め付けられたり、不思議な...

いわての冬の星空をぎゅっと詰め込んだような表紙のデザインと、同じくいわてに移住した身として、移住エッセイに惹かれて手に取った。 娘さんとのいわてで暮らす日々は、想像が及ばないくらいたくさんの出来事に満ち溢れていて、くすっと笑ったり、ほっこりしたり、心が締め付けられたり、不思議な物語に引き込まれたりしながら、大切に読んだ。 おもわず、昔いっしょに活動した福祉作業所のみんなを思い出した。 すぐに名前を覚えてくれて、道で会うと大きな声で名前を呼んで挨拶してくれる。 あの笑顔と、いっしょに作業をしたことは、いつまで経っても忘れられないのだ。 楽しいこと、嬉しいことだけではもちろんなくて、特に娘さんのパニックについて綴ったところは、どうしても他の子どもやきょうだいと比べてしまう気持ちと、そんなことを全て吹き飛ばしてくれる親子の愛情とで、感情がぐちゃぐちゃになった。 だけど、著者の豊かな言葉のセンスで、読んでいるこちらが穏やかに、前を向く気持ちにさせられてしまう。 作中よく使われるカタカナは、どこか賢治さんと共通しているようで、そんなところでもイーハトーブを感じられる、素敵なエッセイだった。

Posted byブクログ