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ラテンアメリカ怪談集 新装版 の商品レビュー

3.7

9件のお客様レビュー

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2023/10/09

・変な短編小説の詰め合わせ。どの短編も読み味が違っていて、人によってお気に入りがかなり別れそう。 ・こんなに自由なあとがき初めて見たな。 ・以下、自分のお気に入り度。 ☆☆☆☆☆: 『魔法の書』、『奪われた屋敷』、『波と暮らして』 常識を揺さぶられる至福の読書体験。何度でも読み...

・変な短編小説の詰め合わせ。どの短編も読み味が違っていて、人によってお気に入りがかなり別れそう。 ・こんなに自由なあとがき初めて見たな。 ・以下、自分のお気に入り度。 ☆☆☆☆☆: 『魔法の書』、『奪われた屋敷』、『波と暮らして』 常識を揺さぶられる至福の読書体験。何度でも読み返したい。 特に『波と暮らして』、海の波との同棲生活っていう意味不明な話なのに、出だしからずっと状況描写が美しくて感動した。 ☆☆☆☆: 『円環の廃墟』、『ポルフィリア・ベルナルの日記』、『ミスター・テイラー』 ☆☆☆: 『火の雨』、『吸血鬼』、『騎兵大佐』

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2022/10/23

ラテンと聞くと、情熱的で暑くてまぶしくて乾燥してるイメージが有るけど、だからどんな怪談になるのか興味が有ったけど、ちょっと違ったな~。 意外と面白く読める作品が多かった。 この手のアンソロジー的な本には、必ず一つや二つ訳の分からない話が有るもので、この作品の中にも訳が分からん...

ラテンと聞くと、情熱的で暑くてまぶしくて乾燥してるイメージが有るけど、だからどんな怪談になるのか興味が有ったけど、ちょっと違ったな~。 意外と面白く読める作品が多かった。 この手のアンソロジー的な本には、必ず一つや二つ訳の分からない話が有るもので、この作品の中にも訳が分からんのが幾つか有ったけど、まぁまぁ面白かった。

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2021/10/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルどおりの本。とはいえ、読んでみるとよくイメージするような「怪談」とはかなり趣きが違っているのがわかる。解説にもあるけど、幻奇小説集に近い。 好きな話は「魔法の書」、「大空の陰謀」、「ポルフィリアベルナルの日記」。 「魔法の書」は、最近本を流し読みしてるうちにあれ今ってどんな流れだっけ?と思って読み返すことが多いので、なんだかリアルな怪談だった。 「大空の陰謀」… 一種のパラレルワールドもの。 「ポルフィリアベルナルの日記」… 教え子の視点を通し、主人公が自分の行いを客観視する恐怖が描かれる。教え子の少女が家庭教師である主人公を「猫」と表現したり、その視点にじっとりとした恨みを感じるのが不気味。 日本やハリウッド映画では、幽霊や悪魔といったモンスターが階段の主役となっている。でも、本書ではそういった怪物の影は薄く、不思議な現象が避けようのない災害のように描かれる。ラテンアメリカ文学にはあまり詳しくないけど、パターン化された日本の怪談との違いは、そのまま国民性にも表れているような気がした。それと、怪談なのに、全体的になんだか明るい!

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2021/04/15

火の雨 ルゴネス 彼方で キローガ 円環の廃墟 ビルヘス リダ・サルの鏡 アストゥリアス ポリフィリア・ベルナルの日記 オカンボ 吸血鬼 ムヒカ=ライネス 魔法の書 アンデルソン=インベル 断頭遊戯 レサマ=リマ 奪われた屋敷 コルタサル 波と暮らして パス 大空の陰謀  ビオイ...

火の雨 ルゴネス 彼方で キローガ 円環の廃墟 ビルヘス リダ・サルの鏡 アストゥリアス ポリフィリア・ベルナルの日記 オカンボ 吸血鬼 ムヒカ=ライネス 魔法の書 アンデルソン=インベル 断頭遊戯 レサマ=リマ 奪われた屋敷 コルタサル 波と暮らして パス 大空の陰謀  ビオイ=カサレス ミスター・テイラー モンテローソ 騎兵大佐 ムレーナ トラクトカネツィネ フエンネス ジャカランダ リベイロ 訳者あとがき 出典一覧 原著者・原題・制作発表年一覧 訳者紹介

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2021/01/18

マジックリアリズムの金字塔。心中した男女のその後を描いた「彼方で」。おまじないに取りつかれた娘「リダ・サルの鏡」。見知らぬものに自分たちのテリトリーを侵されていく「奪われた屋敷」。少女のように無邪気な波との暮らし。やがて”女”の部分がむきだしになり...「波と暮らして」その他にも...

マジックリアリズムの金字塔。心中した男女のその後を描いた「彼方で」。おまじないに取りつかれた娘「リダ・サルの鏡」。見知らぬものに自分たちのテリトリーを侵されていく「奪われた屋敷」。少女のように無邪気な波との暮らし。やがて”女”の部分がむきだしになり...「波と暮らして」その他にも、奇妙でぞっとする短編がたくさん収録されている。鼓先生によるユーモアたっぷりのあとがきは必見!

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2019/10/09

ラテンアメリカには怪談というジャンルはないのだそう。 不思議な話を集めたものだといってよい。 「魔法の書」が良かった、わかりやすかった。 人間の知りたい欲望が表現されていて、読書狂の極致か。

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2019/02/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

■火の雨 レオポルド・ルゴネス 1874-1938 アルゼンチン 田尻陽一  ソドムとゴモラ式の天変地異を、それら悪徳から一歩退いた人物が、巻き込まれながら観察する、という趣向かな。 ■彼方で オラシオ・キローガ 1878-1937 ウルグアイ 田尻陽一  愛(+)のために死世界(-)に移行した恋人同士が、くちづけという愛(+)を達成すれば、途端に消滅(ー)するしかない。この極端をこの短さで実現する短篇。 ■円環の廃墟★ ホルヘ・ルイス・ボルヘス 1899-1986 アルゼンチン 鼓直  所謂まあ、完璧な短篇。 ■リダ・サルの鏡 ミゲル・アンヘル・アストゥリアス 1899-1974 グアテマラ 鈴木恵子  恋のお呪いをかけようとする娘、そうとは知らない男とその家族、その間をつなぐ盲目の老人、さらには湖に姿を映して、というロマンチックな要素たっぷり。 ■ポルフィリア・ベルナルの日記★ シルビーナ・オカンポ 1903-1993 アルゼンチン 鈴木恵子  『ラテンアメリカ五人集』で読んだ「鏡の前のコルネリア」も素敵だったが、本作も夢みがちな少女を描く。大変に好みだ。アドルフォ・ビオイ=カサーレスの娘。 ■吸血鬼 マヌエル・ムヒカ=ライネス 1910-1984 アルゼンチン 木村榮一  ちょうど『ヤング・フランケンシュタイン』を見たタイミングで、ついつい連想してしまった。それくらいコミカル。さらにロマン・ポランスキー『吸血鬼』のシュールギャグを連想したりもした。ゴシックロマンを南米流にパロったら。本書の著者紹介では「重厚なバロック的文体を駆使して」と書かれているが、ちょっと自分の読み方はズレているかもしれない。と思って検索してみたら、『七悪魔の旅』も風刺的ユーモアらしい。 ■魔法の書 エンリケ・アンデルソン=インベル 1910-2000 アルゼンチン 鼓直  明らかにボルヘスの影響があるが、この小説では読書体験そのものにボルヘス的機構が潜み、さらに内容はユダヤやキリストやという、凄まじい小説だ! ■断頭遊戯 ホセ・レサマ=リマ 1912-1976 井上義一  寓話的な三角関係。 ■奪われた屋敷★ フリオ・コルタサル 1914-1984 鼓直  イレーネの大声の寝言は近親相姦の象徴??いや全体が、社会的圧制の象徴??何を象徴しているのかがわからなければ、読み解けないが、それでも編み物に集中する妹の姿は、意味を読み取れずとも、素敵だ。 ■波と暮らして★ オクタビオ・パス 1914-1998 井上義一  特定の恋人との同居の実感を、詩的に言い換えただけ、なのではないだろうか。 ■大空の陰謀★ アドルフォ・ビオイ=カサーレス 1914-1999 安藤哲行  読み始めてすぐ気付いたが、『パウリーナの思い出に』で読んだことがある。コルタサルをSFに移したら、という印象。つまりは素敵。 ■ミスター・テイラー アウグスト・モンテローソ 1921-2003 井上義一  独特な寓話。首狩り族という発端はステレオタイプだが、干し首を売る会社設立、アメリカで大流行、というのはむしろアメリカへの皮肉か。 ■騎兵大佐 エクトル・アドルフォ・ムレーナ 1923-1975 鼓直  山尾悠子の「菊」を思い出すくらい、隠微な雰囲気。 ■トラクトカツィネ★ カルロス・フエンテス 1928-2012 安藤哲行  シャルロッテ・フォン・ベルギエン(メキシコ皇后としてはスペイン語読みのカルロータ)、とのこと。初めて知った。が、それを知らずとも十分に、awful、terrible、horrible。「アウラ」の前身。溝口健二の雰囲気。 ■ジャカランダ★ フリオ・ラモン・リベイロ 1929-1994 井上義一  死んだ妻の記憶に浸された男が、むかし見知ったかもしれない女を前にして、妻の記憶と女の記憶が混合していく様子が、意識の流れ的に描かれていく? ともかく凄まじい短篇だ。 ラテアメつったらマジリアっしょーという浅薄な奴を射殺したいマジリア警察としては、 そして幻想文学とかシュールリアリズムっつったら日常を飛び越えてシュールに幻想に遊べばいいんしょーという浅薄な奴らを射殺したい幻想文学警察/シュルレアリスム警察としては、 様々な方面に牽制しつつ、大いに愉しませてもらった、怪談集というよりは奇想小説集 ボルヘスとかコルタサルとかフエンテスとか贔屓筋の作家は多いが、作品としてすげえと思ったのはむしろ「魔法の書」エンリケ・アンデルソン=インベル とか「ジャカランダ」フリオ・ラモン・リベイロとか。 つまりは至上のアンソロということだ。

Posted byブクログ

2018/02/11

ラテンアメリカの作家というとガルシア=マルケスしか名前が浮かばなかったが、ボルヘスは読んだことがあったかも。 怪談集というより幻想小説集とか、伝奇譚という方が自分にはしっくりくるような短編集だった。

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2017/10/15

紀伊國屋書店限定復刊。 ボルヘスやコルタサルの名前が並んでいるので、勝手に幻想小説寄りのアンソロジーだと思っていたが、かなり『怪談』寄りだった。『ホラー』ではなく『怪談』というのがピッタリなものが多い。『火の雨』や『吸血鬼』、いいなぁ……。

Posted byブクログ