ゆめみの駅 遺失物係 の商品レビュー
酒井駒子のイラストの表紙に惹かれた。 ゆめみの駅の遺失物は物ではなく「お話」。 期待しすぎないで読む方がいい。
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タイトルとあらすじと装画にやや期待しすぎたな。 文体がちょっとくどくてあまり好きな語り方ではなかった。 土曜日のおはなしが好きだな。
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誰かが失くした物語は「ゆめみの駅の遺失物係」に届けられるそうです。7つの拾得物語はどれも切なくもほんのりと暖かく、それを読み聞かせてもらう訥々と語るのが特徴的な少女と一緒になってあれこれと思索を巡らすのが楽しくありました。
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小説と児童書の間のような本。 静かで、あたたかいけど、寂しくて。 「かたくてあたたかくてつめたくてやわらかいもの」の空気感を思い出しました。
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中学生の少女が失くしたお話を探しに辿り着いた、ゆめみの駅の中にある遺失物係。 そこは誰かが忘れたお話が世界中から届けられる不思議な場所。 係の人から一日一話ずつ読んでもらい、少女は自分の失くしたお話を探していく。 がっかりすることには慣れているから、と学校にもなかなか馴染めずいつも寂しい思いを抱えていた少女。 自分を小さな籠に閉じ込めていた少女は色々なお話を聴く内に、徐々に自分の世界を広げていく。 子供に限らず大人も日々色々なものを失くしている。 けれど失くしたものはどこかにあるはず、と諦めきれない。 そんな諦めの悪い人達の心の奥深くには、こんな遺失物係が潜んでいるのかも。 私の失くしたお話も遺失物係に届けられていないかな? 失くした分だけ新たに創り生み出していくのもまた人生だ。 そんなメッセージの込められた優しい物語だった。 係の人が読んでくれたお話はどれも素敵。 酒井駒子さんの、優しくてちょっぴり寂しげな表紙の絵に吸い込まれそうになる。
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物語が愛おしくなる物語。 駅の遺失物係で、物語を探す物語。 私たちは物語をなくしていて、そして物語を探している。 人の物語と出会うことで、自分の物語を思い出すこともある。 やわらかで、あたたかくて、やさしい物語でした。
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“がっかりすることには慣れています。それに、立ち直るコツも知っています。かんたんです。それ以上を望まなければいいのです。” “手にしていたはずのものを、気づいたら失っていたのです。” “失くしたことだけがわかっていて、なにを失くしたのかを覚えていないだなんて” 小説の始めの方からこんなフレーズが続いて、ひきこまれて読んでいった。 月曜日から日曜日までひとつずつ、誰かに忘れられた物語がゆめみの駅の遺失物係によって、おはなしを失くした「あたし」に読まれていく。 小川未明の童話にも似た少し悲しくて寂しい雰囲気だと感じたけれど、読後感は泣いたあとみたいに少しすっきりしている。 現実の世での喪失感て、そう簡単に拭えるものではないけど、救いのある話でよかった。
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