アンドリュー・ワイエス作品集 の商品レビュー

高橋秀治(著者)

2018/08/15

ヘルガを描いた「編んだ髪」や、次男を描いた「遥か彼方に」(表紙)のような有名な絵を見かけたことはあるし、名前も知ってはいた、そんな存在。
「ウルフ・ムーン」や「オルソン家の終焉」のような絵が好きだ。前者の明るい月明かりの風景とか、後者は昼まで日差しも強いのだけれど冷んやりしている感じがする風景とか、好きだな〜。
画集だと絵がよく見えなくて歯がゆい。本物を見てみたい、と初めて思ったかもしれぬ。

2018/07/19

ワイエスは前から好きだったが、久しぶりに見たら今の気分にものすごくしっくりきた。色味や空気感、寡黙なのに内面のいろんなものを感じさせる豊かさが。
テンペラで恐ろしく根気のいる作業をこつこつこつこつやり続けた、そうして人や世界や生死と向き合い続けたワイエスの人生そのものが、今のわたしには迫るものがあった。
絵に静かに寄り添うような解説の文章もとてもよかった。くまなく読んだ。