ギガマネー 巨大資金の闇 の商品レビュー
プライベートバンクに関する本。著者の本は相変わらずまとまりがよく、参考になる。拡大する富裕層に多様な商品を提供するPBは、金融機関にとって重要かつ成長分野かと思うが、日本の金融規制下ではなかなか成り立ち難い感じ。KYCの問題もあるから、単純ではないけれど。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
30年近く、金融業界に関わってきた私としては、歴史を振り返る内容だったので面白かったです。 新聞の見出しやリード程度で追っていた程度の関心事でしたが、本書を1冊読了することで、流れがよく分かりました。 グレーな取引と規制のイタチごっこ。 その規制は、不正をしようがないほどの庶民も守らなければならず、金融機関の手間も増え。それでもはルールなので、一握りの悪事を働く輩に合わせた規制には、従わざるを得ません。 イタチごっこの末、徐々にプライベートバンキングは変化し、縮小していくのでしょうね。 本書で指摘している、イギリスのEU離脱の影響がどう出るのか、行方に興味を持ちました。ロンドンのオフショアがどのようになるのか。 中国やシンガポールが、どのようにプライベートバンクの担い手になっていくのか。 それと、邦銀の口座のカタカナ表記。これもちょっと注目していきたくなりました。 これからは、オフショアやプライベートバンキングの記事を、もっと関心を持って読むことができそうです。
Posted by
- 1