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若槻菊枝 女の一生 の商品レビュー

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2019/02/21

あまりにおもろいのでいっき読み。この方について少しは知っとると思っとりました。石牟礼道子とのことや「苦海浄土基金」とか。聞いたり読んだりしとったこともあったけれど、他はほんと知らんことばっかし。自らの愚を恥じる次第です。たとえば、 大島渚監督の映画『新宿泥棒日記』のロケや、映画...

あまりにおもろいのでいっき読み。この方について少しは知っとると思っとりました。石牟礼道子とのことや「苦海浄土基金」とか。聞いたり読んだりしとったこともあったけれど、他はほんと知らんことばっかし。自らの愚を恥じる次第です。たとえば、 大島渚監督の映画『新宿泥棒日記』のロケや、映画評論家の佐藤重臣らによるアングラ映画上映会も西大久保店で行われた。p.126 ↑↑ この「西大久保店」というのは若槻菊枝が新宿で複数経営していた「ノアノア」のなかの一軒のことです。さもありなんとも思うけれど、びっくり。それから、 今はなき「ユニコン」という店で起きた「状況劇場主催者唐十郎、アングラ映画カントク足立正生、俳人加藤郁乎三氏がトックミアイの大ゲンカ」の目撃談をもとに顛末までルポ。p.131 ↑↑ これは若槻が関根弘の編集で発行していた小冊子『ノアノア』の記事の紹介。ともかく本書は全編、本当に面白い。 ただ、気になったのは、若槻の父親が参加した木崎争議についての若槻の思いについては詳しく述べられているのに対し、若槻と新潟水俣病との関連がまったく触れられてない点。若槻が新潟水俣病の発生現場でもある阿賀野川の河口、新潟市の松崎の出身であること、また先述したような熊本の水俣病患者さんたちとの交流などを考えると、これはちょっと変な感じがする。晩年の新潟絵屋における若槻の個展(ここでは個人的な知り合いもたくさんでてくる)について紹介されているだけに、その疑問はいっそう深まる。 また、本書には丁寧な注がついていて助かる気もするけれど、引用元原典の表記にページ数がない。これはもっと調べたい者にとってはつらい。増補、増刷するときにはぜひページ数の表記を追加してもらいたいと切に思います。

Posted byブクログ