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ヒトは「いじめ」をやめられない の商品レビュー

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2022/11/16

「子どものいじめ撲滅」に向けて、大人たちが尽力している一方で、大人社会でもいじめによる事件が後を絶たない。これは、「いじめは本来人間に備わった“機能”による行為ゆえ、なくすことは難しい」という一面があることから考えるとうなずける。ならば、いじめに対するアプローチ法を変えて、その回...

「子どものいじめ撲滅」に向けて、大人たちが尽力している一方で、大人社会でもいじめによる事件が後を絶たない。これは、「いじめは本来人間に備わった“機能”による行為ゆえ、なくすことは難しい」という一面があることから考えるとうなずける。ならば、いじめに対するアプローチ法を変えて、その回避策を考えていくことが、良好な人間関係を維持するための最善策だ。本書では、子ども、大人の「いじめ」に関して、どのように防止・対応していけばよいのか、脳科学の観点から論を進める。 第1章 いじめの快感―機能的・歴史的観点から考える いじめのメカニズム 向社会性→いじめ 第2章 いじめに関わる脳内物質 オキシトシン 集団は理性を鈍化する セロトニン 裏切者検出モジュール ドーパミン 快感は理性より強い 第3章 いじめの傾向を脳科学で分析する いじめられやすい人の特徴 いじめがより深刻化するとき 男女のいじめの違い 学校現場のいじめの現状 第4章 いじめの回避策 大人のいじめの回避策 アンダードック効果 メタ認知 ミラーニューロン 子どものいじめの回避策 ザ・サードウェーブ実験 空間的に距離を置く権利 教育現場における環境的回避策 ノンバーバルコミュニケーション ルシファー・エフェクト

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2022/08/09

いじめ(サンクション)は、人間の本能であり、また青年期の子どもたちは自分自身で制御出来ないことが分かった。 「裏切り者モジュール」と「サンクション」という2つの本能が取り上げられているが、これはつまり、裏切り者をpick upして排除する機能である。 この本能構造以外に、...

いじめ(サンクション)は、人間の本能であり、また青年期の子どもたちは自分自身で制御出来ないことが分かった。 「裏切り者モジュール」と「サンクション」という2つの本能が取り上げられているが、これはつまり、裏切り者をpick upして排除する機能である。 この本能構造以外に、妬み感情が発生しいじめに発展する構造もある。妬みを強める要素は「類似性」と「獲得可能性」の2つがあり、学校では獲得可能性が重要になる。 いじめの対象となりやすいのは、少し手を伸ばせば届く人達、つまり獲得可能性が高い人。 政府は、いじめを減らそう!としているが、そうすると現場ではいじめ認知しないでおこうとする。つまり、いじめの認知件数は下がるが、隠れいじめは増え続ける矛盾が起こる。 この本を読んで、いじめは人間の本能であることを理解し、人間関係を固定化せず流動性を高めることに重点をおくことが大切であることを学んだ。

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2022/07/13

一気に読めた。 いじめは本能であり、無くなることはないのではないかと、ずっと漠然と思っていたことが脳科学的に解説してあり、なおかつ読みやすかった。 小学生も高学年になれば、「いじめは良くない」「みんな仲良く」「クラスは仲間」などというフレーズに首をかしげたくなる意識が芽生える。 ...

一気に読めた。 いじめは本能であり、無くなることはないのではないかと、ずっと漠然と思っていたことが脳科学的に解説してあり、なおかつ読みやすかった。 小学生も高学年になれば、「いじめは良くない」「みんな仲良く」「クラスは仲間」などというフレーズに首をかしげたくなる意識が芽生える。 道徳や人権週間で、いくら「人の気持ちを考える」などと学んでも、いじめは同時進行で起こっている。矛盾を感じ、苛立たしくなるだろう。 ここで、この著書に書いてあったように、「人は不完全。妬みも攻撃性も消せない」「大事なのはそんな自分をコントロールすること」と学校で教えてもらえたら、どれだけ救われるだろう。 家庭でも教えることはできる。でも各家庭では保護者の意識が違いすぎる。 英語やプログラミングなども良いが、人として生きるためのノウハウを教えることこそが、公的な教育には必要なのではないか。

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2022/06/05

学校内でのいじめを主に書いている。先生へのアドバイスなどもあり。 学校以外のところで役に立つ情報も多くある。 脳科学的にいじめは起きてしまう、が、抑制はできる。

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2022/11/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いじめが起きやすいのは6〜11月で 過激化しやすいのは小学校高学年から中学生くらい。 ドーパミンとアドレナリン、オキシトシンの作用でいじめが起こる。分かりやすかった。 流動性を良くすればいじめは軽減されるという話は色んなところで聞くけど組み込まれるのはいつになるんだろう。なかなか管理するのが大変そうだからな… 妬みを感じやすいのは男性である話は納得した。ずっとそうだと思ってた。 メタ認知を高めて60%の間柄になると良いらしい。割と距離があるな。自分を斜め上から見れるといいな。 誠意とは男にとって正直、女にとって話をよく聞く どっちも大事じゃん!

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2022/04/07

なぜ人はいじめをしてしまうのか?脳内ホルモンにも影響されている著者ならではの解説が勉強になった。また、どうすればいじめは減らせるのか?教育現場の現状を踏まえた知見も後半に書かれていおりためになった。 結論、人間はいじめることで集団形成をして生態として反映してきた。

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2022/03/29

いじめとは何か、いじめを避ける方法とは?といったことが分かる一冊。 教育系関係者には是非読んでもらいたい。

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2022/03/01

いじめの進化的な機能を考察した上で、対症療法的にいじめを抑止し、どうたち振る舞うといじめを受けにくいかが非常に簡潔に紹介されている。ただ、共感によっていじめは起きるのだ、という説明は納得できる一方、サイコパスは脳が冷淡だからいじめに関わらないというのは直観に反するように思った。ど...

いじめの進化的な機能を考察した上で、対症療法的にいじめを抑止し、どうたち振る舞うといじめを受けにくいかが非常に簡潔に紹介されている。ただ、共感によっていじめは起きるのだ、という説明は納得できる一方、サイコパスは脳が冷淡だからいじめに関わらないというのは直観に反するように思った。どうせなら例証的データが欲しかったのだが、そこは触れられてなかったのが気になった。あと、素朴に「種の保存」と書いているのも現代の進化生物学的な観点から違和感を覚えた。

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2022/01/28

新たな視点が手に入った。 脳内物質のセロトニン、オキシトシン、ドーパミンの果たす役割がよく書いてあった。

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2021/12/29

「いじめ」は子供だけではなく、大人の世界にも、そして程度は違いますが、あらゆる生物の集団内で存在します。 子供のいじめを防止するために、大人は「相手の気持ちを考えなさい」と論したり、命の大切さを語りますが、効果はほとんどありません。 この対策として、私たちの脳のメカニズムをよく知...

「いじめ」は子供だけではなく、大人の世界にも、そして程度は違いますが、あらゆる生物の集団内で存在します。 子供のいじめを防止するために、大人は「相手の気持ちを考えなさい」と論したり、命の大切さを語りますが、効果はほとんどありません。 この対策として、私たちの脳のメカニズムをよく知ることが大切だと中野さんは言っています。恐ろしいことに、私たちは誰かをいじめると脳内でドーパミンが分泌され、かなりの快感を感じるのです。そして一部の子供たちの脳は未発達のため、いじめる対象者を容赦なく攻撃してしまいます。恐ろしいです。 こう考えると「出ている杭にはならないよう、無難に生きていく方がいいのでは」と思ってしまいます。 でも、それでは人生つまらないので、大炎上しないよう慎重になり、そして絆が強固な集団には属しないで、本当に自分がやりたいことを静かに実行していくのが一番かな、って考えました。

Posted byブクログ