陰謀の天皇金貨 の商品レビュー
今から30年以上前の昭和時代の末期に、天皇陛下在位60年を記念した金貨が発行されたことは、かすかに記憶にあります。当時、貧乏大学生であった私にとっては、額面が10万もする金貨は高すぎて興味がそそられなかったことだけを覚えています。 この本は、その金貨をめぐる裏話を小説仕立てで書...
今から30年以上前の昭和時代の末期に、天皇陛下在位60年を記念した金貨が発行されたことは、かすかに記憶にあります。当時、貧乏大学生であった私にとっては、額面が10万もする金貨は高すぎて興味がそそられなかったことだけを覚えています。 この本は、その金貨をめぐる裏話を小説仕立てで書かれていますが、本当は著者の加治氏が綿密な調査を行った結果を一般読者にわかりやすくするためにしている様です。最後の5章については、小説の要素は少なくなり、彼の取材した結果に基づく結論が示されています。 時代は1990年以前で、まだインターネットは普及していなくて実物のやりとりがなされていた時代です。この本で紹介されていることが、今のネット時代ではどのような形で行われているのだろう、と想像をかきたてられました。 以下は気になったポイントです。 ・ヒロヒト金貨は質は99.99%であるが、金の使用量が圧倒的にすくない20グラムであった、当時の地金価格で4万円(p43) ・プラザ合意による急激な円高では、日米の金融機関こそ、あらかじめ知らされていた円ドル為替相場で儲けたが、輸出企業は歯を食いしばって奮闘した(p62) ・10万円金貨の陰に、日米貿易不均衡、そして223トンの金の緊急輸入があった、国民は知らない(p64) ・立証責任は、あくまで否定する者が追う(p181) ・イランイラク戦争で、イラクを支援したのは米国と欧州、何の思惑か、ソ連・チャイナもイラク側についた、イランには、リビア・シリア・北朝鮮のみ(p245) ・後発の、平成の天皇即位記念10万円金貨は、どう見ても金塊の在庫量を不透明にするカモフラージュと推測される(p258) ・アメリカは、つい二年前までは盟友だったフセイン率いるイラクに対して、湾岸戦争を開始し、イラクはたちまち沈没し、レバノンのアウン将軍も敗北した。しかし、2016年10月31日に、レバノンの13代大統領に就任した(p297) 2017年9月11日作成
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