ママは殺人犯じゃない の商品レビュー

青木惠子(著者),里見繁(著者)

2023/08/18

ママは殺人犯じゃない―冤罪・東住吉事件。 青木惠子先生と里見繁先生の著書。火災事故を殺人事件に作り上げられ無期懲役にされるなんて絶対にあってはならないこと。冤罪事件を引き起こした裁判官や司法関係者はきちんと処罰されて非難されて社会的制裁を受けような仕組みがないと冤罪事件に苦しんだ人の無念は決して晴れない。失った時間は戻ってこない。間違えてごめんなさいで済む話ではないから。冤罪に苦しめられた人たちからすれば裁判官や司法関係者は処罰されないなんて納得いかないはず。厚顔無恥で本当に許せない話。多くの人に読んでほしい一冊。

2023/01/27

自宅のガレージから火災が発生し、入浴中で逃げ遅れたお嬢さんを亡くしたという気の毒な事故が、なぜか保険金目的の現住建造物放火、殺人の罪に問われてしまい、一旦、無期懲役が確定して服役するも、弁護団の不屈の闘志による実験の実施により、再審が開始され、ついに雪冤に至った青木恵子さんの獄中ノート等をベースにした一冊です。
この事案、夫婦共に建物内にいたし、息子さんもいたんですよね。検察のストーリー通りだと極めて危険で無謀な犯行ということになりますが、なぜそこで立ち止まって考え直せなかったのでしょうか？
また、弁護団、裁判官に恵まれて再審無罪というゴールに至りましたが、そもそも、日本の刑事司法がそんな体たらくでどうするという憤りに包まれてしまいます。
それにしてもご本人の強い意志、弁護団の不屈の闘志にはほんとうに頭が下がります。

2021/11/17

警察官の脅しが冤罪被害者をたびたび傷つけた。人権という言葉には、ひたすら目をつぶり、耳に指を入れた。無能公務員特有の体裁ぶった歩き方は滑稽な道化の仕草と同じであった。無表情な顔は何も考えていないのではなく、狡猾な策略を底に隠していた。その傲慢さが我慢できなかった。冤罪被害者は両手を握りしめ、こみあげてくる恥ずかしさと怒りに耐えなければならなかった。吐き気と不快感を同時に味わった。