眠れる虎 の商品レビュー
ピルチャーさんの本を読むのは久しぶりです。 一時期(2007年から2008年頃)は、美しい装丁と英国的な文体が好み(もともと英国の翻訳モノが好き)で読み漁っていました。 さて、本書は厳格な祖母に育てられたセリーナが、婚約者から贈られた本の著者の写真を見て、“死んだと聞かされていた...
ピルチャーさんの本を読むのは久しぶりです。 一時期(2007年から2008年頃)は、美しい装丁と英国的な文体が好み(もともと英国の翻訳モノが好き)で読み漁っていました。 さて、本書は厳格な祖母に育てられたセリーナが、婚約者から贈られた本の著者の写真を見て、“死んだと聞かされていた父親では?”と思い込み、ロンドンからスペインの島へ単独で彼に会いに行った先でのあれこれが書かれています。 典型的な“箱入り娘”のセリーナ。衝動的に旅に出たはいいですが、荷物は紛失するわ、お金は盗まれるわでもう散々です。 自分の行く先の本の著者が父親と決まったわけでもないのに、行った先で“父”にお金を立て替えてもらおうという見通しの甘さ&不在宅に勝手に入ってパンとか食べちゃうところ(これはアカンか!)は、若さゆえという感じでしょうか。 一方、“父親”と思われて、突然家に知らない娘が押しかけてこられたジョージは、客観的にみるともう受難でしかないのですが、世間知らずのセリーナを無下にもできず、ロンドンからの送金が届くまで彼女を受け入れる事にします。 窮屈だったロンドンの暮らしから、一転して開放的なスペインでの生活。 セリーナが目に見えて生き生きとしてくるところや、そんなセリーナを眩しく思うジョージの心の変化が淡々と綴られています。 スペインの燦々と輝く太陽と青い海が目に浮かぶような描写も素敵です。 何となくこの作品は映画にしたら良い感じになるかも、と思いました。時間的にもいい感じにまとまるし、風景ビジュアル的にも映えるでしょうし、音楽とかで盛り上げたら、"丁度いい非日常”が味わえるのではないかと思う所存です。
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図書館で表紙の色合いに惹かれて手に取った本。生まれる前に父を、出産時に母を亡くし祖母に育てられたヒロイン。彼女が婚約者から渡された本の著者近影を見たところから話は始まる。戦争で亡くなったと言われた父ではないのか?と。家族というものに憧れるヒロインはまだ20歳。父では?と思われた男...
図書館で表紙の色合いに惹かれて手に取った本。生まれる前に父を、出産時に母を亡くし祖母に育てられたヒロイン。彼女が婚約者から渡された本の著者近影を見たところから話は始まる。戦争で亡くなったと言われた父ではないのか?と。家族というものに憧れるヒロインはまだ20歳。父では?と思われた男性は37歳。実際は亡父の遠い親戚でそっくりな遺伝子の気まぐれにより、出会った2人。年の差、婚約者等問題はあれど最後はまとまる。まとまるけど、やまがないのよね。愛憎劇が始まるような日数でもないし。ロマンスらしいロマンスもなし(笑)
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