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RED ヒトラーのデザイン の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2026/02/10

「政治家」ではなく、大衆の心理をハックする「稀代の編集者・アートディレクター」として捉えた本です。映画などからの考察も交えながら語られています。かなり読み応えのある一冊です。 デザインを単なる装飾ではなく、「プロパガンダ」として巧みに使いこなしたヒトラー。モダンデザインの「抽象...

「政治家」ではなく、大衆の心理をハックする「稀代の編集者・アートディレクター」として捉えた本です。映画などからの考察も交えながら語られています。かなり読み応えのある一冊です。 デザインを単なる装飾ではなく、「プロパガンダ」として巧みに使いこなしたヒトラー。モダンデザインの「抽象化」「巨大化」「反復」といった手法を駆使し、政治思想を無意識のレベルで浸透させました。ドイツ人はデザイン戦略によって醸し出された「神秘性」と「官能性」に熱狂しました。 手法や効果だけ見ると、デザイナーとしては大いに学ぶべきものがありますが、本書を通じてデザインにおける「悪の側面」を認識せざるを得ません。 卍のマーク(ハーケンクロイツ)を初めとして、ナチス=「悪の組織」というイメージがあります。「ハイル・ヒトラー」の「ハイル」も元はナチスに由来した言葉ではなかったのに、今ではすっかりナチスを想起する言葉になってしまいました。メディアとデザインの力を早くから理解し、「イメージ先行の政治」を実践したヒトラーはIC(コーポレートアイデンティ)の先駆けといえます。 現代のエンタメにもナチス由来の「悪の組織」アイコンがしばしば登場します。デザイン性が高いゆえにアーティストが無自覚に衣装にハーケンクロイツや軍服風デザインを使用すると炎上することも。ヒトラーのデザインの影響力の強さを感じさせませす。

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2025/12/08

情報量が非常に多い。多すぎて散漫な印象もあるが、引用箇所にはマメに出所が記入されているし、巻末に参考文献一覧もある。写真が多いのでイメージはつかみやすい。気になったトピックは深掘りしてみると良いかもしれない。 ナチスがいかにデザインで人心を掌握していったか、本書は数多の具体例を...

情報量が非常に多い。多すぎて散漫な印象もあるが、引用箇所にはマメに出所が記入されているし、巻末に参考文献一覧もある。写真が多いのでイメージはつかみやすい。気になったトピックは深掘りしてみると良いかもしれない。 ナチスがいかにデザインで人心を掌握していったか、本書は数多の具体例を挙げて示してくれた。次はナチス的なデザインになぜ人は惹かれてしまうのかを、より掘り下げたものが読みたい。

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2021/09/11

アイドル歌手がナチス風コスチュームで物議をかもしてしまう日本。日本人がナチスの負の記憶を肌で感じていない事もあるかもしれないが、そのデザインのインパクトの強さが今だに強く残っているからなのだろう。グラフィックデザイナーの著者が、膨大な資料とともに細かく分析している。今回の東京オリ...

アイドル歌手がナチス風コスチュームで物議をかもしてしまう日本。日本人がナチスの負の記憶を肌で感じていない事もあるかもしれないが、そのデザインのインパクトの強さが今だに強く残っているからなのだろう。グラフィックデザイナーの著者が、膨大な資料とともに細かく分析している。今回の東京オリンピックでも映像が話題になっていたと思ったが? 計算されたデザインである一方で、古典的なデザインや周辺の国、民族からも都合よく借りてきているなど、したたかだ。現代でも、うっかり乗ってしまわないよう気をつけなくては。

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2020/04/11

ヒトラーはクリエイティブディレクター。 編集、サンプリング、メディア戦略。 ゴシック建築は、もともと多神教だった人たちを教会に通わせるためのツール。森の中にあるようなデザイン。 グースステップも、フリードリヒ2世のもの。 ヒトラーは銅像を作らない。 ライブに重きを置いていた...

ヒトラーはクリエイティブディレクター。 編集、サンプリング、メディア戦略。 ゴシック建築は、もともと多神教だった人たちを教会に通わせるためのツール。森の中にあるようなデザイン。 グースステップも、フリードリヒ2世のもの。 ヒトラーは銅像を作らない。 ライブに重きを置いていたから。 アイドル性。 ちょび髭は、ガスマスクをかぶりやすくするため。 ハーケンクロイツを十字軍のイメージに重ねた。 45度傾けた鉤十字が酩酊を生む。 ハーケンクロイツは、敵にとっても使いやすい。 皮肉にも、批判デザインが流通の一助となった。 古い建物の中で赤のモダンな旗は映える。 シュペーアによる、光の建築。 ファシズムはファスケス(束ねる)に由来するから。 モダニズムを否定しながらデザインを使うヒトラー。 直線の多用。 ロトチェンコの写真。

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2020/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『独裁者のデザイン』が良かったので購入。本書はアドルフ・ヒトラーとナチスのデザインにフォーカスしたもの。 ナチスに関しては数多の書籍が出ているが、切り口が変わると様々なものが見えて来る。『HATE!』も楽しみ。

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2018/10/26

ナチスの台頭を、ヒトラーのカリスマでも当時の社会情勢でもなく、優れたデザインセンスによるもの、という観点から分析。ヒトラーは模倣者だったが、その取捨選択や改変によって生まれたハーケンクロイツやベルリンオリンピックなどの祭典は、ナチスの悪行を知っていても惹きつけられる。 豊富な実例...

ナチスの台頭を、ヒトラーのカリスマでも当時の社会情勢でもなく、優れたデザインセンスによるもの、という観点から分析。ヒトラーは模倣者だったが、その取捨選択や改変によって生まれたハーケンクロイツやベルリンオリンピックなどの祭典は、ナチスの悪行を知っていても惹きつけられる。 豊富な実例と傍証、随所に挟まれるナチス映画、第2時大戦映画の知識も面白く、読み応えのある1冊。

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2019/06/05

以前からナチスのデザインは不思議に思っていた。あの力強さと官能性、そして禍々しさはどこから来るのか。そして、一国のデザインをなぜあそこまで統一的にできたのか。 本著は、ヒトラーをデザイン・ディレクターとしてとらえ、彼が手がけたナチスのさまざまなデザインを分析する。対象となるジャ...

以前からナチスのデザインは不思議に思っていた。あの力強さと官能性、そして禍々しさはどこから来るのか。そして、一国のデザインをなぜあそこまで統一的にできたのか。 本著は、ヒトラーをデザイン・ディレクターとしてとらえ、彼が手がけたナチスのさまざまなデザインを分析する。対象となるジャンルは、ハーケンクロイツやポスター、フォントなどのグラフィックから、軍服、戦闘機などのプロダクト、敬礼、行進スタイル、イベントの会場レイアウトまで幅広い。 「design」という単語には「企み」という意味もあるそうだ。「アートは問いであり、デザインは答えである」などとも言う。なるほど、たしかに「企み」を効果的に遂行するための「答え」こそがデザインであるとも言える。 本書を読むと、ナチスは「国民の動員」という企みのために、過去のさまざまなモチーフからデザインを引用していることがよくわかる。引用元のデザインがもつ歴史的・文化的な文脈をうまくナチス流にアレンジして、それを繰り返し提示することで、国民意識を高揚させるのだ。図版などを用いながら「元ネタ」を提示して、デザインの裏側にある企みを引きずり出す著者の手つきはお見事。「デザインの歴史探偵」を自任するだけのことはある。個人的には、ナチスの軍服の意匠が、他国の軍服のディテールを組み合わせたものであることに驚いた。 この「種明かし」の手法は、プロパガンダやある種のマーケティングへの解毒剤として有効だろう。広く読まれるべき一冊。

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2018/03/23

ともすると、その「魅惑と恐怖」に取り憑かれ、気付いた時には加担してしまうのか。 歴史は繰り返すのか、、、 --- 「ナチスは政治と芸術を合体させて「国家」をアートにしようとした、アートを、意味とは関係なくカッコいいと思ってしまう感性を手玉にとった」

Posted byブクログ

2017/10/19

ここ一年くらいで白水社のナチ関連本何冊か読んでて、それと比べると文章軽いし、話がとっちらかってる印象は否めないかな。とはいえ、それがイヤではなくて、日本人著者が軽めに書いてるからこその喩えのわかりやすさとか映画の話題の「そうそう」って感じは白水社の翻訳物にはないよね。

Posted byブクログ