石つぶて の商品レビュー
TVで紹介され注目! 機密費という「国家のタブー」に触れてしまった二課刑事(ニカデカ)たちを待っていたのは――。
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外務省の機密費詐欺事件を暴く警視庁刑事のドキュメント ノンキャリアの現場への執念が難事件を解決してきた それは国家の浄化にも繋がる健全を担保する有効な仕組み 他省庁の事件を暴くのは難しい それも外務省のように国家機密を扱うところは尚更 そこに切り込んだ警視庁の物語は歴史を飾るべき...
外務省の機密費詐欺事件を暴く警視庁刑事のドキュメント ノンキャリアの現場への執念が難事件を解決してきた それは国家の浄化にも繋がる健全を担保する有効な仕組み 他省庁の事件を暴くのは難しい それも外務省のように国家機密を扱うところは尚更 そこに切り込んだ警視庁の物語は歴史を飾るべきもの 翻って今日、こうした組織の健全な自浄能力は堅持されているのか? ノンキャリアのエネルギーを「国家の仕組み」として新たに作り出せていない気がする
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
外務省公金横領事件を題材にした警視庁捜査2課の刑事たちのノンフィクション。 森政権の頃に調査をして小泉政権の時に火を噴いた案件。 そういや田中マキコが外相なんかしてたっけなあ。懐かしい。 捜査のやり方や推移なんか実に面白かった。 それだけじゃなく、色々考えさせられた。 2000年頃は政界や官界の変化した頃で、小選挙区制度の定着や派閥衰退のスタートと団塊世代が幅を利かせた最後の時代。 活躍した刑事、逮捕された外務省職員も団塊世代の人達で2000年当時は働き盛りで隣の係と鎬を削って仲も悪い。 最近は汚職事件の摘発も華々しくなく、政治家や官僚が身綺麗になったとか摘発する側がサラリーマン化して職人刑事が居なくなったとか言われている。 それも有るかもしれないけど団塊世代の灰汁の強さと言うか競争の激しさとか上昇気質とか、そういうのが流行らなくなった所為だと思うんだよね。 今でも汚職とかしている奴はしているんだろうけど、さすがに組織ぐるみって言うのは少なくなったんじゃないかと思うが、どうなんだろ?
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「ドンキホーテ」は、今や安売りスーパーの名前にしか聞こえなくなってしまいました。 とんでもなく大きく、強い壁に守られているものに真正面から立ち向かう。ふつうに考えれば、そんな人はまともではない勝負を挑むひと、ということになります。 そうした人をみて、その人を信じることはとても...
「ドンキホーテ」は、今や安売りスーパーの名前にしか聞こえなくなってしまいました。 とんでもなく大きく、強い壁に守られているものに真正面から立ち向かう。ふつうに考えれば、そんな人はまともではない勝負を挑むひと、ということになります。 そうした人をみて、その人を信じることはとても難しく、常識のない愚かな人だと断じるのは簡単なことです。 自らの職を、真摯に激しく生きる意味のあるものとして全うすることの意味と現実を知らせてくれる本です。 希望は、主人公を「おとうさん」と呼ぶ、たったひとりの後継者がそこに残ったことだと感じます。
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一気に読了。 外務省の横領事件は、あまり記憶になかった。しかし、警察でサンズイ摘発にここまで情熱を傾けている人達がいる事に驚いた。 儀を見てなさざるは勇無きなり、か。 それが清武氏のナベツネへの反意にも繋がると推量。
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265 人が取り調べで落ちる瞬間があるとすれば、それは人間同士が腹を割って付き合っているうちに、ふわっとした、どこか懐かしいような浮遊感が生まれたときだと、荻生田勝は思う。 274 松尾が上申書にあるような罪を犯しているのならば、同情の余地はない。しかし、それは償える。生ま...
265 人が取り調べで落ちる瞬間があるとすれば、それは人間同士が腹を割って付き合っているうちに、ふわっとした、どこか懐かしいような浮遊感が生まれたときだと、荻生田勝は思う。 274 松尾が上申書にあるような罪を犯しているのならば、同情の余地はない。しかし、それは償える。生まれつきの犯罪者はいない。環境が人間を変えていくのだ。不正を許す環境に身を任せたときに、人間が犯してしまった部分が犯罪であって、その部分だけは責任を取ってもらわなければならない。 俺たち捜査二課の刑事というものは、取り調べて、落とし、刑務所に送ることが最後の目的ではない。人間がその罪を償った後、対等の関係になって、できれば付き合うということが本当の役目なのだ。捕まえることだけが目的ではない。 276 二課の先輩は「涜職刑事」と自分達を評していた。職を涜(けが)す公務員は社会の敵であり、汚職や公務員犯罪こそが国を滅ぼす。国が衰退しないために、俺たち「涜職刑事」がいる - と胸を張っていた。… やがて鈴木(敏)自身も無名の”石つぶて”の一人となる覚悟を抱くようになる。そして、親しい人にこう漏らすようになっていた。 「おれはただの田舎育ちの百姓のせがれで、国の大きなものを背負う柄じゃないんですよ。それでも、少しでも国の力になりたいという気持ちはありますよね。そのために何ができるかって思うと、汚職がはびこっている国は発展しないんだ、という気持ちにたどりつくんだ。そして、執着が生まれていったんだよ」
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【捨て石の矜持】時にアングラな情報源に自ら当たりながら,「サンズイ」とも別称される汚職事件を手がける警視庁捜査二課。その中でも昔気質の捜査を貫く中才の下に,サミットに絡む巨大な利権を背景とし,外務省が談合を手がけているのではないかとの情報が舞い込んでくる......。2001年に...
【捨て石の矜持】時にアングラな情報源に自ら当たりながら,「サンズイ」とも別称される汚職事件を手がける警視庁捜査二課。その中でも昔気質の捜査を貫く中才の下に,サミットに絡む巨大な利権を背景とし,外務省が談合を手がけているのではないかとの情報が舞い込んでくる......。2001年に発覚した外務省機密費流用事件を描いたノンフィクションです。著者は,『しんがり 山一証券最後の12人』等の著作で知られる清武英利。 捜査の線が徐々に犯人に伸びていくミステリー的な観点はもちろん,今となっては時代遅れと評されてしまいかねない無骨な男たちのドラマとしても読み応え十分。実際にあった事件のため,こういう表現を使って良いのかわかりませんが,とにかく面白い読み物ですので,組織に媚びず,黙々と額に汗する職人たちの物語がお好きな方には絶対的にオススメです。 〜生まれつきの犯罪者はいない。環境が人間を変えていくのだ。不正を許す環境に身を任せたときに,人間が犯してしまった部分が犯罪であって,その部分だけは責任を取ってもらわなければならない。俺たち捜査二課の刑事というものは,取り調べて,落とし,刑務所に送ることが最後の目的ではない。人間がその罪を償った後,対等の関係になって,できれば付き合うということが本当の役目なのだ。捕まえることだけが目的ではない。〜 無骨な感じが☆5つ
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著者の清武氏は読売新聞社会部記者を経て、読売球団代表を解任され、ノンフィクション作家となった。 これは実際の外務省室長の巨額横領事件を追った、捜査2課刑事の話を全て実名で書いた渾身の本。 事件の捜査だけでなく、刑事の人物像も詳しく書かれており、読んでいてイメージが湧き情景が思い描...
著者の清武氏は読売新聞社会部記者を経て、読売球団代表を解任され、ノンフィクション作家となった。 これは実際の外務省室長の巨額横領事件を追った、捜査2課刑事の話を全て実名で書いた渾身の本。 事件の捜査だけでなく、刑事の人物像も詳しく書かれており、読んでいてイメージが湧き情景が思い描ける。 しかし着服の手口は単純極まりない。ホテルのレターヘッドをごっそり入手し、部下に適当(宿泊代100万円とか)な領収書を作成させる。それに支配人のサインらしきものを記入し不正に着服する。これで少なくとも1億円を超える金を手にし、愛人用マンションや競走馬などにつぎ込む。部署ぐるみでやっているのだから、当然ながら省全体で大小様々な不正をやって良い風土なのだろう。 だが刑事は本命の汚職を立件できなかった事を悔やむ。 この事件により総監賞をはじめ数々の賞をもらうも、上司にとってアンコントローラブルな昔ながらの2課刑事は扱いづらく、コンビの係長ともども左遷されてしまう。 防衛庁の守谷次官の汚職も捜査していたが、中止させられ、結局地検特捜部があげた。 もう「やってられるか!」の世界である。 耐え切れず定年前に辞表を出した上司もいる。 最近では2課の汚職摘発は年に一件も無いこともある。これは現在の捜査は刑事の行動全てを上司に報告され、対象と会うのも上司の許可を得て行う。こんなやり方では、保秘できず被疑者に警戒され、立件できないらしい。 意味の無いコンプライアンスは官民問わず幅を利かせ、世の中を悪くしているのだ。
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文句なしに面白かった。官僚的組織の中で刑事には必要悪というのとうまくつきあわないといい仕事なんてできないのかもしれない。
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過去に起こった、外務省職員の汚職事件をテーマにした事実に基づく内容です。始め読んでいるうちは、フィクション?と勘違いしそうになりますが、それが事実に基づいた話だと分かると、そこまで詳細に書かれている事に脱帽します。ストーリーも犯人だけをメインでなく、事件の真相を追求する刑事たちの...
過去に起こった、外務省職員の汚職事件をテーマにした事実に基づく内容です。始め読んでいるうちは、フィクション?と勘違いしそうになりますが、それが事実に基づいた話だと分かると、そこまで詳細に書かれている事に脱帽します。ストーリーも犯人だけをメインでなく、事件の真相を追求する刑事たちの苦労や、その事件の背景にあるものと、読み出せば、その話に吸い込まれる事間違いありません。久しぶりに、読み応えと感動した一冊。ここまで上手く纏めているさk品も少ないのではないかと言う印象です。
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